投稿時間:2010/2/12(金)22:47
投稿者お名前:電動派
Eメール:
URL :
タイトル: よく読んでくださってありがとう。

さて、ここまで真空引きの理解を深めてきましたので、もう少しお付き合いください。
YouTubeにて、参考になるおもしろ映像を発見しました。
それは、スケルトンの箱の中に水の入ったコップを入れ、真空引きをしている映像です。投稿者は常温で水が沸騰するところを披露したかったようです。
ありがたい事に真空計が映っていて、だいたい−0.094MPaあたりから沸騰し始めています。真空計は正面から捉えられておらず、角度があるので、実際は−0.096MPaあたりと思います。


−0.096MPaでの飽和蒸気温度は約29℃です。箱の中は結構あったかいですね。
すると映像は、コップのアップになり、真空計は見えなくなってしまいます。

ここで問題なのですが、その後の真空計の針はいくつを指しているでしょうか?

http://www.youtube.com/watch?v=W4xb77vriyw


おそらく−0.096MPaでとまっていると思います。このコップの水が完全に気化され排出された後、針は−0.1MPaに向かってさらに真空を引く方向に動き出すはずです。
その理由は、気化して体積が増えたから?・・という答えでもいいけれど、真空を引くエネルギーが水を気化するエネエルギーに変換されている為だと考えられます。

ここで夏の日のエアコン取付時の真空引きを考えましょう。
気温29℃、配管の中も29℃としましょう。もし配管の中にYouTubeの映像のコップの水と同量の水が入っていたとしたならば、ゲージの針は−0.096MPaのところでしばらく止まってしまうでしょう。
そして配管の中が乾燥された後、針は動き出すでしょう。実際は空気中の水分はごく微量ですから、針はほとんど止まりません。
止まらずに−0.1MPaまで針は振れます。ここで一つ言えるのは、−0.096MPaを針が通過した時点で配管内の乾燥が終了しているだろう、ということです。

よって、真空引きで大事なのは引いている時間ではなく、その日の気温に対応する真空到達度をクリアしているかどうかである。この例で言う所の29℃に対する−0.096MPaです。−0.1MPaまで引けば間違いありませんが、新しい配管であれば、中に水が入っている事もないでしょうから、ゲージの針が止まった時点で配管内の乾燥は終了していると考えて良いと思います。


Rental:大宇宙 お知らせ(2/3) Base:ACE
BoardDesign:大宇宙