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▼三年 田村 RES
夏休み課題10~11

10『聲の形』(映画)
原作:大今良時(講談社)
監督:山田尚子
〈あらすじ〉
“退屈すること”を何よりも嫌う少年、石田将也。ガキ大将だった小学生の彼は、転校生の少女・西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。彼女が来たことを期に、少年は退屈から解放された日々を手に入れた。
しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周囲から孤立してしまう。
やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。
“ある出来事”以来、固く心を閉ざしていた将也は硝子の元を訪れる。

いじめをしてた側がいじめられる側に回り、被害者側の気持ちを知るあまり見たことの無いストーリーになっていた。石田くんが硝子ちゃんと再会すると鯉に餌をあげるなど共に様々な体験をする。そこでの音楽や情景は非常に明るいのに、硝子ちゃんの心はそれと反対にどんどん暗い方になっていく描写が非常に印象的だった。つまり、背景などの描写の明るさが事態の深刻さをより鮮明にしていたのではないかと考えられた。“ある出来事”に関係する登場人物たちが、石田くんに普通に話しかけ、硝子ちゃんの悪口を言ったりするなどの描写を見て、現実に存在する無神経な人を忠実に表現していると思われた。

11『明日の子供たち』(小説)
著者:有川浩(幻冬舎)
〈あらすじ〉
三田村慎平は転職先の児童養護施設で働き始めて早々、壁にぶつかる。生活態度も成績も良好、職員との関係もいい“問題のない子供”として知られる16歳の谷村奏子が、何故か慎平だけに心を閉ざしてしまったのだ。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日がやってくる。先輩職員らに囲まれて成長する日々を優しい目線で描くドラマティック長編。

テレビなどによって与えられた概念とは異なるものに気づかせてくれる作品であった。児童養護施設のドキュメンタリーやドラマを見ていると、親と暮らせない子供は可哀想など「施設の子=可哀想」といったイメージを視聴者に植え付ける内容になっていると思われた。しかし、今作品は実際に施設で育った女性がファンである有川さんに手紙を送り、有川さんが何度も施設に通い取材を重ねた結果生まれたものである。つまり最も現場の真実を再現している、ノンフィクションではないが限りなくそれに近いフィクションだと言うことが出来る。
作品内の子供たちは虐待など様々なことで親と暮らせず、施設に預けられているが、誰一人親と暮らしたいと言っている子はいない。また施設育ちだと周りには言えないが、施設で楽しそうに暮らしている。私にとって親と暮らすということは当たり前の幸せなことだと思っていたため、それができない「施設の子=可哀想」という概念を持っていた。しかし、施設の子たちにとって親と暮らすことは必ずしも幸せではないし、むしろ施設に入れたことが幸せだと思っている子もいる。つまり私と施設の子の“当たり前の基準”が違うため、このような“施設の子=可哀想”というイメージが生まれるのではないかと思われた。
もちろん、親と暮らしたいと思う子もいるだろう。今作品だけで“児童養護施設”に対するイメージが変化した訳では無いが、現実に近い事柄に触れることで、私たちの知らない施設の真実を少しでも知ることができたように思う。めったに施設の子たちを知る機会はないと思われるため、男女問わずぜひ読んでみて欲しい。
2019/10/1(Tue)11:34 ...No.1720