米村ゼミの掲示板
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▼三年 田村 RES
夏休み課題21~30

21『hybrid child』(アニメ)
原作:中村春菊(角川書店)
監督:福田道生
〈あらすじ〉
それはある意味、鏡。機会でも人形でもなく、持ち主の愛情を反映して成長する人の形、それが“ハイブリッド・チャイルド”。これは主人と“ハイブリッド・チャイルド”が紡ぐ想いの物語。主人は“ハイブリッド・チャイルド”に何を願ったのか。“ハイブリッド・チャイルド”は主人の何を映したのか。そして、なぜ“ハイブリッド・チャイルド”は生まれたのか。生涯ただ1人だけを想い続ける一途な恋を描く、切なく愛しいお伽噺。

OVA全4話で構成されている。ハイブリッド・チャイルドは元々お金持ちが持っているもので、自分好みに成長させることができる“男の妄想の極み”と作品内で語られている。しかし、1話と2話のそれぞれで登場するハイブリッド・チャイルドの葉月とゆずは主人の妄想の極みで作られてはおらず、また非常に深い主従関係の絆で結ばれている。このことからこの2人が他のものとは異なる特別なハイブリッド・チャイルドだと考えることができると思われた。

22『世界一初恋』(アニメ・漫画)
原作:中村春菊(角川書店)
監督:今千秋
〈あらすじ〉
コネ入社と言われるのが嫌で親の会社を辞め、出版社・丸川書店に転職した小野寺律。ところが配属されたのは、興味も経験も全くない少女漫画を扱うエメラルド編集部だった。おまけに、横暴な編集長・高野政宗が「初恋の人」だとわかり─大パニック!? こんな職場絶対に辞めてやる!と思いながらも、恋も仕事もちょっとずつ経験しながら一人前の漫画編集者になるために頑張る律だが……?

今作品の特徴は“出版社”という会社が細かく描かれている部分である。漫画家が担当者と相談しながら原稿を描き、刷る冊数の会議やフェアの企画提案、書店への営業など私たちが知っている“出版社”の仕事がより詳細に描かれている。ここから律たち担当者や会社全体が一冊の本を作るためにどのぐらいの時間をかけ、どれだけ奔走しているのか理解することができ、またその大変さも感じることが出来た。
高野への恋心を自覚した律がなかなか素直になれなくても高野に歩み寄る姿は非常に可愛らしい。
プロポーズ編というアニメが新しく放送されるため、その前にぜひ見て欲しい。

23『純情ロマンチカ』(アニメ)
原作:中村春菊(角川書店)
監督:今千秋
〈あらすじ〉
兄の友人で超有名小説家の宇佐見秋彦に、大学受験のため家庭教師をして貰うハメになった高校三年生の高橋美咲。ところが訪れた宇佐見の自宅で、兄と宇佐見を主人公にした「ボーイズラブ小説」を発見! 副業で丸川書店のサファイア文庫なんてボーイズラブレーベルで妄想小説を書いている宇佐見に、思わずキレた美咲だが、寝起き最悪な宇佐見に襲われて散々な目に。だが、兄の幸せを願って恋心を打ち明けようとしない宇佐見を見ているうちに、次第に美咲の気持ちに変化が生じてくる。そんな折、美咲は兄の転勤を機に宇佐見のマンションに居候することに...。

最初は戸惑いと葛藤ばかりで秋彦と向き合うことが出来なかった美咲だったが、共に過ごすにつれて秋彦を受け入れ、自分の気持ちと向き合おうとする恋愛の形には、美咲の純粋さが表現されていると思った。
また親友である美咲の兄・孝浩のことが好きで、気持ちを伝えても相手に迷惑をかけてしまうとして長年想いを伝えないままそばにいる秋彦に非常に切なくなる。結婚することになった孝浩に失恋した秋彦とそれを慰める美咲の道端でのシーンは切ないのだが、明彦の新たな恋愛のスタートでもあるため非常に印象的だった。

24『暁のヨナ』(アニメ)
原作:草凪みずほ(白泉社)
監督:米田和弘
〈あらすじ〉
高華王国、緋龍城―― 珍しい緋色の髪を持つ愛らしい王女・ヨナ姫は、この城で、戦を好まない優しい父・イル王や、幼なじみで彼女の護衛役を任されている若き将軍・ハクに大切に守られ、何不自由ない暮らしをしていた。
十六歳の誕生日を迎えるヨナのために祝いの宴が開かれることになり、従兄のスウォンも城を訪れる。幼い頃から想いを寄せるスウォンの来訪に喜ぶヨナ。だが、父イル王は、ヨナの結婚相手としてスウォンだけは認められないと頑なに拒む。困惑するヨナだったが、当のスウォンから自分の髪を褒められ、美しいかんざしをもらい嬉しくなる。その喜びも束の間、思いもよらぬ出来事がヨナの身に降りかかる。

最初は複数の男性に守られるお姫様のような女性が主人公だと思っていたのだが、ヨナは守られるだけではなく、誰かを守れるようになりたいと強くなっていく主人公で非常に衝撃的だった。その部分がほかの少女漫画にはあまりない今作品の魅力だと感じた。なぜなら、ヨナという強い女性が描かれていることで、仕事など社会で輝こうとしている現代の女性と重ね合わせることができて、誰でも読みやすい作品になっていると思われるからだ。四龍とハクと共に行くヨナの旅がどのようなものになっていくのか続きが気になる作品であった。

25『ダイヤルアゲイン』(漫画)
著者:ぴょん
〈あらすじ〉
不死身の身体となったノアは、裏社会でボディーガードの仕事を始める。そんな中ある不思議な男と出会い、未知なる世界へ足を踏み入れることになる。

不死身なため、自分の体を大切にしていなかったノアが不思議な男・アレンのもとで過ごしていくうちに自分自身に意識を向けるようになっていく。ノアは孤児院育ちで院長が亡くなってからしばらく愛されてこなかったため、アレンから「好きだ」「愛してる」など言われると非常に可愛らしい反応をする。そこが今作品の1番の魅力だと考えられる。ノアがアレンによって新たな体験をしていくことで、人間味の無かったノアの表情や行動全てが豊かになってやっと人間らしくなっていたように思われた。

26『クリミナル・インタビュー』(漫画)
著者:ぴょん   Queensa
〈あらすじ〉
オレ、殺人鬼に目を付けられちゃったみたい…?
ジャーナリスト志望の大学生ジョナサンが出会ったのは、とんでもない凶悪犯のキスターだった…!

読めば読むほど謎が増え、どのような展開になるのか分からなかったため続きが非常に気になってしまう作品であった。登場人物たちには必ず怪しい部分があり、キスター以外にも疑わう必要があるため混乱してしまう恐れもあるが、それも今作品の魅力だと思われた。ジョナサン以外にも犯人とされているキスターの視点もあるため、被害者と加害者両方向から物語を読み進めることが出来る。

27『スタンドマイヒーローズ』(ゲーム)
ジャンル:女性向けシナリオ×パズルゲーム
開発・発売元:coly
〈あらすじ〉
主人公は、憧れの麻薬取締官「マトリ」として入庁を果たし、男性だらけの職場に配属される。たった一人の女性課員として、警視庁、高校生、セレブ、はたまた裏の組織から有能な男性たちをスカウトする

パズルをクリアしていってメインストーリーやキャラストーリー、イベントストーリーなど様々な物語を楽しむことが出来る。さらに、好きなキャラクターを撫でたりプレゼントをすることで、ゲージが上がり特殊なキャラストーリーも読めるようになっている。
パズルは初心者でも分かりやすく楽しめるものになっているため、誰でも簡単にクリアできると思われる。ストーリーに関しては、実際に現実に存在する厚生労働省麻薬取締部、通称“マトリ”の業務を中心に起こる事件について描いており、非常にリアリティを感じるものになっている。さらに登場キャラ一人一人の設定がしっかりしているため、キャラストーリーも読み応えのあるものになっている。今年で3周年を迎える今作品だが、これらの部分が未だに人気が衰えず、より高まっている理由なのではないかと考えられた。それぞれのキャラを担当する声優も若手からベテランまで出演しているため、誰でも必ず推しを見ることが出来ると思われる。今年の10月にアニメ化するため、そちらもぜひオススメしたい。

28『100回泣くこと』(映画・小説)
著者:中村航
〈あらすじ〉
実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」と言われる。ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだった。4年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで僕は彼女に「結婚しよう」と告げる。彼女は、1年間(結婚の)練習をしようといってくれた。愛犬も一命を取り留めた。ブックの回復→バイク修理→プロポーズ。幸せの連続線はどこまでも続くんだ、と思っていた。ずっとずっと続くんだと思っていた――。

彼女の秘密を知った時主人公に感情移入はもちろんだが、素で泣いてしまった。結婚生活の練習として幸せな生活を送っていた2人があったからこそ、より一層悲しさが際立って読者を物語の中に引き込んでいたのではないかと考えられた。
全体的に辛く悲しい部分が多いが、秘密を主人公に知られないように耐え忍んでいる彼女の姿は特に胸を打たれる。

29『狼は花の馨り』全3巻
著者:りゆま加奈(フロンティアワークス)
〈あらすじ〉
昔、狼と白鹿が恋に落ち、番になった。その血を色濃く受け継ぐ白い髪の子供は“白鹿”と呼ばれ、代々王族の番となる宿命だった。
王都を守る兵士のイルウェスは、ある村で幽閉されていた金色の瞳の白鹿を助け出す。やせ細り言葉も話せない白鹿に『アルタ(金色)』と名付け、2人は少しずつ心を通わせていく。美しいもので溢れる外の世界に目を輝かせる無邪気なアルタを「守ってやりたい」と願うイルウェス。だが、アルタは掟により王族に嫁がなければならなくて……。

アルタは最初言葉も話せず、まるで獣のように人を拒絶していた。しかしイルウェスによって言葉も覚え、様々な感情を出していく、その過程は非常に可愛らしく、庇護欲をかき立てるものだった。
身分の差によって自分の気持ちに悩むイルウェスとは反対に、真っ直ぐにイルウェスを想うアルタの健気さに胸が熱くなる。
描写は非常に綺麗で、全く過激なものでは無いためBL初心者の方にも導入編として是非読んでもらいたい。
性別は違くても、読んでいてこんな純粋な恋をしてみたいと思える作品だった。

30『朝顔』(ドラマ)
原作:香川まさひと(作)・木村直己(画)
・佐藤喜宣(監修)
脚本:根本シンジ
〈あらすじ〉
乃木朝顔は神奈川県にある興雲大学の法医学教室に勤める新米法医学者。新米とはいえ、周囲から一目置かれるほどに優れた技量と豊富な知識を併せ持つ朝顔は、実直な人柄で、自分よりもつい相手のことが気になってしまうような愛情深く優しい女性だ。そんな朝顔は捜査畑一筋の刑事でもある父・平と2人で寄り添うように暮らしている。他愛もない会話と穏やかな笑顔。2011年3月11日から変わらない娘と父の日常。そこに母・里子の姿はない。あの日里子は父親の嶋田浩之に会うために生まれ育った東北のとある海沿いの町に帰省していた。

命を救おうとする医者のドラマはあまり珍しいものでは無いが、亡くなってしまった方とその遺族を救うため、遺体に隠された真実を調べる法医学者を描いたドラマは非常に珍しいと思った。法医学者が行う司法解剖はただ死因を確認する作業だと思っていたが、遺された人たちに、愛する人たちを置いて突然死んでしまった遺体の人物が伝えたかったメッセージを伝える作業なのではないかと思われた。そのため、遺体と遺族に真正面から向き合う朝顔たちの姿は非常に印象的で感動した。

以上夏休み課題30点です。
2019/10/1(Tue)11:35 ...No.1722
▼三年 田村 RES
夏休み課題12~20

12『ONEPIECE STAMPEDE』(映画)
監督:大塚隆史
〈あらすじ〉
「祭り屋」と呼ばれてる万博の主催者ブエナ・フェスタからの招待状を手にしたルフィたち麦わらの一味。導かれるまま会場につくと華やかなパビリオンが所狭しと並び、世界中から海賊たちが群がる、大きな盛り上がりを見せていた。そこには勢揃いした“最悪の世代”キッドやベッジ、ホーキンスにボニー、さらにはバルトロメオやキャベンディッシュの姿もあった。全員の目的はただ一つ、万博の目玉「海賊王(ロジャー)の遺した宝」を探すことだった。

人気キャラがほとんど登場し、ワンピースが好きな人にとってはかなりたまらない作品になっていた。“最悪な世代”がロジャーの宝のために争い始める。戦闘シーンはそれぞれの人物の能力が最大に発揮され、有名な技なども描かれており非常に迫力のあるものになっていた。さらに、その最強の海賊たちが共通の敵を倒すために共闘する場面には他の観客も声を上げるくらい興奮するものになっていた。この部分がより観客を楽しませる演出になっていると考えられる。最も印象的だったのはウソップのルフィに対する思いであった。自分もひどい怪我をしてるにもかかわらず、火事による倒壊からルフィを守り、治療も先にルフィを優先するようにチョッパーに頼むウソップの行動から長年共に旅をしてきて生まれた深い友情を感じ、非常に感動した。ラストにサプライズが用意されているため、気になる人は是非見に行ってもらいたい。

