追い掛ける、貴方を追い掛ける。 小さい頃、貴方を追い掛けた。 ずっと背中だけを見ていた自分には貴方がとても大きく見えた。 神聖なものにずっと思えていた、でもそれは全然違っていて。 それを知った時、涙を流しながら自分を慰めたのを覚えている。 解らなくなった、純粋な、好きだった筈だった。 何の意味も解らない、唯好きと言うだけの気持ちの形。 それが、ぐしゃぐしゃになって、何も解らなくなって。 それなのに、別れも唐突だった。 追い掛けないと言う選択肢なんて初めから存在しなかった、だって自分の世界はあまりに彼で構成され過ぎている。 追い掛ける、追い掛ける、悔しい、追い掛けるしか出来ない自分が悔しい。 彼は自分を殺せと言った、殺す事が出来るのは自分だけで自分を育てたのは自分が死ねなくなるからだと、そんな事を言っていた。 死にたいのだろうか? そんなに、自分はそれだけの為に。 また悔しさが込み上げた。 自分は全て、あの人都合のいいように生かされて。 だから、ただでは殺さないと決めた。 殺さない。 貴方が僕を必要としたら僕は貴方を殺す。 そう決めた。 だから、貴方は
奉納品。 待って、いて。
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