ただ、紅だけが広がっていく...
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この世界にどんなに嘘を吐いても K。

嘘を吐いたのだ。
君を愛してる、と言う嘘を。

近付いて来る君を抱き締める、顔を綻ばせる。
嬉しそうに笑う君を見て、唇にキスをするとまた恥ずかしそうに笑うのを胸の奥で嘲笑う自分がいた。
君を好きだとどんなに演技をしても、心の奥で何かが燻っている。
細い糸に絡め取られるような、そんな感覚に不意に背筋が凍りつく。
違う、そう否定するように抱き締めているその目の前の存在にしゃぶりついた。
困惑するように、頬を染めて、何度も口付けて仰け反る体を押さえ付ける。
私は誰のものでもないから、この小さな存在をこうして蹂躙する事が出来るのだ、と。
何も知らない私の可愛い玄冬。
不意に罪悪感がこみ上げたけれど、自分のちっぽけなプライドが、それを塗り潰した。
好きだって。
今日も嘘を吐いた、微笑む君に口元に笑みが浮かんだ。

心の奥で、そんな君を嘲笑う自分がいた。

唐突に自分が、君を愛していたのだと気が付く瞬間が来る。
嘘を吐いていた、君を愛していると言う嘘を。
でも、

泣きじゃくる君を見た、身体も顔もグチャグチャだ、何があったのかはすぐに解った。
君は私だけのものなのに。
抱き締める、やさしくやさしく、あやすようにキスをする。
バカみたいだなと思う、そんな自分を嘲笑う自分がいる、君が好きなのだと唐突に気が付いた。
泣きじゃくる君、自分しか要らないと泣きながら訴える、そうだ、私だってそれは同じだ。
先程他人から与えられた熱を意識の外に追いやり、ただ君を抱き締める。
君を愛してる、だからもう、

世界は終わるのだ。

奉納品。
君を愛しているのだと。


7/9(Sat) 09:39 No:348 [res]





其処はいつも桜の花が咲き乱れていた K。

其処はいつも桜の花が咲いていた。
「お帰りなさい、お疲れさま」と微笑む姿と共に。
季節は巡り、桜は散り、桜の花の代わりに白い雪が降るようになった頃。
その姿は消えた、いや、違う。
近付いてみれば、白い雪の中にすっぽりとその姿は埋もれてしまっていた。
慌てて、その名前を何度も叫びながらその白い雪を掻き分けた。
呼ぶ声に微かに震えた瞼、ゆったりと開かれる目に心底安堵を覚えた。
何をしているのですか!?と怒鳴り付けた、でもその夢心地の目、微かに開かれた唇。
声はか細く、告げられたのはとても悲しい愛の告白だった。
驚きで思考が真っ白に染まる。
解ってる、と涙を零しながら、この想いが叶う筈はないとそう告げるか細い唇。
告げられたごめんね、と閉じられていく瞼、それに気が付いて、再度名前を呼んで、その身体を抱きしめて叫んだけれど、彼と同じ愛の言葉は如何しても出て来なかった。
叶う筈の無い愛だと言っていた、確かにその通りだった。
だって自分は彼を愛してなどいなかった。
それでも、涙が溢れて止まらないのは。


7/18(Sun) 20:10 No:347 [res]





届かない言葉に涙を落とす。 K。

貴方が好きなのだとどんなに告げたところで、その視線は届く筈もなく、その焦がれる横顔を見て私は漕がれる。
その視線を先を思い、私は涙を落とす、でもその目をそらす事も伏せる事もない。
貴方のその姿はあまりに美しい、貴方の焦がれる姿はあまりに切ない。
視線を反らせる筈もない。
その視線が此方に向く事はなく、私もまたそれをどんなに思い知ったところで、私は貴方に焦がれるのを止める事はない。
貴方に届かない言葉、貴方が気付く筈もない私の想い。
私は私を想い、貴方を想い、涙を零す意味すら分からないまま、唯涙を落とす。


7/17(Sat) 23:25 No:346 [res]





貴方を。 K。

届かない、そう分かっていても貴方に微笑む。
貴方が好きだと言ってくれた言葉一つだけを抱いて。


7/17(Sat) 22:51 No:345 [res]





貴方と歩む為の道 K。

目の前に広がる炎に、綱吉の身体がガタガタを奮えた。
恐怖で背中から寒気が広がり、少し経つと不思議な事に其処からじわじわと熱が広がる。
背中を押されて、綱吉は一歩足を前に踏み出した。
(怖い)
頭がその言葉だけで埋め尽くされていく、身体は感覚に支配され、思考から切り離されてしまったかのようだった。
強く身体を押されて、綱吉の身体がぐらりと傾く。
目の前に広がる炎に綱吉は目を閉じる隙もなく。

その時、一陣の風が吹いた。

首に衝撃が走り、炎の熱は感じられなくなっていた。

狐だ、大きな金色の狐が綱吉を銜えて、村人に立ちはだかる様に其処にいた。
「て、天神様・・・?」
綱吉はその覚えある雰囲気に思わず呟いていた。
狐は何も答えない。

銃声の中を走り抜ける。

「天神様…オレ…死にたくない…です」
手を強く握り締める。
「お前が望むなら俺の血を分けてやる事は出来る、人には猛毒だが…オレの神気を分かつお前ならば…しかし、それは、この世から切り離され、人ではない時を生きると言う事だ…」

「永久の契りを…」

人に付けられた傷も、人ではない者ならば癒す事が出来るだろう…。


6/13(Sun) 22:47 No:344 [res]





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2/20(Mon) 06:15 No:999 [res]




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