13『ドラえもん  新のび太と鉄人兵団〜はばたけ 天使たち〜』(映画)
監督:寺本幸代
〈あらすじ〉
北極で、巨大なロボットの足と謎の青い球体を拾ってきたのび太。その青い球体に導かれるように、なんと次々とロボットの部品が家の庭に降ってきた。
ドラえもんとのび太は「鏡面世界」で部品を組み立て、巨大ロボット「ザンダクロス」を完成させる。ところが、のび太の街にロボットの持ち主だと名乗る「リルル」という不思議な女の子が現れる。実は「ザンダクロス」と「リルル」はロボットの星「メカトピア」から地球人を奴隷にするために送り込まれたのだった…。

映画ドラえもんシリーズの第31作目で、1986年に公開された『ドラえもん のび太と鉄人兵団』のリメイク作品にあたる。これまでの劇場版の中で最も感動する作品になっていると思った。
地球侵略を目論む“メカトピア”のロボット軍団とそれを阻もうとするのび太たちの戦いを中心に、メカトピアのロボットであるリルルと巨大ロボットの頭脳であったが、ひみつ道具によって動けるようになったピッポとの友情がメインで描かれている。
のび太たちと友だちになったことで、メカトピアが行う地球侵略に疑問を抱き始めるリルルとピッポがどちら側につけばいいのか悩み苦しむ姿は非常に印象に残っており、特にピッポがのび太に泣きながら気持ちを打ち明けるシーンでは夕焼けの情景と相まって涙を誘うものだったと思われる。その過程があったからこそ、最後に2人が選んだ選択に納得することができ、観客はより一層のび太たちに感情移入してしまうのではないかと考えられた。

14 『劇場版 おっさんずラブ 』(映画)
監督:瑠東東一郎
〈あらすじ〉
永遠の愛を誓ったあの日から1年が過ぎ、上海・香港転勤を経て帰国した春田創一。久しぶりに戻ってきた天空不動産東京第二営業所では、黒澤武蔵をはじめ、お馴染みのメンバーが顔を揃え、最近配属された陽気な新入社員・山田ジャスティスも加わり春田を歓迎する。そんな彼らの前に、天空不動産本社のプロジェクトチーム「Genius7」が突如として現れ、リーダーの狸穴迅は、本社で新たにアジアを巻き込む一大プロジェクトが発足し、東京第二営業所にもその一翼を担うよう通告する。その隣には、本社に異動しチームの一員となった牧凌太の姿も…。

ドラマ版をほとんど見ていないが、それでも十分楽しめる作品であった。ストーリーはギャグ調が中心で、それによってシリアスさがより際立っており感情移入することが出来た。恋愛模様は平和だったカップルにライバル(?)が登場し、二人の関係に危機が訪れるという王道な内容であったが、俳優の方々、特に林遣都の演技に魅了され、シアター内の全ての人が物語に引き込まれていたように思われる。所々に有名な作品の名前やパロディになっていたりする、またコントのような駆け引きも非常に面白い。序盤に今までのおさらいが流れるため、ドラマ版を知らない人も楽しめる作品になっていた。

15『ブレイブストーリー』(アニメ)
原作:宮部みゆき
〈あらすじ〉
「失敗したら二度と戻ってこれない」―そんな危険を冒してでもどうしても叶えたい願いがあった。それはバラバラになってしまった家族を取り戻すこと。自分に降りかかった最悪な運命を変えるために、ありったけの勇気を振り絞って、運命を変える扉の向こうへと踏み出した11歳の少年・ワタル。しかし、そこから始まる途方もない旅は、ワタルの想像も、覚悟も、たったひとつの願いさえもはるかに超えるものだった……。

主人公のワタルともう1人の少年ミツルは願いを叶えるために宝玉を探しに行くが、その宝玉を手に入れるためには何かを犠牲にしなければならない。ワタルは自分の願いのために誰かが犠牲になるのなら、別の方法で宝玉を手に入れようとする。一方、ミツルは自分の願いのためなら。如何なる犠牲も厭わずに手に入れようとする。すなわち、ワタルとミツルは陽と陰という正反対の存在として描かれている。ワタルが自分ためだけではなく人のために、物語のキーワードにもなっている“勇気”を振り絞って行動していることが非常に理解できると考えられた。見ていると私も勇気をもらえるような作品であった。

16『忍恋』(漫画)
著者:鈴木ジュリエッタ(白泉社)
〈あらすじ〉
現代に残る忍びの里。周囲に期待されて育った杏子は、次第に実力を男子に抜かされてしまい、これ以上「女の子」になりたくないと悩む。そんな中、名家華山院家の嫡子・楓が現れ、側忍を選考したいと言い――!?
作者である鈴木ジュリエッタが描く男性キャラは非常に魅力的な人物ばかりで、特に目の描き方は妖艶さを感じさせる独特なものになっており、その部分に魅了されている読者は多いのではないかと思われる。
幼い頃から忍術の対戦相手としか男を見てこなかった杏子が楓に出会って初めて恋をする。楓の言葉や行動全てに反応する杏子の純粋さが全面に描かれた可愛らしい作品になっている。純粋すぎるゆえに天然な言動をする杏子に思わず笑ってしまう。

17『トワイライトアンダーグラウンド』(漫画)
著者:秋平しろ(大洋図書)
〈あらすじ〉
ライブハウスでバイトに励む大学生の古川くん。大好きな音楽と仲間に囲まれて楽しい毎日だ。そんなハッピーライフの唯一の問題が店長の北山さん。もともと無愛想な北山さんだけど古川くんには格別無愛想なのだ。スタッフ仲間からも2人の仲の悪さをからかわれる始末。いつか店長をぎゃふんと言わせてやると息巻く古川くんは、ある日北山さんの秘密を知ってしまうのだが……。

元々女性が好きだった古川くんとゲイである北山さんの恋愛模様を描いた作品である。元からゲイであった北山さんはノーマルの古川くんには好きな女性と結婚して子供も生まれる幸せな家庭を築いて欲しいと思っている、しかし好きだから付き合いたいという気持ちも持っている。自分の中にある矛盾した気持ちによって葛藤している北山さんの姿は印象的だった。そしてその葛藤を乗り越えて、恋人同士になった古川くんと北山さんの顔が非常に幸せそうで、読者も幸せを分けてもらったかのような気持ちになれると思われる。BLではあるがほんわかした可愛らしいストーリーになっているため、初心者の方には最もオススメしたい漫画である。

18『胡蝶綺〜若き信長〜』(アニメ)
監督:阿部記之
〈あらすじ〉
信長がまだ吉法師と呼ばれていた元服前の頃。吉法師は居心地の悪い城内から抜け出しては、領内の孤児達と盗賊の真似事をしていた。お目当ては三河守である父・信秀が手に入れた南蛮渡来のお宝。津島の湊でくすねたそれを売りさばき義賊を気取る吉法師だったが、あるとき彼が南蛮渡来の品々を隠し持っていることが城内で知られてしまう。父に問いただされた吉法師は……。

歴史上の偉人である織田信長の人生を描いた作品である。今作品を見て、信長は私が抱いていたイメージとは少し異なる人物だったのではないかと思われた。どこまで本当の事なのかは分からないが、以前私が抱いていたのは“常識はずれで怖い”というもので、ホトトギスの歌や授業から漠然とそのようなイメージを持っていた。しかし今作品の信長は一見常識のない行動をとっているように見えても、上に立つ者という自覚を持ち、自分にとって財産である臣下や領民たちを考えた上での行動だったり、父親からの大切な教えを守った上での発言など、その行動や発言一つ一つに正当な理由が存在していた。つまり、信長はトップに立つ者という事を常に意識し、さらに臣下や領地内の人々の事を考えながら行動を取っていたと考えられる。
このように今まで学んできた織田信長から生まれたイメージとは全く異なる印象を新たに学ぶことができた。行動や発言の結果から全てを受け取るのではなく、その過程の中にある思いや考えに触れることができる作品になっていると思われる。

19『弱虫ペダル』(アニメ)
原作:渡辺航
〈あらすじ〉
千葉県総北高校に入学した小野田坂道は、大好きなアニメグッズを買う為に、毎週アキバまで、往復90qの道のりをママチャリで通っていた。高校生になったらアニ研に入って友達を作ろうと思っていた坂道だが、なんとアニ研は人数が集まらず廃部になっていた。落胆する坂道の前に、ロードレーサーの今泉俊輔が現れて…。

地味な主人公が才能を発揮してスポーツで活躍するというありふれたストーリーになっているが、最初からすごい能力を持っているという訳ではなく、小さな才能を大きな能力にするため地道に努力を重ねていく姿が描かれているため、視聴者も応援したくなり物語にのめり込めるようになっていると思われる。
登場キャラの個性が強く、それぞれのチームも独特なものになっているため、好きなチームやキャラを見つけることができると思われる。そのため、実際のスポーツのように応援して盛り上がることができる。さらにロードレースというあまり馴染みのないスポーツが題材になっているが、専門用語など一つ一つ丁寧に説明されているため全く知識がなくても楽しんでみることが出来た。

20『弱虫ペダル GRANDE ROAD』(アニメ)
原作:渡辺航
〈あらすじ〉
インターハイ2日目もゴールまで残り4q。先頭を走るのは、箱根学園と京都伏見、そして坂道の活躍によりチーム全員が合流を果たした総北高校。3校の先頭争いが繰り広げられる中、追い込まれた御堂筋はフェイズ49≠発動。箱根学園のアシスト、荒北に迫る!激動のロードレース後半戦、優勝を賭けた戦いが遂に始まる!

1期より“何がなんでも勝つ”という勝利への気持ちが全ての登場キャラから非常に感じた。それはインターハイという大きな大会であるからという理由だけではなく、3年生にとって最後の大会であったからという理由もあったからだと思われた。1期では仲間と支え合いながら能力を高め、ゴールを目指すという“仲間と共に”という描写が目立っていたように感じられていたが、2期では勝つため仲間を置いていき、ゴール直前になるとほとんど一体一の状態になる。仲間がどんどん脱落していく場面では見ている側もつらくなったが、その際に自分の想いを前を走る仲間に託し、走り続ける人もそれを受け取り、“仲間の思いと共に”ゴールを目指していた。つまり、2期では共に走るシーンは1期よりも少ないが、“仲間の想いと共に”走るという描写が多かった。むしろこちらの方がチームメンバーの絆を感じる事ができた。
2019/10/1(Tue)11:35 ...No.1721
▼三年 田村 RES
夏休み課題10~11

10『聲の形』(映画)
原作:大今良時(講談社)
監督:山田尚子
〈あらすじ〉
“退屈すること”を何よりも嫌う少年、石田将也。ガキ大将だった小学生の彼は、転校生の少女・西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。彼女が来たことを期に、少年は退屈から解放された日々を手に入れた。
しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周囲から孤立してしまう。
やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。
“ある出来事”以来、固く心を閉ざしていた将也は硝子の元を訪れる。

いじめをしてた側がいじめられる側に回り、被害者側の気持ちを知るあまり見たことの無いストーリーになっていた。石田くんが硝子ちゃんと再会すると鯉に餌をあげるなど共に様々な体験をする。そこでの音楽や情景は非常に明るいのに、硝子ちゃんの心はそれと反対にどんどん暗い方になっていく描写が非常に印象的だった。つまり、背景などの描写の明るさが事態の深刻さをより鮮明にしていたのではないかと考えられた。“ある出来事”に関係する登場人物たちが、石田くんに普通に話しかけ、硝子ちゃんの悪口を言ったりするなどの描写を見て、現実に存在する無神経な人を忠実に表現していると思われた。

11『明日の子供たち』(小説)
著者:有川浩(幻冬舎)
〈あらすじ〉
三田村慎平は転職先の児童養護施設で働き始めて早々、壁にぶつかる。生活態度も成績も良好、職員との関係もいい“問題のない子供”として知られる16歳の谷村奏子が、何故か慎平だけに心を閉ざしてしまったのだ。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日がやってくる。先輩職員らに囲まれて成長する日々を優しい目線で描くドラマティック長編。

