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2010年7月15日(木) 淳一

日本から知り合いがモナコに来た。
それも海から。

地中海のクルーズで、ローマからモナコへと船で回って来たのだ。
ボクも夕食に招待されて乗り込んでいくと、スタッフが船内を案内してくれた。レストラン・バーはもちろん、スパはあるはシガーバーはあるわ、至れり尽くせりの快適設計。

ボクにとって今まで、クルーズというとデカメロンのイメージだった。ペストで町に出られない快楽主義者の集まりというわけだ。いかに快適でもやっぱり限られた閉鎖空間に過ぎないーーー。  でも乗客がプールで泳いでいるのを見て、ちゃんとしたレストランがあるのを見ると、<ボクも一度は乗ってみなくては>という気になってきた。

その船で来た友達は、日本では死ぬほど忙しく仕事をしている人なのに、夏になると優雅に休みを取って外国に行く。去年もクルーズでモナコに来た。<日本人は休みも取らないで働きづめでーー> とはもう昔の話。いまや日本人の遊び方も熟しているではないか。

それに対して、一般的には働かないと言われるイタリア人だが、ボクの知り合いのイタリア人は、夏休みもあるかないかで世界中を飛び回っているし、モナコの彼の事務所に行くと、机の上の書類の山の向こうでいつも青息吐息をついている。明日はそいつに、こんなおしゃれな日本人もいるのだと教えてやろう。

シャンペンもワインもおいしかったし、窓の向こうにモナコの遠景を見ながら楽しい最高の夕食、あっという間に夜がきた。 豪華客船はサントロペに向けてモナコを出航しなければならない。  Hさん、BON VOYAGE!
2010/7/16(Fri) ...No.981

2010年7月6日(火) 淳一

イタリアの学校は6月から夏休みに入っているとのこと。

うちの子供たちの学校でも、娘のセシルのシンクロの発表会、学校での賞の授与式があって、やっと夏休みに入った。

娘のシンクロの発表会を見に行った。シンクロは2年目であるが、娘が週3回もプールに行って熱心にやっていると思ったら、ずいぶんうまくなった。子供たちの親や友達も大勢見に来ていた。また婚約発表後初めてのアルベールと婚約者がそろって見に来ていた。

そう、2週間ほど前にアルベール大公がついに婚約したのだった。モナコではその話で持ちきりである。何年も前から盛んに週刊誌でうわさされながら、なかなか正式の発表がなかったのだ。しかし来年のいつ結婚式をするかは、まだ決まっていない。

数日まえには、セシルは同じクラスのキャロリーヌ皇女の娘の誕生会に招待された。<うちで誕生会をするから>と娘が言われて行ったところが王宮の中。 <なかにはプールがあって、滑り台があってーーー。アルベール大公とシャルレーヌもいた> と娘。 
上天気の午後いっぱい、娘は王宮で友達と遊んできた。
ボクは迎えに行くだけで中には入れない。こんな友達がいると世界が広がるだろうな。

明日にはヨメと子供たちが日本に出発して、ボクも長い夏休みに入る。
2010/7/7(Wed) ...No.978

2010年6月11日(木) 淳一

メトロポールショッピングセンターで粋な催しがあった。ブティックがそれぞれシャンペンを一銘柄選んで、客に振舞おうというのだ。
もちろん入場には招待券がいる。

社交的で、経済観念の発達した(派手好きでケチな)フランス人やモナコ人が着飾ってたくさん集まっている。モデルのような長身金髪のロシア人も何人もいた。店でシャンペンをもらうと、グラスを片手にグランプリの車の横でおしゃべりに興じている。

ボクはおしゃべりよりもシャンペンに興味がある。ボランジェ、ランソン、アヤラなどのほか、普段見たこともないような銘柄が40種類並んでいるのだ。

順番に全部試そうと思ったが、店の人は惜しげもなくグラスになみなみと入れてくれるので、数杯目ですっかり気持ちが良くなってしまった。
知り合いに何人も会うのでおしゃべりに興じる。
ボクの経済観念もフランス並み。

2010/6/10(Thu) ...No.976

2010年6月6日(日) 淳一

6月6日は娘セシルの誕生日。 
友達が誕生会を開いてくれるというので、カップフェラの友達の家に行く。
知り合いはふだんモナコに住んでいるが、週末を過ごす家がフランス側にある。カップフェラは言うまでもなくジャンコクトーもいた高級別荘地である。
 
大きな鉄の両開きの門が自動で開くと、緩やかな傾斜の右に3階建ての大きなお屋敷、左側に緑の芝生のはるか向こうにプールとプールハウスが見えている。刈り込まれた芝生には<アガタ>に出てくる黒犬が5匹も遊んでいて、頭に頭巾を載せたお手伝いさんが数人と、黒い服の老年の執事がいる。
庭は完璧に手入れされていて、ジャスミンが数十メートルにわたって生垣になっているので、芳香に満ちている。
家の趣味やデコレーションがイタリア風なのは、この家の女主人はローマ出身のイタリア人だからだ。

世界にはこんな金持ちがいるのだーー。
まるで映画の一場面のような豪華さが、現実離れしている。

後で、娘のセシルがボクに言ったことも、現実離れしていた。
<来年の夏は北極に行くから一緒に行こうといわれた>。 
子供を連れて、ノルウェーから自分の船に乗り込んで北極に行こう、と言うのだ。
来年の今頃は、芝生の黒い犬の替わりに、氷の上の北極熊に会っているかも。

2010/6/10(Thu) ...No.972

2010年5月16日(日) 淳一
モナコF1グランプリ決戦の日。
朝から激しいエンジン音がモナコの町中に響く。しかし今年のボクは観客席にも行かないし、プログラムも買わない。アパートの引越しでいまだにカートンボックスが部屋にあるし、なによりもアパートのテラスからF1のコースが丸見えなので、テレビをつけて外を見ていればレースの進行がすべてわかってしまうのだ。

子供たちはグランプリに最初は興味を持って見ていても、10分もすると飽きてしまい、プールに行こうとせがむ。うちのアパートのプールは、昨日土曜日にプール開きをしたばかりなのだ。

それにしても今年の気候は異常だ。5月中旬だと言うのに肌寒くて、山ではまだ雪が降っている。何年か前にグランプリの轟音を聞きながらラルボットの海岸で泳いでいたのを思い出す。アパートのプールは温水だというのに、40分も泳ぐと寒くて上がりたいと子供が言うのも、地球温暖化の現象か??
2010/5/17(Mon) ...No.970

2010年4月23日(金) 淳一

裁判があるという連絡があり、モナコの裁判所へ朝9時から行く。
受付の横には三十人ほどの人がいて、一般人に混じって黒服の弁護士もいる。

法廷に入ると正面の壁に1mほどあるキリストの磔刑像がかかり、<INRI> ナザレのイエス、イスラエルの王と書かれている。時代がかったシャンデリアと古ぼけた壁の模様、検事・判事・弁護士の黒服によだれかけをつけた大仰な服装を見ていると、映画の一場面か一昔前にタイムスリップしたようだ。

複数の裁判が次々とこなされていく。
血中アルコール濃度0.7gで運転して捕まり、警察官に悪態をついたというマドモゼル。未成年ポルノのサイトでつかまった中年男。会社の金を使い込んだ52歳の女会計士。家庭内暴力で法廷でさえ大声で争う60歳ほどの夫婦ーーー。
余裕を持って人の裁判を見られるのは、もちろんボクが原告で、どう転んでも勝つに決まっている裁判だからだ。

観光客に見えないモナコの裏の風景を見るには、裁判所に限る。
2010/4/23(Fri) ...No.969

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