テレビなどによって与えられた概念とは異なるものに気づかせてくれる作品であった。児童養護施設のドキュメンタリーやドラマを見ていると、親と暮らせない子供は可哀想など「施設の子=可哀想」といったイメージを視聴者に植え付ける内容になっていると思われた。しかし、今作品は実際に施設で育った女性がファンである有川さんに手紙を送り、有川さんが何度も施設に通い取材を重ねた結果生まれたものである。つまり最も現場の真実を再現している、ノンフィクションではないが限りなくそれに近いフィクションだと言うことが出来る。
作品内の子供たちは虐待など様々なことで親と暮らせず、施設に預けられているが、誰一人親と暮らしたいと言っている子はいない。また施設育ちだと周りには言えないが、施設で楽しそうに暮らしている。私にとって親と暮らすということは当たり前の幸せなことだと思っていたため、それができない「施設の子=可哀想」という概念を持っていた。しかし、施設の子たちにとって親と暮らすことは必ずしも幸せではないし、むしろ施設に入れたことが幸せだと思っている子もいる。つまり私と施設の子の“当たり前の基準”が違うため、このような“施設の子=可哀想”というイメージが生まれるのではないかと思われた。
もちろん、親と暮らしたいと思う子もいるだろう。今作品だけで“児童養護施設”に対するイメージが変化した訳では無いが、現実に近い事柄に触れることで、私たちの知らない施設の真実を少しでも知ることができたように思う。めったに施設の子たちを知る機会はないと思われるため、男女問わずぜひ読んでみて欲しい。
2019/10/1(Tue)11:34 ...No.1720
▼三年 田村 RES
夏休み課題1~9

1 『ギヴン』(漫画・アニメ)
著者:キヅナツキ(新書館)
〈あらすじ〉
好きだったはずのギターも面白かったはずのバスケも、くすんで見え始めたある日、上ノ山立夏は佐藤真冬と偶然出会う。日々の生活の中で音楽への情熱を失いかけていた立夏だったが、偶然聴いた真冬の歌が刺さり、2人の距離は変わり始める。

ノイタミナ初となるBLコミックのアニメが現在放送されている。真冬の所属するバンドを中心に、恋愛模様が繰り広げられていく。人より気持ちを言葉にする事が苦手な真冬が、バンド活動を通じて、そして上ノ山との出会いを通じて自身の過去と向き合い、ボーカルとして気持ちを歌で表現していく。最も印象的だったのは真冬が初めてライブに出演した場面である。ここでは昔付き合っていた男の子のことが今でも忘れられず、二度と会えなくなってしまった後悔と寂しさを真冬が初めて言葉にしている。原作ではその想いはただ文字にされているだけで、それだけでも切なさが非常に感じられるのだが、アニメではその想いを込めた歌が実際に歌われていてより一層真冬の抱える罪悪感や寂しさが感じられて、視聴者はせつない感情が込み上げてくると思われる。

2 『アラジン』(映画)
監督:ガイ・リッチー
〈あらすじ〉
ダイヤモンドの心を持ちながら、本当の自分の居場所を探す貧しい青年アラジンが巡り合ったのは、王宮の外の世界での自由を求める王女ジャスミンと、 “3つの願い”を叶えることができる“ランプの魔人”ジーニー。
果たして3人はこの運命の出会いによって、それぞれの“本当の願い”に気づき、それを叶えることはできるのだろうか──?

人気ディズニー映画『アラジン』を実写化した作品である。ストーリーはアニメと似ている部分が多いが、使用されている楽曲がアレンジされていたり、この作品のために新しく作られたりしている。
今作品では、女性の社会進出という問題が描かれているのではないかと考えられる。アニメ版では法律上王子としか結婚できないため、ジャスミンはあらゆる王子とお見合いをさせられていたが、最終的には王である父によって法律が変えられ、アラジンと結ばれる。一方、実写版ではジャスミン自身はかなり自立した女性で、「私が国王になる」と父に伝えるのだが相手にされていなかったが、ラストになると父に勇敢さや行動力などが認められ国王になることを許可される。このように現在問題になっている女性の社会進出が物語に上手く組み込まれており、現代に生きる人々に合わせたラストになっていると思われた。

3 『ライオンキング』(映画)
監督:ジョン・ファヴロー
〈あらすじ〉
動物たちの王国、プライド・ランド。その王として尊敬を集めるライオンのムファサとサラビの間に次期王となる息子シンバが誕生した。シンバ誕生の儀式に大勢の動物たちが集まりシンバを称える。一方、シンバの叔父かつムファサの弟で次期王に選ばれなかったスカーは儀式を欠席し、王になる事ができない自分の立場を呪っていた。

アニメーションではなくCGで全て作られた今作品は、CGだと言われなければ本物の動物で撮影されているように見える程のリアリティあるものだったため、まるでアニマルドキュメントを見ているように感じた。さらに動物たちの細かい表情まで描かれていたため、より一層感情移入しながら鑑賞することが出来た。
“ハクナマタタ”などの様々な考えに触れながら、王としての自覚を持つまでの過程には罪悪感や責任感といったシンバのマイナスな感情が多く描かれていたが、過去と向き合い、スカーと戦うことを決意した後では自信の表れや大切なものを守る意志の強さといったプラスな側面が描かれていることでシンバの心の成長が分かりやすくなっていると思われた。
最先端のCG技術と伝説的なディズニー作品が上手く融合された感動する作品になっていた。

4 『炎炎ノ消防隊』(アニメ)
原作:大久保篤
〈あらすじ〉
何の変哲もない人が突如燃えだし、炎を操る怪物“ 焔ビト”となって、破壊の限りを尽くす“人体発火現象”。炎の恐怖に立ち向かう特殊消防隊は、現象の謎を解明し、人類を救うことが使命である。
とある理由から“悪魔”と呼ばれる新入隊員・森羅日下部は“ヒーロー”を目指し、仲間たちと共に“焔ビト”との戦いの日々に身を投じる。

タイトルの通りから炎の描写が多く登場するが、まるで生き物のように動かされており非常に迫力のあるものになっている。登場人物の中には特殊能力を持っている者がおり、どれもユニークな能力になっていて今作品の魅力の一つだと思われた。人体発火現象の謎だけではなく、シンラが属する第8消防隊以外の消防隊にも隠している秘密がある。このように今作品には多くの謎が存在しておりまだ解明されていないため、読者や視聴者は自由に考察できることはもちろん、“早く真実が知りたい”とどんどん物語に引き込まれていく構成になっていると考えられた。

5 『鬼滅の刃』(漫画・アニメ)
著者:吾峠呼世晴
〈あらすじ〉
時は大正、日本。炭を売る心優しき少年・竈門炭治郎はある日鬼に家族を皆殺しにされてしまう。さらに唯一生き残った妹の禰豆子は鬼に変貌してしまった。絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため“鬼狩り”の道を進む決意をする。

今作品の最も魅力的だと思われたのは、炭治郎たち“鬼殺隊”だけではなく、人間を襲う鬼側の物語も詳しく描かれている部分である。ただの食糧でしかないと人間のことを下等な生物として見下しているように見える鬼だが、実はその鬼も元々は人間で、鬼になると人間だった頃のことを忘れていってしまう。しかし炭治郎たちとの戦いに負け、消えていく際に人であった頃を思い出して泣いたり、血縁関係の全くない鬼と家族のようなままごとをしたりなどという事から、鬼は結局人というものに憧れているように考えられる。つまり人と人でないもの、両方の面を持つ鬼という存在が単なる正義の敵という悪者ではなく、悲しく虚しい存在であるという事を鬼の視点から見ることで理解しやすくなっていると思われる。

6 『さらざんまい』(アニメ)
監督:幾原邦彦
〈あらすじ〉
舞台は浅草。中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ”に出会い、無理やり尻子玉を奪われ、カッパに変身させられてしまう。
「元の姿に戻りたければ“ある方法”で繋がり、ゾンビの尻子玉を持ってこい」ケッピにそう告げられる3人。少年たちは繋がり合い、ゾンビの尻子玉を奪うことが出来るのだろうか……。

最初この作品を見た時、「何を伝えたいのか分からない」というように、内容や表現方法などが独特すぎて理解できなかった。しかし、最終回まで見てみるとそこまでも今作品の魅力の一部だったのではないかと思われた。なぜなら、説明不足や理解ができない部分は視聴者がそれに関する考察を自由にできるからだ。考察をする上で必要なアイテムが場面毎に細かく描かれている。それから自分で今後の展開やこのキャラのセリフの真意などを考えることができる、さらにSNSでハッシュタグをつけて発信している視聴者が多かったため、自分以外の人の様々な考えに触れることができた。つまり多くの人の意見に触れながら自分で物語の先を想像出来る、想像力を広げることができる作品だと考えられた。
特に最終回のラストは、見ている人それぞれでハッピーエンドにもバッドエンドにも取れるものになっているため、より自分だけの考察というものが生まれると思われる。

7『PSYCHO-PASS 』(アニメ)
監督:塩谷直義
〈あらすじ〉
人格が数値化できるようになった未来。
刑事課に配属された常守朱に手渡されたのは「犯罪係数」という数値によって犯罪者を裁く銃―ドミネーターであった。
戸惑いながら現場へ向かう朱。そこで彼女が出会ったのは...。

今作品の世界では、数値が絶対である。数値が低ければ低いほど犯罪を犯す可能性が低いとされ、警察や公務員などの高いキャリアの仕事につける。一方、数値が高ければ高いほど犯罪を犯す可能性が高いとされつける職種も限られてくる。中でも、“潜在犯”と呼ばれる非常に数値が高い人は施設に入れられる、またドミネーターの執行対象になったりする。さらに“潜在犯”は差別の対象になり、それは本人だけではなく家族にも及ぶことがある。この世界では常に監視されているため、私たちの現実にこのような事が起こった場合かなり生きづらい世界になると思った。
常守たちが追っている槙島聖護という人物は、“免罪体質”と呼ばれる存在で犯罪を犯しても数値が低いままなため、システムに引っかからず、殺人などを数多く犯すことができる。しかし、数値が絶対であるこの世界ではむしろ数値がその人自身の存在を表しているのではないかと思われる。そのため、数値が検知されにくくシステムに引っかからない“免罪体質”はまるで存在していないように扱われていると考えられるため、槙島は自身の存在を誰かに認知して欲しくて殺人を犯し続けていたのではないかと思われた。

8『PSYCHO-PASS  2』(アニメ)
監督:塩谷直義
〈あらすじ〉
2114年、シビュラシステム運用下にある東京の繁華街で連続爆破事件が起きた。
公安局刑事課一係の監視官・常守朱は、
事件直後に色相が悪化した人物のサイマティックスキャンのログをトレースすることで居場所を特定。一係と二係の刑事と現場へ向かう。朱は逃亡を図る潜在犯・喜汰沢旭をすぐに執行しようとせず、ある可能性に賭けようとしていた。

狡噛が失踪したあとの世界が舞台になっており、新たなメンバーを迎えて常守は日々業務にあたっている。正義を第一に考えてきた常守は大切な人を傷つけられた事で、復讐を考え悩み苦しんでおり、その姿は非常に印象的でかつて共に行動していた狡噛の姿に非常に似ているように思われた。さらにシビュラシステムの正体もついに明かされる。犯罪を未然に防ぐ“正義”を形にしたようなシビュラシステムだが、本当にその“正義”は正しいのか考えさせられる内容になっていると思われる。

9『劇場版 PSYCHO-PASS 』(映画)
監督:塩谷直義
〈あらすじ〉
鹿矛囲事件から1年半後となる2116年。
シビュラシステムはついに海外に輸出され、初の試験導入先となったSEAUnの首都・シャンバラフロートはつかの間の平和を得る。一方日本では、東京湾から武装テロ集団が密入国を果たしていた。情報屋から一報を受けた常守朱監視官は、一係と現場へ急行。
激しい銃撃戦の末、テロリストを制圧する。集団が使用していたシューティンググラスからは、日本の警備システムを知り尽くした人間がその開発に関わっていると推測された。

シビュラシステムが試験的に海外に導入され、常守はその都市に視察に行く。一見安全は保証された場所に思えたが、実際は貧困差が激しく守られていたのは裕福な人々だけであった。
これまでのPSYCHO-PASSシリーズを通して、実際に導入された時の市民や警察官に起こりうる事件の可能性が述べられていると感じ、中でも今作品は視聴者にとってリアリティを感じるものになっていると考えられる。犯罪を徹底的に撲滅しようとするのであれば、可能性のある潜在犯などは物語の中のように一定の数値以上になったら自動的に毒が注入される首輪をつけた方が効率的で安全だろう。途中まではフィクション感満載だったが、抑えられないほど犯罪が増えすぎたら日本もこのようなシステムを開発・導入する可能性があると思った。そのため今作品の内容を見ていて、「未来の日本かもしれない」と非常に危機感を感じることができるものだった。
2019/10/1(Tue)11:34 ...No.1719
▼三年 白井 RES
夏休み課題21〜30
21.『本能寺ホテル』(映画) 監督:鈴木雅之 脚本:相沢友子
主人公、倉本繭子は務めていた会社が倒産し、無職になってしまう。そんなある日、繭子は交際している吉岡恭一からプロポーズされ、流されるまま婚約する。
そして、繭子たちは恭一の両親に会うため実家の京都を訪れる。しかし、元々予約していたホテルは手違いで泊まることが出来ず、途方に暮れていた所、「本能寺ホテル」というホテルを見つけそこに泊まることにする。しかし、繭子が泊まったそのホテルは摩訶不思議なホテルでエレベーターに乗りながら金平糖を口に入れると戦国時代の京都にタイムスリップしてしまうホテルだった。そして彼女の前にはあの織田信長が現れる。現代と戦国を行き来するヒロインが歴史的な事件にどう絡んでいくのかが見どころである。
織田信長、そして本能寺の変という日本人なら誰でも知っている歴史上の史実を題材にしていたので理解しやすかった。また、この作品は単純にタイムスリップものとして楽しむだけではなく、やりたいことが分からず、主体性が持てないヒロインが織田信長達との交流し、彼らから刺激を受けることで最終的に自分がやりたいことを見つけ出すというテーマも含んでいるのでヒロインの成長の物語になっている。歴史好きでもそうでなくても楽しめる作品である。

22.『ハッピーフライト』(映画) 監督、脚本:矢口史靖
航空業界で働く人々をコミカルにそして時には現実的に描いた作品。旅客機が機体異常で引き返し、無事緊急着陸するまでのトラブルを描く。主人公は新人CAの斎藤悦子だが、その他にも航空業界で働く様々な人々が登場する。例えば操縦士の鈴木和博、グランドスタッフの木村菜採、整備士の中村弘樹など航空業界に関わる様々な役職の人物が登場し、日々起こるトラブルや苦労、そしてプロとしての仕事の情熱などを垣間見えるのがこの作品の魅力の一つだと思う。私たちが安心安全に航空を利用し、海外などに行くことが出来るのはこういった方々がいるお陰だと痛感した。作品自体は比較的コミカルに作られているので大変見やすく面白い作品だった。

23.『過保護のカホコ』(ドラマ) 脚本:遊川和彦
ヒロインの根本加穂子は、大学卒業を控えた22歳。もう立派な大人にも関わらず、全ての行動を親任せにする過保護の性格を持つ超箱入り娘だった。外泊はおろか自分で買い物に行ったこともない。挙句の果てには今日着る服も母親の判断なしには決められない。そんな彼女がカホコとは正反対の青年、麦野初との出会いを機に人生を一変させていく。
主人公カホコが兎に角過保護で、年齢は重ねているものの中身は子供のままで何でも母親任せというのは怖いと感じた。また、カホコがそうなってしまったのは母親のせいであり、母親が子離れできていないからである。毒親には様々な種類があるが、カホコの母も一種の毒親であると感じた。母親は子供に愛情があるからこそ子供の自立をサポートしてあげなくてはならないと思った。この作品はカホコの成長、そして初との恋愛、家族の絆など様々な要素が盛り込まれており、笑って泣ける作品になっている。老若男女に受ける作品になっていると思う。

24.『舟を編む』(アニメ) 作者:三浦しをん イラスト:雲田はるこ
出版社、玄武書房では中型国語辞典『大渡会』の刊行計画を始めていた。口下手な営業部員、馬締光也は定年を間際に控え、後継者を探していた辞書編集部のベテラン、荒木に引き抜かれ、辞書編集部に移動となった。そこで馬締は持ち前の言葉への強い執着心と粘り強さを生かし、辞書編集者としての能力を開花させていく。
出版社というとキラキラしていて華やかなイメージがあったが、この作品で描かれる編集部は真逆で、堅くて真面目な仕事として描かれていると感じた。また、私自身、わからない言葉があるとよく調べるが、国語辞典はその言葉の最も正確な意味を定義しているため、信頼できるものでなくてはならない。いい加減に調べて載せることがないようにプロの編集者たちが1つ1つの言葉を丁寧に調べ上げていることを改めて痛感した。
この作品は決して派手な作品でも大きなストーリー展開があるわけでもないが、プロとして仕事をする姿勢や、コツコツと努力することの大切さを教えてくれる作品である。

25.『GO』(映画) 原作:金城一紀 監督:行定勲 脚本:宮藤官九郎
在日韓国人の杉原は日本の普通高校に通う高校三年生。ボクサーの父親に触発され、中学までは朝鮮学校に通っていたが、高校からは日本人の学校へ通い始める。悪友たちとケンカに明け暮れる日が続いていたが、悪友の一人である加藤が開いたパーティーで風変わりな少女、桜井と出会い恋に落ち、少しずつ自暴自棄に生きてきた自分の生きざまを見つめていくが、そんな矢先杉原の朝鮮学校時代の友人であるジョンイルが日本人に殺されてしまう。
これを機に在日韓国人と日本人の対立が深まっていく。「在日」というテーマを、少年、少女の恋愛模様を通して描き出していく斬新な作品。
この作品が上映されたのは2001年で、今では在日韓国人といってもそこまで露骨な差別はないように思うが、この作品が上映されたのは2001年で今とは時代背景が異なるので、その頃は今よりも在日韓国人に対しての風当たりが強かったのだろうと感じた。実際ここまでの在日に対しての差別がこの時代あったかどうかは分からないが、少なくとも在日韓国人は自身のアイデンティティに対して複雑な気持ちを抱えていたのだと思うと胸が痛くなった。また、今日、日韓関係が悪化しているのでまた在日韓国人に対して風当たりが強くならなければ良いと思った。色々と考えさせられることが多い映画だった。

26.『コウノドリ』(漫画) 作者:鈴ノ木ユウ
産婦人科医でありピアニストでもある鴻鳥サクラが主人公の産科医療漫画
生まれてくる赤ちゃん全てを笑顔にしたいと望む彼らの姿を描いた作品だが、時には中絶や流産などのつらい現実もリアルに描いている。生命が誕生することが本当に奇跡的なことだということを改めて私たちに教えてくれる感動作。
私は今まで、妊娠したら大概大きな問題もなく普通に赤ちゃんが生まれてくるものだと思っていた。しかし、この作品を見て、新たな生命が誕生するのがどれだけ奇跡的なことかを気づかされた。また、それに関わる産婦人科医や助産師さんたちがどれだけ全力で新しく生まれてくる命に向き合っているかが分かった。私も母親や、サポートしてくれた家族、先生方がいなかったら生まれて来ることが出来なかったので改めて生んでくれたことに感謝しなければならないと感じた作品だった。

27.『謎解きはディナーのあとで』(小説) 作者:東川篤哉
主人公宝生麗子は新人刑事であり、世界的な企業グループの令嬢である。そんな麗子が遭遇した難解な事件を彼女の執事、影山が現場を見ずとも概要を聞いただけで事件を推理し、解決に導いていく作品。本格ミステリーの体裁を取りつつも影山が執事の立場ながら麗子に毒舌、暴言を吐くという場面が見られるのも本作の見どころ。また、麗子の上司である風祭警部とのコミカルなやり取りが見られるなどユーモアたっぷりの作品になっている。
麗子はお嬢様で影山は執事という立場にも関わらず、影山がとにかく毒舌。「この程度の真相がお判りにならないとは、お嬢様はアホでいらっしゃいますか?」や「失礼ながらお嬢様、ひょっとしてお嬢様の目は節穴でございますか?」などの数々の暴言、毒舌が飛び出すのが
面白い。今まで執事というと主に絶対服従のイメージがあったので影山のように毒舌を吐きまくる設定は斬新だと感じた。また本格ミステリーの体裁を保っているのでしっかりと謎解き要素もあり、しかもトリックが大変分かりやすい。ドラマ化もされている超人気作品なので小説を読んだうえでドラマを見るとまた面白い作品だと思う。

28.『家売るオンナ』(ドラマ) 脚本:大石静
主人公三軒家万智は「私に売れない家はありません!」と豪語するほどの超天才不動産屋。
客の抱える様々な問題を察知し、容赦なく関わりながら、家という人生において最大の買い物を型破りな方法や手段で豪快に売りまくる。
この作品は万智の手腕が見どころであるのはさることながら万智の勤める不動産屋、「テーコー不動産」の個性豊かな社員達が登場し、コミカルなやり取りを繰り広げるのも魅力の一つである。最初は万智のやり方に疑問や反感を覚えていた者もいたが、次第に万智のペースに巻き込まれていくのが面白い。特にイモトアヤコさん演じる白洲美加は毎回、万智に雑用などを押し付けられ、酷い目に遭っており、白洲も言い返すのだが万智の迫力に負けてしまうというお決まりの展開が視聴者の笑いを誘っている。基本1話完結型のストーリー展開になっており、毎回顧客が抱える物やニーズが異なっており、今回はどのように万智が家を売るのか予想してみるのも楽しい。

29.『きな子〜見習い警察犬の物語〜』(映画) 監督:小林義則
幼い頃に、警察犬訓練士だった亡き父と警察犬エルフの活躍を見た杏子は自分も訓練士を志すようになる。そして、見習い訓練士となった杏子はラブラドールレトリバーのきな子を警察犬にすることを決意する。警察犬試験に何度も失敗しながらもめげずに挑戦を続ける見習い警察犬とその訓練士を目指す女性の奮闘を描いた感動作。香川が生んだズッコケ見習い警察犬きな子の実話をもとに作られたノンフィクション作品。
警察犬になるには本当に険しい道のりが待っていることがよく分かった。訓練士は言葉が通じない犬を相手に教えることの難しさや上手くいかない時の葛藤などがよく表現されていたと思う。しかし、それ以上にこの作品では犬と人間の絆の深さを感じた。きな子と杏子が互いを思いあい、そして苦難を乗り越えていく姿は涙なしには見られない。優等生ではない一匹と一人が挫折を繰り返しながらも夢を追いかける姿に胸が熱くなる。

30.『凪のお暇』(ドラマ)作者:コナリミサト 脚本:大島里美
節約が趣味の28歳OLの主人公、大島凪は常に周りの空気を読んで周囲に合わせて目立たず謙虚に生きていた。本当はくせ毛の髪を長い時間をかけてストレートに整え、偽りの女子力が高い自分を作り上げていた。しかし、ある日凪を蔑む同僚の悪口を聞いてしまい、さらには隠れて社内恋愛をしている営業部のエース我聞慎二が性的な関係を目当てに凪と交際しているということを聞いてしまい、過呼吸で倒れてしまう。それ以降、会社を辞め、家財を処分し都心から郊外に移住。全ての人間関係を断ち切った凪は引っ越し先のボロアパートの住人達との出会いを機に変化していく。
最初は空気を読みまくり流されるまま生きていた凪が、自分の本当にやりたいことを見つけ、それに向かって真っすぐに一生懸命に向き合っていく姿が印象的だった。
日本人は周りの空気を読みすぎたり、自分の思ったことを素直に言えない人が多いが、本当に大切なのは自分らしく生きることで、誰かの顔色を窺ったりせずに自分のしたいように人生を謳歌した方が楽しいだろうなということを気づかせてくれる作品だった。
また、この作品のもう一つの見どころは凪を取り巻く二人の男性との恋愛模様である。
1人は元カレの慎二。彼は最初は凪のことはさほど好きではないように振舞っていたが、本当は真逆。恥ずかしくて素直に言えなかっただけで、凪に振られた後は号泣し、諦められずにいる超ツンデレ。もう一人は凪の移住先のアパートのお隣さんであるゴンさん。彼はマイペースで穏やかな性格。どこか子供っぽくてとっても可愛らしい。この二人をドラマ版では高橋一生さんと中村倫也さんが演じており、胸キュン間違いなしである。
2019/9/28(Sat)14:14 ...No.1718
▼三年 白井 RES
夏休み課題11〜20
11.『バッカーノ!』(アニメ) 作者:成田良悟
300年前、洋上の船で錬金術師達が、不老不死を求めて悪魔の召喚を試みた。召喚は成功し、悪魔は不老不死になる酒を錬金術師たちに与え、その酒の製造法を召喚主のマイザー・アヴァーロに教えた。しかし、翌日の夜、一人の錬金術師が仲間を食い始め、彼ら不老不死になった錬金術師たちはその悪魔の手から逃れるため、世界中に散らばった。そして、1930年、禁酒法時代のアメリカで不老不死の酒を巡る馬鹿騒ぎ(バッカーノ)が始まる。
この作品は登場人物が非常に多く、しかも決まった主人公がいない。それぞれの登場人物が何の繫がりもないように登場し、最初のうちは誰が誰だか覚えられず頭が混乱してしまった。しかし、最終的には少しずつ登場人物達が線で繋がっていくのがこの作品の面白いところである。また、内容は割とシリアスではあるが、OPの音楽や話がテンポよく進んでいくので比較的見やすくなっていると思う。

12.『メアリと魔女の花』(映画) 監督:米林宏昌 脚本:米林宏昌 坂口理子
赤い館に引っ越してきた赤髪の少女、メアリは森で7年に1度しか咲かない不思議な花<夜間飛行>を」見つける。それはかつて魔女の国から盗み出された魔女の花だった。
一夜限りの不思議な力を手に入れたメアリは雲海にそびえたつ魔法世界の最高学府「エンドア大学」入学を許可される。しかし、メアリがついたたった一つの嘘がやがて大切な人を巻き込む大事件を引き起こすことになる。
全体的に王道なストーリーだと感じた。話に一本筋が通っており、大人から子供まで楽しめる作品になっていると思う。前回の米林監督の作品『思い出のマーニー』が難解な内容だったのに比較して、この作品は理解しやすい作品になっている。大衆向けを狙うならこの作品の方が良いと思うが、個人的には『思い出のマーニー』の方が見終わった後に残るものが大きかった。米林監督の次回作にも期待していきたい。

13.『偽装不倫』(ドラマ) 作者:東村アキコ
主人公、濱鐘子は32歳独身の派遣社員。婚活を続けるも成就せず、長きに渡る婚活に別れを告げるために一人旅を決行。博多旅行へ旅立った鐘子は姉、葉子に借りたワンピースのポケットになぜか姉の結婚指輪が入っていることに気づく。そして、機内に乗り込んだ瞬間頭にスーツケースが直撃、指輪を落としてしまう。慌てる鐘子に指輪を差し出したのはスーツケースの持ち主、伴野丈。丈にどっちの指か聞かれた鐘子は咄嗟に左指だと嘘をついてしまう。その後、お詫びとして丈に博多での食事に誘われた鐘子は丈と楽しいひと時を過ごす。そして、その夜なぜか丈から「僕と不倫しませんか?」という誘いを受け、承諾してしまう。こうして偽装不倫をすることになった鐘子だったが、丈にはある秘密があった・・・。
結婚していることを隠して不倫をするという設定はよくあるが、この作品は恋愛を続けるために結婚しているふりをするというのが面白かった。
また、鐘子の姉、葉子は結婚しているが、不倫をしており、鐘子と葉子。お互いに秘密を抱えるという点では共通しているが、一方は結婚しているふり。一方は結婚していないふりという対照的な描かれ方をしているのが面白かった。コメディタッチのところもあり、理屈抜きに楽しめる作品である。

14.『ビッグ』(映画) 監督:ペニー・マーシャル
12歳の少年ジョシュは年に一度やってくる移動遊園地に足を運ぶが、身長が低くてジェットコースターに乗れず、落胆。願いを叶えるという不思議なレトロコインゲーム機ゾルダーを見つけ、大きくなりたいと願う。翌朝目が覚めるとジョシュは望み通りの大人になっていた。大人になったジョシュを不審者と勘違いした母親が彼を家から追い出してしまう。ジョシュは移動してしまった移動遊園地を探すため、ニューヨークへ向かう。そこでジョシュは大人を偽り、おもちゃ会社に就職して子供ならではのセンスを発揮していく。トム・ハンクス主演のコメディ映画。
基本コメディ中心の作品となっており、古い映画であるが現代の若者が見ても楽しめると思う。見た目が大人なのに中身が子供なので奇行が目立つが、そのおかしい様子をトム・ハンクスが見事に演じていた。また、笑いだけでなく心温まる場面もあるのでバランスがよい作品になっている。世界的に有名な作品なので一度は見て欲しい。

15.『カールじいさんと空飛ぶ家』(映画) 監督:ピート・ドクター
冒険好きの少年、カールは同じく冒険好きの少女、エリーと出会い結ばれる。その後、長年、二人は仲睦まじく暮らし、いつか伝説の滝「パラダイスフォール」を二人で見にいこうと約束していた。しかし、年老いて妻のエリーが病気で倒れ、先立たれてしまう。最愛の妻を失ったカールは、街の開発計画によって周囲に高層ビルが建設されていく中、妻との思い出の家を守るため立ち退きの要求を拒否していた。ところが立退きを迫る相手に誤ってケガを負わせてしまい、カールは立ち退きを余儀なくされてしまう。これを機に、妻との約束を果たすため、10297個もの風船を家に結びつけ、家ごと「パラダイスフォール」へ旅立つ。そしてひょんなことから乗り合わせたボーイスカウトの少年ラッセルと共に壮大な冒険に挑む。
主人公がお爺さんというのはピクサーアニメの中ではかなり珍しい作品ではないかと思う。子供向けというよりは大人向けに作られた作品で、カールじいさんとラッセルの交流は見ていてとても心温まるものになっていると思う。また、年を取ってしまったから冒険を諦めるというのではなく、年をとっても冒険が出来る=挑戦するのは何歳からでも遅くないというメッセージが込められているように感じた。

16.『八日目の蝉』(映画) 作者:角田光代
独身女性の野々宮希和子は既婚者である秋山丈博と不倫関係にあった。妊娠した希和子は丈博に堕胎を余儀なくされ、妊娠できない身体になってしまう。希和子は後悔から丈博の子供を見たくなり、家に忍び込み、その子供、恵里菜を誘拐してしまう。希和子は恵里菜を我が子のように可愛がりながら逃亡生活を送るが逮捕されてしまう。そして、成人を迎えた恵里菜は実の両親と折り合いが合わず、心には優しかった希和子の存在があった。そして恵里菜も希和子と同じく不倫をしていた。そんな中、21年前の誘拐事件について知りたいとある一人のジャーナリストが恵里菜の元を訪れて・・・
この作品は母親というものに焦点を当てて描いていると感じた。そのうえで実の母親と希和子を対比して描いており、実の母親ながら不甲斐ない母親と誘拐はしてしまったものの愛情深い希和子という対比は見事だと感じた。希和子のした行為としては犯罪だが、希和子の恵里菜に懸ける愛の深さを見ていくうちに一概に責められなくなってしまった。また、「八日目の蝉」という独特なタイトルだが、このタイトルについては様々な解釈が存在する。私は7日しか生きられない蝉が8日目まで生きられたらその蝉が見られる景色はきっと素晴らしいものであるはずだ。という意味が込められているのではないかと考える。一概に暗いだけではなく、希望も感じられる作品だと思う。

17.『家政婦のミタゾノ』(ドラマ) 
人気ドラマ「家政婦は見た!」「家政婦のミタ」を元にして作られているこの作品。TOKIOの松岡昌宏主演のコメディドラマ。比較的手ごろな値段家政婦を派遣してくれる「むすび家政婦紹介所」で働く美田園薫は家政婦ではなく、女装をしている男性、「家政夫」であった。寡黙で神出鬼没、考えていることが分からず不気味だが、料理、洗濯、掃除、子守といったあらゆる家事においてプロ級の腕前を持つ超一流の家政夫。そんな美田園が派遣先で仕事をこなしながらその家庭の裏に蔓延る根強い汚れを暴き、家庭を崩壊させ、そして再生させる1話完結型のドラマ。
美田園が毎回家庭に蔓延る秘密を暴きまくるのが痛快で面白い。どの家庭も一見幸せそうに見えるが毎回何らかの秘密が隠されているのでそれを考えながら視聴できるのも魅力的である。また、毎回挟まれる生活に役立つ家事テクニックも見ていて実践したくなるようなためになるものが多いのでそれも見どころの一つになっている。

18.『マイ・フェア・レディ』(映画) 監督:ジョージ・キューカー
語学が専門のヒギンズ教授はひょんなことから下町生まれの粗野で下品な言葉遣いの花売り娘イライザをレディに仕立て上げられるかを巡ってピカリング大佐と賭けをすることになる。そしてヒギンズ博士はイライザを自身の屋敷に住まわせ、半年で貴族たちが集まる舞踏会へ行けるように訓練を施す。上流階級の暮らしを知らないイライザにとって日々の生活は苦難に満ちたもので、時にヒギンズ博士と衝突もするが、二人で苦難を乗り越えるたびに絆が深まっていく。果たしてイライザは半年で立派なレディになれるのか。そしてヒギンズとの関係にどのような結末を迎えるのかが本作の魅力である。
あの世界的大女優オードリーヘップバーンの主演映画ということで視聴したが話も面白く、王道のシンデレラストーリーに仕上がっていた。また、上品なイメージがあるオードリーが汚い言葉遣いをするのも大変ギャップがあったがそれはそれで彼女の高い演技力が見られたところだと思う。また、元はミュージカル映画ということで劇中歌も盛んに登場し、様々な曲を聴くことが出来た点も大変魅力的だった。

19.『荒川アンダーザブリッジ』(漫画、アニメ) 作者:中村光
主人公一ノ宮行は世界のトップ企業の社長の御曹司。幼いころから父に「他人に借りを作るな」と教えられてきた。しかし、ある日川でおぼれかけた際、荒川河川敷に住む自称金星人の少女、ニノに命を救われる。「命の恩人」というあまりにも重すぎる借りを作ってしまった行は借りを返すことにするが、その見返りとしてニノが行に求めたことは「私に恋をさせてくれないか?」というものだった。こうして行はニノの恋人として橋の下で生活することになる。
この話は借りを返すために付き合った二人がどのような関係性になっていくのか、その過程を見るのが面白いのは勿論の事、個性豊かな登場人物が登場し、視聴者を飽きさせないところにあると考える。例えば村長が自称620歳の河童の男であったり、住人には常に星形のマスクを被っているミュージシャン、通称星という男などなど風貌も中身も変わった住民ばかりが登場する。そんな彼らとの交流をコメディとしてこの作品は描いており、笑いが6割、恋愛が3割、感動が1割といったバランスの作品になっている。見る人を選ばず誰が見ても面白い作品なので是非見て欲しい。

20.『義母と娘のブルース』(ドラマ)作者:桜沢鈴 脚本:森下佳子
岩木亜希子は超優秀なバリバリのキャリアウーマン。そんな彼女が妻を亡くしたシングルファーザーの宮本良一と結婚し、小学生の娘、みゆきの母親になることになる。しかし、亜希子は仕事一筋で来てしまったため、やることなすことが世間の母親とはズレており、空回りしてしまう。みゆきは亜希子を母親として断固認めず、冷たい態度をとり続けるが、亜希子が不器用ながらもみゆきの母親になろうとしている姿に心を打たれ、次第にみゆきも心を開いていく。果たして3人は本当に家族になれるのか。そして2人の結婚に隠された秘密とは何なのか。義母と娘の10年間を描いた感動作。
亜希子は仕事は完璧だが、最初は何処かロボットっぽさがあり、人間味が感じられなかった。しかし、良一とみゆきと生活していくうちに徐々に人間らしくなっていき、表情も豊かになっていったのが印象的だった。また、この作品は義母と娘の10年間を描いており、10年で様々なことが起き、逆境も待ち受けているが、常に互いを思いあう二人は本当の親子以上の絆があると感じた。大切なのは血の繫がりではなく、互いが互いを思いあうことだと改めて感じた。とても心温まる作品で感動すること間違いなしである。
2019/9/28(Sat)14:06 ...No.1717
▼三年 白井 RES
夏休み課題1~10
1.『トイ・ストーリー4』 (映画) 監督:ステファニー・フォルサム
 ウッディ達は新しい持ち主のボニーと幸せな日々を送っていたが、ウッディは次第に彼女に遊ばれなくなっていく。そんなある日、幼稚園でボニーが自分で作ったおもちゃ「フォーキー」を連れて帰ってくる。しかし、フォーキ―はフォークとアイスの棒で作られており、自分をゴミだと思っているため、目を離すとすぐにゴミ箱へ向かってしまう。ウッディはボニーのお気に入りのおもちゃであるフォーキーを守るため、フォーキーの世話役になる。そんな中アンダーソン一家がドライブ旅行へ行くことになり、ウッディやフォーキ―を含むおもちゃ達も同行することになるが、旅行中様々なハプニングが勃発する。
私は実はトイ・ストーリー1,2,3を見ておらず、楽しめるか不安だったが、大変楽しく視聴できた。賛否両論ある作品だが、個人的には良かったと思う。ウッディは前の持ち主のアンディの一番のお気に入りだったが、今の持ち主、ボニーには遊んでもらえない日々が続き、過去の栄光にすがる姿が垣間見られる。おもちゃは見た目は変わらないし歳も取らないが、古くなっていくという表現がそういった方法でされており上手く出来ていると感じた。実際に見てみないと感じ取れない部分が多くある作品だと思うので是非見て欲しい。

2.『ボス・ベイビー』 監督:トム・マクグラス 原作:マーラ・フレイジー
想像力豊かな少年ティムは、ママ、パパと三人暮らしの一人っ子。両親の愛情を一身に受け、幸せな日々を送っていた。しかし、ある日突然、弟「ボス・ベイビー」がスーツを着てタクシーで突然家にやってくる。彼が来てから両親は彼にかかりっきり。ティムは次第に両親にかまってもらえなくなり面白くない毎日を送ることに・・・
ある日、ボス・ベイビーの部屋に忍び込んだティムは赤ん坊だと思っていたボス・ベイビーが言葉を話し、誰かと電話をしている姿を目撃する。
最初はいがみ合っていたティムとボス・ベイビーであったが、ひょんなことから二人は利害が一致し、協力して世界を揺るがす巨大な陰謀に挑むことになる。
赤ちゃんなのに中身はスーツを着たおっさんというギャップが面白かった。また、ティムの方が兄なのに知能ではボス・ベイビーに負けているため、いつも言い負かされてしまうという構図もよくできていると思う。この作品は兄弟愛を軸とした作品ながら、ボス・ベイビーの中間管理職ならではの苦悩や、ティムの弟に両親をとられてしまう悲しさなども表現されており、様々な角度から楽しめる作品になっている。

3.『ペット』(映画) 監督:クリス・ルノー
ケイティと一緒に住む犬のマックス。二人はニューヨークの街で幸せに暮らしていた。
そんなある日、ケイティが保健所から大きな犬、デュークを連れて帰ってくる。
デュークのせいでケイティとの二人の幸せな生活が邪魔されたことに怒ったマックスはデュークを追い出そうと画策するが、デュークは散歩の時間を狙ってマックスを野良猫たちの住む路地裏へ置き去りにしようとする。しかし、作戦は失敗。野良猫たちに首輪を奪われた上に、保健所の回収車に捕まってしまった二匹。絶体絶命な二匹の前に真っ白でふわふわな兎、スノーボールが現れ、二匹を窮地から救うが・・・
ペットたちが飼い主がいない間に何をしているのかがコミカルに描かれていて面白かった。
しかし、可愛くて面白いだけでなく、保健所送りになって殺されてしまう犬が沢山いるという現代の問題点も含んだ作品になっていたと思う。ペットを飼う以上はしっかりと責任を持って飼わなくてはいけないことや愛情を注いで育てなくてはいけないということを子供向けにソフトで分かりやすい内容にして上手く伝えている作品だと感じた。

4.『キングダム』(映画) 作者:原泰久
紀元前3世紀の古代中国の春秋戦国時代末期を舞台にして、後の始皇帝になる秦王政と秦の武人である主人公、信の活躍を描いている。時代は紀元前。500年の争乱が続く春秋戦国時代に下僕の身分ながら天下の大将軍を夢見る「信」と「漂」という二人の少年がいた。
やがて大人になり秦国大臣、昌文君に見いだされて仕官した漂であったが、ある夜、瀕死の状態で漂が信の元に帰ってくる。そこで漂は信に一枚の紙を託す。息絶えた漂から託された紙に書いてあった場所に辿り着いた信はそこで漂に瓜二つの青年、政と出会う。この青年こそ秦国第三十一代目大王であった。最初は漂が落命した原因となった政に激怒する信であったが、託された漂の想いと政の人柄に次第に惹かれはじめ乱世の世の中に身を投じることになる。山崎賢人、吉沢亮主演で映画化された本作品であったが原作を忠実に再現しており、非常にスケールが大きい作品となっていた。アクションシーンも迫力のあるものに仕上がっており、出演者が鍛錬を積んだことが感じられた。また、この映画の魅力はアクションシーンだけではなく、感動させられる場面も多々あり、友情や夢を持つことの大切さを感じられる作品になっていた。これを機に原作も読んでみたい。

5.『ヒナまつり』 原作:大武政夫
芦川組を支える若きインテリヤクザ、新田義史は大好きな壺に囲まれ、マンションで悠々自適な生活を送っていた。しかし、ある日突然謎の物体に入った少女、ヒナがやってきたことで生活は一変。念動力が使えるヒナに壺を割ると脅され、同居を余儀なくされてしまう。お人好しなヤクザと気ままなサイキック少女の危険で賑やかな日常を描いた作品。
この作品の魅力は新田がヤクザという設定にも関わらず、お人好しというところにある。最初はヒナとの同居を嫌がっていたが、次第に父性に目覚め、実の娘のようにヒナに接するようになるのがヤクザという設定とのギャップがあって面白かった。また、ヒナ以外にも超能力を持った個性豊かな少女たちが登場するので、キャラクター一人一人も魅力的に描かれている。基本的には一話完結型なので気軽に楽しむことが出来る作品である。

6.『マレフィセント』 監督:ロバート・ストロンバーグ
眠れる森の美女のリメイク作品であり、悪役であるマレフィセントの視点から物語が描かれている。舞台はヘンリー王が支配する人間の王国と隣接する妖精の国。この二つが対立する中、妖精の国の翼を持つ少女、マレフィセントは妖精の国に入り込んだ人間の少年ステファンと出会い、恋に落ちる。しかし、次第にステファンの心は人間界の野望へと向かっていくようになり、二人の仲は疎遠に。加えて、ステファンはマレフィセントを騙して、彼女の翼を切り落とし、次期王の座を勝ち取ってしまう。このことでステファンに怨みを持ったマレフィセントはステファンの娘、オーロラに16歳の誕生日の日没までに糸車に指を刺されて死の眠りにつく。という呪いをかけるが・・・。
原作のオーロラ姫は知っていたが、マレフィセントが一方的に悪役として描かれるばかりで、スポットライトが当たっていなかったので、この作品では悪役の視点から物語を描いているのが新鮮でよいと感じた。また、何故マレフィセントがオーロラに呪いをかけたのかについても納得がいく理由が描かれているので物語として深みが出て良い作品となっていると感じた。

7.『レ・ミゼラブル』 (映画) 原作:ヴィクトル・ユーゴー 監督:トム・フーパー
飢える家族を助けるため、パンを盗んだ罪で逮捕されたジャン・バルジャンは19年間囚人として過酷な重労働を強いられていた。刑務官ジャベールから仮釈放通知書を受け取り、ようやく外へ出るが、犯罪者であるバルジャンへの世間の当たりは厳しく残酷だった。そこへ通りがかったミリエル司教は彼に手を差し伸べ食事と寝床を提供する。しかし、バルジャンはそこでも盗みを働き、逃げる途中で憲兵に見つかり、叱責を受けるが、ミリエル司教はバルジャンを庇う。そんな司教の優しさに心を打たれたバルジャンは心を改め、謙虚で正直な人間になることを決意。仮釈放通知書を破り捨て、新たな道を歩むことを決意する。
元はミュージカルだったものを映画化しているので表現が難しいところも多々あったと思うが、この映画はミュージカルの良さを損なわないよう上手く工夫されていたと思う。ミュージカルでは曲が登場人物の心情を表すが、映画版でも曲を効果的に使うと共に映画でしか出来ない表現、例えば歌っている人物がどの場所で歌っているか、または細かい表情などがプラスされ、ミュージカルと映画の良さを最大限引き出した映画になっていたと思う。
キャストも皆歌唱力が高い人を起用していたので、歌のクオリティも維持できていたのではないかと感じる。見終わった後に、壮大な作品を見たという満足感が感じられる映画だった。

8.『イカ娘』(アニメ) 作者:安部真弘 監督:水島努
イカ娘は海洋汚染を続けてきた人類を懲らしめるべく地上世界を侵略するために陸上へとやってきた。そこで最初に目を付けたのは海の家「れもん」。しかし、侵略を試みるも小さな屋台ひとつ侵略できずに撃沈してしまう。しまいには壁を壊した修理代として代わりにそこで働かされることになってしまう。果たしてイカ娘が人類侵略を達成させる日は来るのか・・・。イカ娘と個性豊かな人間たちが繰り広げるドタバタコメディ。
とにかくテンポよく物語が進んでいくので飽きずに見ることが出来る。正直この作品はイカ娘ことイカちゃんの可愛さに尽きる作品だと思う。何かと人類侵略を目論んではいるがその可愛らしい容姿と抜けている性格が相まって全く怖さを感じない。そのギャップがとても可愛いので是非視聴して頂きたい。また、この作品はギャグコメディではあるが、海洋汚染という環境問題も孕んでおり、ただのギャグコメディではないところも良いと思う。

9.『名探偵コナン ゼロの執行人』 (映画) 監督:立川譲 脚本:櫻井武晴
                    原作:青山剛昌

『エッド・オブ・オーシャン』という東京湾に出来た大型施設で東京サミットが開催される。
サミット当日の5月1日は二万二千人もの警察官が出動するというこの超巨大施設で、突然大規模爆破事件が発生。そこには公安警察を操る警察庁の秘密組織、通称ゼロに所属する安室透の姿があった。何故その場に安室がいたのか不審に思うコナンであったが、そんな最中、現場の証拠物に残された指紋がかつて警視庁に在籍していた小五郎の指紋と一致してし、逮捕されてしまう。これは何者かによる陰謀なのか、小五郎を逮捕に仕向けた安室と対立し始めるコナン。果たして安室透は敵なのか、味方なのか。
内容は警察、検察、公安などの組織が次々と登場し、警察内部の権利関係などが話に絡む場面も多かったので理解するのにやや苦労した。子供向けというよりは大人向けの作品に仕上がっていたと思う。また、今回はいつものコナン映画に比べてアクションシーンが多く、特に今回のキーマンである安室透のアクションシーンは想像以上に激しくて驚いた。やや複雑な話ではあるがアクションと推理そして個性豊かなキャラクター達が登場する良い作品だった。

10.『あなたの番です』 原案:秋元康 脚本:福原充則
マンションに引っ越してきた歳の差新婚夫婦が住民会で行われた「交換殺人ゲーム」に巻き込まれる姿を描いたミステリードラマ。第1章では原田知世、田中圭が主演で続く第二章では反撃篇として田中圭が主演の作品になっている。最近のドラマでは珍しい2クール構成となっている。様々な住民が登場し、毎週のように謎の死を遂げていく。また、多くの伏線が張り巡らされているため、ネット上で考察が盛んに行われた。テレビ離れが進んでいる現代の若者をこれほど魅了し、話題性を呼んだ作品はそうないのではないかと思う。SNS上で考察が話題を呼び、それを見た若者が興味を持ち「あなたの番です」を視聴する。という流れを作った秋元康はやはり天才だと言わざるを得ないと感じた。考察好きの人におすすめの作品である。
2019/9/28(Sat)13:52 ...No.1716
▼三年金成 RES
夏休み課題21〜30

21『フォルティッシモ』(小説)
企画・原案:叶瀬あつこ
シナリオ:ハラダサヤカ
イラスト:ウダジョ

アイドルに全く興味がなかった藤咲ふたばはなぜか人気男性アイドルグループ・fortteのマネージャーをすることになる。まじめで野暮ったいふたばはきらきらした芸能界で戸惑う。そんな中グループの一人に助けられ恋心を抱いてしまう。

『BROTHERS CONFLICT』内に登場したアイドルグループfortteに焦点を当て、別のキャラクターを主人公にしている。アイドルとマネージャーの恋愛を描き、失恋したところから物語がはじまる。アイドルとしての「顔」とプライベートでのギャップが特徴的だと思う。最終的には逆ハーレムに近い状況になるが、基本的に最初から最後まで主人公の相手は一人に決まっている。序盤で主人公は振られてしまうが、それを糧に変化していく様子がかっこよく好感がもてる。結末はアイドルと結ばれるものと先輩マネージャーと結ばれるものの二つが用意されていて、そこが少し変わった作品だと思う。

22『純情ロマンチカ』(漫画)
著者:中村春菊

大学受験を控えた高橋美咲は模試の結果に絶望していた。そんな時兄・孝浩の友人である小説家・宇佐美秋彦が家庭教師としてやってきた。秋彦に勉強を教えてもらっていた美咲は秋彦が孝浩に対して恋愛感情を抱いていることを知ってしまう。

美咲と秋彦の出会いから恋人関係になるまでに加え、その後の同居生活も描いている。内容としては恋人関係になった後の同居生活の方がメインとなっている。秋彦の家族に交際を認めてもらおうと必死に努力している美咲が健気で応援したくなる。またこれまで必死に秋彦との交際を隠していた兄・孝浩に打ち明けようかと葛藤している様子が同性同士で付き合うことの難しさを表している。秋彦に対してなかなか素直になれない美咲ではあるが、だんだん甘える様子も見られているところから交際期間の長さが感じられる。実際長期に渡って連載されている作品であるので、物語の結末を最後までしっかり見届けたいと思う。

23『0能者ミナト』(小説)
著者:葉山透

科学が発達した現代においても「怪異」と呼ばれるものたちが起こす事件は存在する。そういった事件を解決するのは修験者や法力僧といった人々である。九条湊も怪異事件を解決しているがその方法は一風変わったものだった。

「怪異」とはいわゆる妖怪のようなものであり、怪異が関係する事件は法力僧や巫女といった霊能力をもった人々によって解決される。しかし主人公の湊は霊能力をもたず、同業者から「零能者」と呼ばれている。「零能者」である湊が怪異事件を解決するために使うのが「科学」だ。「怪異」と「科学」は対極の存在のように思われるが、湊は怪異が引き起こすオカルト事件を科学的に考察し、解き明かす。固定概念を破壊し、新しい観点から物事を考察する主人公が魅力的な作品である。主人公の湊はとてもひねくれた性格で口が悪いが、そんな湊と他のキャラクターの掛け合いがおもしろい。キャラクターが魅力的な作品であり、読みやすいと思う。

24『博多豚骨ラーメンズ』(小説)
著者:木崎ちあき

人口の3%が殺し屋の街・博多で裏家業を営む男たちの群像劇。

各巻ごとにメインとなるキャラクターがいて、そのキャラクターを軸に群像劇が繰り広げられる。あるキャラクターが起こした行動が全く別のところで別のキャラクターを助けたり、行動を変化させたりといったところがおもしろい。どこでどの言動が関係してくるのかが分からないので、上手くそれまでの行動が繋がったときにはどこかスッキリとした感覚になる。登場するキャラクターは皆個性豊かで魅力的である。殺し屋の話ではあるが暗くなりすぎない内容なので楽しんで読める作品だと思う。

25『組長娘と世話係』(漫画)
著者:つきや

「桜樹組の悪魔」と呼ばれるほど好き勝手にやらかしていた若頭の霧島透はある日組長の一人娘の世話係に任命される。

好き放題していた霧島が組長の一人娘の八重花との交流を通して人間らしく、優しくなっていくほのぼのとした内容である。狂暴な霧島と人見知りの八重花がだんだん距離を縮め、仲良くなっていく様子が微笑ましい。交流を通して変化するのは霧島だけではなく八重花も同様である。人見知りの八重花が友達を作り、遊びに誘う様子は成長が感じられて感動した。自分が原因となって八重花が怪我をしてしまい、責任を感じた霧島が「家出」をしたところで話が止まっているので続きが非常に気になる。

26『オッサン(36)がアイドルになる話』(漫画)
原作:もちだもちこ
漫画:木野イチカ
キャラクター原案:榊原瑞紀

大崎ミロクは無職で引きこもりの36歳。踊ってみた動画に影響されてジムに通い痩せることに成功、踊ってみた動画を手違いで投稿したところ白い王子様として注目されることになった。そして41歳芸能事務所社長や40歳の元ホストとともにダンスグループを組むことになる。

タイトル通り中年と呼ばれる男性たちがアイドルを始める話である。漫画らしい展開が多く、ギャグ要素もある。しかし何かを始めるのに遅すぎるということはなく、本人の努力とやる気次第でなんでもできると思わせてくれる内容でとてもおもしろい。また一度挫折を味わったキャラクターたちがもう一度前を向いて歩き出す姿は応援したくなる。恋愛要素もあるが、主人公のミロクがとてもピュアなのであまり進展せずやきもきすることもある。しかし着実に変化はしているのでこのまま見守りたい。

27『極妻デイズ』(漫画)
著者:長谷垣なるみ

引きこもりのオタクである桜は天羽組の組長の命を助けたことから極妻になってほしいと言われる。また組長が孫の三兄弟に「桜をオトした者を次期組長にする」と言ったために三兄弟に取り合われることになる。

タイプが異なる三兄弟に取り合われるという逆ハーレムものの内容である。主人公の桜はおどおどとしているところが多いが、ここぞという時にはしっかり自分の主張を述べることができるので好感がもてる。最初は次期組長になるためにという打算で桜に接していたキャラクターもいるが、次第に桜自身を見て接するようになるところが良い。三兄弟はそれぞれ何かしらの思惑をもっている様子が描かれており、どういった事情を抱えているのかが気になる。最終的に桜が誰を選ぶのか今後の展開も見守っていきたい。

28『君の膵臓をたべたい』(小説)
著者:住野よる

ある日「僕」は病院で「共病文庫」を拾う。それはクラスメイトである山内桜良のもので末期の膵臓病を患った彼女が記したものだった。秘密を偶然知ってしまった「僕」は
彼女と関わりをもつようになる。

主人公の「僕」の名前は終盤になるまで登場せず、セリフ内で呼ばれる時などは相手との関係性が代わりに記されている。その理由は途中で説明されるが、読み始めた時は不思議に思うと同時におもしろいと感じた。末期の膵臓病を患っている桜良が亡くなることは冒頭で判明していたがその死因には驚いた。健康な人間にとっても病気で余命宣告された人間にとっても時間の重さは同じであり、未来が不確定であることも変わらないのだと改めて感じた。辛い場面もあるが「僕」の成長が見られた最後だったので感動的でよかったと思う。

29『REAL⇔FAKE』(ドラマ)
監督・脚本:毛利亘宏(少年社中)

天使の歌声をもつ歌姫・朱音が突然失踪してしまった。新ユニット・ステラクラウンズへの加入が発表されてすぐの失踪であり、ステラクラウンズの誰かが失踪に関与しているのではと疑惑がもちあがる。朱音が所属する事務所の社長・澤木田はドキュメンタリー映像の制作と称して朱音失踪の手がかりを探すよう、映像ディレクターの守屋に依頼する。

タイトル通り表向きの芸能人としての顔であるFAKEとプライベートでの顔であるREALが錯綜する内容。ドキュメンタリー用のカメラが回っている間とカメラが切れた瞬間のギャップに衝撃を受ける。俳優さんたちの演じ分けがすごいなと思った。役名も特徴的で、演じている俳優さんの名前とどこか似通ったものになっている。あくまでフィクションだとは分かっているが、どこまでがリアルでどこからがフィクションなのか境界が曖昧になりそうな作品だと思った。全4話で構成されているため見やすく、おすすめの作品である。

30『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男 』(漫画)
著者:紺吉

自分がBL漫画の登場人物だと気づいた主人公。しかし絶対に女の子と恋愛がしたい主人公は迫り来るBLフラグを全力で回避する。

BL漫画の設定やシチュエーションをネタにしたギャグ漫画である。メタ的な要素が多くほぼギャグしかないのでBLが苦手な人でもそこまで抵抗なく読めると思う。冷静になると無理があるシチュエーションやキャラクターの行動に主人公がツッコミを入れるところがおもしろい。またフラグを回避していく様子がただただおもしろいので主人公にはこのまま逃げ切ってほしい。BLを読んだことがない人はもちろん、BLを読んでいる人はより楽しめる作品だと思う。

以上夏休み課題30点です。
2019/9/25(Wed)02:10 ...No.1715
▼三年金成 RES
夏休み課題11〜20

11『さらざんまい』(アニメ)
監督:幾原邦彦
原作:イクニラッパー

ある日中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太は謎のカッパ生物「ケッピ」に尻子玉を抜かれカッパにされてしまう。元の姿に戻るためにはゾンビの尻子玉を奪い、ケッピに渡す必要があるという。3人は元の姿に戻るためゾンビに立ち向かう。

作中では欲望を奪われると世界の円から弾かれて存在ごと消えてしまう。人は何かしらのつながりの中で生きていて、つながりがなければ存在できない、一人では生きられないということを表現しているのかなと思った。また欲望とは何かをしたいという未来への希望であると考えた。たびたび「欲望を手放すな」という言葉が出てくるのは未来への希望を持ち続けろという意味だと思われる。物語の最後も現実的な終わりでよかった。作中で行った犯罪がなかったことにはならず、キャラクターが服役する描写があった。さらに主要人物の未来が必ずしも明るいものではなく、困難や仲違いなど上手くいかない可能性があることも示唆されていた。絶対的なハッピーエンドではなかった点がとても印象的でおもしろかった。

12『真夜中のオカルト公務員』(アニメ)
原作:たもつ葉子
監督:渡邊哲哉

新宿区役所職員である宮古新が配属されたのは夜間地域交流課。幽霊や妖怪といった人ではない存在「アナザー」が起こすオカルト事件を解決するのが仕事である。同じ課の先輩たちと協力しながら日々奮闘する。

アナザーの言葉は普通の人には理解出来ず、「砂の耳」をもつ新にしか分からない。言葉を理解できない人々はアナザーを現象として捉え、人格と意思をもった存在として認識していない。一方言葉を理解することができる新はアナザーの人格や意思を尊重し良き隣人として接する。言葉が相手を理解するための重要な鍵となることがよく分かる作品である。しかしアナザーは人間とは全く異なる倫理観をもつため時には対立することもある。言葉が分かるということはアナザーの感情に引きずられやすいということでもあり、新がアナザーとの関わり方をどうしていくのか気になる。

13『屍人荘の殺人』(小説)
著者:今村昌弘

神紅大学ミステリー愛好会に所属する葉村譲と明智恭介は警察の捜査に協力することもあるという剣崎比留子の紹介で映画研究部の夏合宿に参加することになる。

クローズドサークルもののミステリー作品である。クローズドサークルといえば嵐で脱出できなくなった孤島であったり、ひどい吹雪で下山できなくなった山奥の別荘であったりというイメージがあったが、この作品は全く予想外の出来事で閉じ込められる。また脱出できなくなった理由がとてもSF的であり、殺人のトリックにもSF要素が含まれている。殺人の動機や犯人の告白は人間の醜い部分を浮き彫りにするものであるのに、登場人物たちが置かれている状況が非現実的なため最後まで楽しむことができた。しかし序盤で予想外の人物が物語から退場してしまったことが衝撃的で、個人的にはとても辛かった。

14『劇場版Free!-Road to the World-夢』(映画)
原案:「ハイ☆スピード!」おおじ こうじ
監督:河浪栄作

大学生になった七瀬遙たちはかつての仲間と再会し、新たな出会いを果たしながら絆を深め、それぞれの「夢」に向かって進んでいく。

アニメ『Free!-Dive to the Future-』の総集編に新規シーンを加えた作品。アニメよりも「夢」に焦点を当てた内容になっている。幼いころの遙や真琴たちが将来の夢を述べたシーンの後に、現在の彼らが夢について述べたり夢を叶えた姿が描かれるという構成がとても印象的だった。またアニメでは描かれていないキャラクター同士の交流もあった。夢に向かって努力する姿はもちろん、大学生らしく遊ぶ姿を見ることもできたところがよかった。アニメとほぼ同じ最後だったので非常に続きが気になる。今後の展開を楽しみに待ちたい。

15『ヒプノシスマイク-Before The Batte-The Dirty Dawg』(漫画)
原作:EVIL LINE RECORDS
漫画:鴉月ルイ
シナリオ:百瀬祐一郎

第三次世界大戦により世界は人口の三分の一を失った。しかし精神に干渉することができる「ヒプノシスマイク」を開発した女性たちによって革命が起こされる。

原作の『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』では発表されていない前日譚を漫画化した作品である。『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』はドラマCDでしかシナリオ展開がなく謎が多かったため、漫画したことにより情報量が格段に増えた。そのためこれまで想像で補っていた部分と実際の設定が異なることもあり、読んでいて衝撃を受けることが多かった。しかしドラマCDでは登場していなかったキャラクターがいたり、主要キャラクターの過去が分かったりと原作への理解を深めることができる要素がつまっているのでよかった。原作のシナリオを補う役割がある一方、原作にはない内容のためどちらかというと一つの作品として独立している印象が強い。描き方として印象的なのはラップシーンで、本来は音で表現されるものを文字の大きさやフォントを変えることで表現している。キャラクターごとにラップシーンの雰囲気を変えているところも良いと思う。この作品自体がとてもおもしろいので今後の展開が気になる。

16『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-side B.B&M.T.C』(漫画)
原作:EVIL LINE RECORDS
漫画:蟹江鉄史
シナリオ:百瀬祐一郎

H歴-武力による戦争は根絶され、精神に干渉することができる「ヒプノシスマイク」を使って言葉で争うようになった。山田一郎と碧棺左馬刻はそれぞれディビジョンラップバトルに向けてチームを結成する。

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』のドラマCDを漫画化した作品。ドラマCDの内容を踏まえつつより物語の経緯が詳しく描かれており、原作を補完する内容になっている。またドラマCDの続きも今作品では描いていて、「Buster Bross!!!」と「MAD TRIGGER CREW」の二つのディビジョンをメインとしている。原作ではある特定の場面での情報しかなかったが漫画化したことにより情報量が増えた。新しいキャラクターが登場したり、伏線が増えたりとシナリオの幅が大きく広がったことが分かる。漫画化されたことによって作品への理解が深まったのはよかった。ただラップの部分はもともとCDで聞いている分、文字で見るよりも音で聞きたいという気持ちがある。原作を追いかけつつ、漫画でシナリオ部分を補完するという楽しみ方が良いのではないかと思った。

17『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-side F.P&M』(漫画)
原作:EVIL LINE RECORDS
漫画:城キイコ
シナリオ:百瀬祐一郎

H歴-武力による戦争は根絶され、精神に干渉することができる「ヒプノシスマイク」を使って言葉で争うようになった。飴村乱数と神宮寺寂雷はそれぞれチーム結成に向けて動き出す。

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』のドラマCDを漫画化した作品。上記の作品と同様にドラマCDの内容を踏まえつつより詳しい内容とその続きを漫画として描いている。今作品では「Fling Posse」と「麻天狼」がメインになっている。この作品の特徴として原作のドラマCDとは一部物語の展開の順序を変えているところが挙げられる。ドラマCDで発表されていた場面を漫画オリジナルの話に上手く組み込ませているところが印象的でおもしろい。また同様にドラマCDを漫画化した上記の作品と今作品はほぼ同時期に連載を開始したため、ドラマCDとして発表された時よりも平行した時間軸で物語が展開しているという印象を強く受けた。今後は漫画オリジナルの展開が続いていくと思われる。どういった展開をしていくのか楽しみである。

18『鴨川貴族邸宅の茶飯事』(小説)
著者:範乃秋晴

京都にある貴族邸宅サロンでは見目麗しい執事たちが疲れたお嬢様たちをもてなしてくれる。そんな貴族邸宅サロン―アイディールプリンスに新たな執事がやってきた。新米執事である真坂拳正はアイディールプリンスが担う秘密の役割について知ることになる。

アイディールプリンスで働く執事たちは訪れるお嬢様たちの「理想の王子様」を演じ恋人関係になった後でこっぴどく振るという「治療」を行っている。これはシンデレラコンプレックスという精神疾患に対する治療である。日本人女性の約8割が「いつか白馬に乗った王子様が迎えに来てくれる」という高すぎる理想を抱き結婚することが出来ず、少子未婚化が進んでしまったという設定である。少子未婚化の原因が女性側だけにあるという部分は少し納得がいかない思いもあるが、タイプの違う執事たちが様々な問題を抱えた女性たちと繰り広げる恋愛模様は読んでいておもしろい。ところどころ現実離れした展開もあるが、そもそも設定や世界観からファンタジー要素が強いので受け入れやすい。また自分の理想どおりだから相手を好きになったというのは、その人自身をきちんと見て受け入れた結果と言えるのか考えさせられる作品でもある。

19『Hybrid Child』(漫画)
著者:中村春菊

機械でも人形でもなく持ち主の愛情によって成長する「ハイブリッド・チャイルド」。小太郎が10年前に拾い育てた「ハイブリッド・チャイルド」の葉月が寿命をむかえようとしていた。小太郎はなんとか葉月を救おうと奮闘する。

「ハイブリッド・チャイルド」に関係する三組の物語が収録されたBL作品。特に印象的だったのは第ニ話である。「ハイブリッド・チャイルド」のゆずはなかなか成長できないことを気にしている。持ち主の愛情を反映して成長するのが「ハイブリッド・チャイルド」だが、持ち主である壱様がゆずに優しさといった「きれいなもの」しか与えなかったことが原因だった。愛情とは必ずしも「きれいなもの」だけではなく、悲しみや憎しみといった負の感情も含めたものなのではないかと思った。「ハイブリッド・チャイルド」は人間ではないが、「きれいなもの」だけでは成長できないという点は人間と同じだと感じた。

20『BROTHERS CONFLICT』(小説)
企画・原案:叶瀬あつこ
シナリオ:水野隆志
イラスト:ウダジョ

父親の再婚をきっかけに13人の兄弟ができた主人公。家を留守にしがちな父親との二人暮らしで寂しい思いをしてきた主人公はたくさんの兄弟たちとの同居生活に戸惑いながらも充実した日々を過ごす。しかしそんな主人公の存在が兄弟たちの衝突を招くことになる。

小説と記載したがイラストが多く、文章の構成も通常の小説とは少々異なる作品。公式では「ビジュアルノベル」と表現されている。主人公の女の子をめぐって13人の兄弟たちが争う逆ハーレムものの内容になっている。主人公には名前がつけられていないことと逆ハーレムのような内容であるため少し乙女ゲーム的な雰囲気になっていると思う。最終的に主人公に選ばれるのは一人であり、公式で相手は決定している。しかしこの作品を原作としたゲームでは自分の好きな相手を選ぶことができるため、主人公に自身を投影して楽しんでいた読者も結末に納得することができると思う。主人公の鈍感さに兄弟たちが少し不憫に思えることもあったが、最後は気持ちを受け止めたうえできっぱりと返事をしているのでよかった。乙女ゲームが好きな人にはおすすめの作品である。
2019/9/25(Wed)02:08 ...No.1714
▼三年金成 RES
夏休み課題 1〜10

1『プロメア』(映画)
原作:TRIGGER・中島かずき
監督:今石洋之

30年前に突然変異によって誕生した炎を操る人類「バーニッシュ」によって世界の半分が焼失した。今でも「マッドバーニッシュ」を名乗る過激派による襲撃が続いていた。対バーニッシュ用の高機動救命消防隊「バーニングレスキュー」に所属するガロは「マッドバーニッシュ」のリーダーであるリオに出会う。

独特な色彩と派手なバトルシーンが特徴的な作品である。バーニッシュは炎を操ることができ、さらに災害の原因になってしまったことで人々から迫害を受けている。主人公のガロも全てのバーニッシュが悪ではないと言っているものの無意識に差別している部分があった。しかしリオとの対話を通じてバーニッシュへの理解を深め、自分と同じ人間であることを知ってからは対等の存在として救おうとする。このガロの成長から相手への理解を深めることの大切さが分かる。またこの作品の炎の描かれ方もおもしろかった。最初は赤やピンクで描かれていた炎が終盤では青で描かれる。これは不完全燃焼を起こしていた炎が完全燃焼したためである。炎といえば赤というイメージがあったので不完全燃焼という伏線に気づくことができなかった。そのためこの伏線がとても印象的だった。

2『鬼滅の刃』(アニメ)
原作:吾峠呼世晴
監督:外崎春雄

舞台は日本の大正時代。ある日主人公の竈門炭治郎が家に帰ると家族は鬼に殺され、唯一生き残った妹は鬼にされていた。妹を人間に戻し家族を殺した鬼を倒すために、炭治郎は鬼を狩る組織「鬼殺隊」に入隊する。

主人公の炭治郎と妹の禰豆子の境遇が悲しいが、必死に戦っている姿がかっこいい作品である。炭治郎は家族を鬼に殺されているにも関わらず、人を食らう鬼を憐れみ、かつては同じ人であったことを忘れない。炭治郎の優しさがとても印象的である。また鬼が人間であったころの回想シーンはどれも切ない。鬼は作中における悪役ではあるが同情すべき点もあり、全てを悪と判断することは難しい。全体的に見ていて辛いシーンが多いが笑えるシーンもあり、会話のテンポも独特なので見続けることができる。アニメだけでなく原作も読んでみたい。

3『ロード・エルメロイU世の事件簿{魔眼蒐集列車}Grace note』(アニメ)
原作:三田誠/TYPE-MOON
監督:加藤 誠

第四次聖杯戦争を生き残った少年ウェイバー・ベルベットは「ロード・エルメロイU世」となり魔術師たちの総本山である時計塔で様々な事件に立ち向かう。

原作の人気エピソードとアニメオリジナルエピソードで構成された作品。今回アニメ化されたエピソード魔眼蒐集列車は原作の4巻と5巻に当たる。しかし原作を読んでいなくても魔眼蒐集列車編の前に作品の世界観やキャラクターの性格を掴むエピソードがあったため、話についていけないということはなかった。ミステリー要素が強い作品ではあるが魔術が使われての犯行であるため予想がつかずおもしろかった。時には科学的な考察が行われるものもあり、推理に納得できるものが多かった。バトルシーンもあるのでミステリーが苦手な人でも楽しめる作品だと思う。

4『ギヴン』(漫画)
著者:キヅナツキ

高校生の上ノ山立夏は壊れたギターを抱えた佐藤真冬に出会う。それをきっかけに懐かれた上ノ山は真冬にギターを教えることになる。ある時偶然真冬の歌声を耳にした上ノ山はその歌声に刺激を受ける。

キャラクターの心情を丁寧に描いたBL作品である。自分の感情を表現することが苦手な真冬が初めてのライブで感情を爆発させるところが印象的だった。お互いに相手を思っているのにすれ違ってしまったり、好きなのにコンプレックスを感じて上手くいかなくなったりと人間関係の難しさがよく分かる。キャラクターそれぞれに焦点が当てられるため共感しやすく、全体的に切ない雰囲気の作品でもあるため思わず泣いてしまう描写が多い。恋人関係になった後はどのような展開をむかえるのか非常に続きが気になる。

5『スタミュ(三期)』(アニメ)
企画・原案:ひなた凛
監督:多田俊介

2学期が始まり綾薙祭のクラス公演が間近に迫っていた。星谷悠太たちミュージカル学科2年生はカンパニー全員で力を合わせステージを作り上げようとしていた。しかし華桜会がプロデュースするオープニング・セレモニーに出演するチームはクラス公演に出られないという。星谷たちはカンパニー全員でクラス公演をやることができるのか。

アニメ『スタミュ』シリーズ三期となるこの作品ではキャラクターたちの成長がとても感じられる内容だった。これまではどこか対等ではなかった星谷と辰己が今作では明確に対等なライバルとして描かれていた。これは星谷が成長したためもあるが辰己の精神的な成長によるところが大きいと思う。辰己は一期、二期では星谷を見守るような言動が多かった。しかしこれは裏を返せば星谷を庇護するべき存在、自分よりも劣る存在として無意識に捉えていたと考えられる。この考えを自覚し改めて星谷を対等なライバルとして認め、競うことを決めた辰己の成長が印象的だった。またライバルとの関係性の対比も印象的だった。2年生の星谷と辰己が互いに認めあい、真正面から向き合っているのに対し、華桜会の3年生である四季と冬沢はすれ違っていた。同じライバルのような関係性である二組が全く違う関わり方をしているところが興味深かった。

6『Free!-Dive to the Future-』(アニメ)
原案:「ハイ☆スピード!」おおじ こうじ
監督:河浪栄作

大学生になった七瀬遙は東京でかつての仲間たちと再会する。新たな人物との出会いを果たしながら成長し、それぞれが自らの夢に向かって進んでいく。

作中で一番印象に残っているのは遙が個人メドレーを泳いだことである。遙はこれまでフリーしか泳がないと言っていたのでとても衝撃的だった。かつて一緒にリレーを泳いだ仲間である郁弥のために、自らのこだわりを捨てたことから熱い友情を感じた。またキャラクターたちがそれぞれ夢に向かって努力を重ねたり、新たな夢を見つけたりと前に進んでいく姿からは成長が感じられる。アニメの一期、二期のシーンを思い起こしながら見るとよりキャラクターたちの成長が分かり、感動できる。まだ続きがあると思わせる終わり方だったので、遙たちの夢の続きに期待する。

7『天気の子』(映画)
原作・脚本・監督:新海誠

高校1年生の帆高は家出し雨が降り続ける東京にやってくる。オカルト雑誌のライターのアルバイトを始めた帆高は一人の少女に出会う。陽菜と名乗ったその少女には不思議な力があった。

水や空の描き方がとてもきれいで、映像の美しさが印象的だった。100%の晴れ女というファンタジー要素を物語の鍵としつつも現実的な展開が多い内容でおもしろかった。途中帆高は序盤に起こしてしまった騒動のせいで警察に追われることになる。それまでは楽しく東京で暮らしていたのでこのままなかったことになるかと思ったがそうはならず、きちんと罰を受ける描写があった。また帆高がした選択によって世界に大きな変化がもたらされたことについても、自分がした選択によるものだと自覚している描写があった。キャラクターがした行動や選択に責任と自覚をもたせていたところがよかったと思う。

8『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形-』(映画)
原作:暁 佳奈
監督:藤田春香
監修:石立太一

ヴァイオレットは王室からの依頼でイザベラ・ヨークの教育係として全寮制の女子学校を訪れる。イザベラにとって学校は牢獄のようなものであり、未来に対する希望を失っていた。

この作品はイザベラがヴァイオレットとの交流を通して前を向くようになる前編とイザベラの妹であるテイラーがヴァイオレットを訪ねてやってくる後編に分けられる。前編ではイザベラからテイラーに、後編ではテイラーからイザベラに宛てた手紙がやはり印象的だった。どちらも短い内容ではあったがそこにはたくさんの思いが込められていて、文章として書き起こしたからこそ伝わるものもあるのだと感じた。また後編では郵便配達人のベネディクトも印象的だった。毎日同じことの繰り返しでつまらない仕事だと言っていたベネディクトがテイラーと出会い、仕事に対する誇りをもつようになるところがよかった。ベネディクトとテイラーのシーンから、自分にとっては何気ないことでも誰かにとっては特別ですごいことになるのだと思った。何度観ても感動できる作品なので次の劇場版にも期待する。

9『メタモルフォーゼの縁側』(漫画)
著者:鶴谷香央理

時の流れに寂しさを感じていた一人の老婦人が書店で手に取ったのは一冊のBL漫画だった。75歳にしてBLにはまった老婦人と書店員の女子高生との交流を描く。

ほのぼのとした絵柄でのんびりと穏やかに読むことができる作品だが、時折寂しさを感じたり心に突き刺さることもある。75歳の老婦人がBLを読むという設定に最初は驚いたが、好きになるのに年齢は関係ないし、どのジャンルを読むかはそれぞれ自由だと思い直した。また共通の好きなものがあれば年齢差があったとしても仲良くなれるし、視点が違うからこそ背中を押されて前向きになれることもあると気づかされた。いつでも好きなものを好きだと言って年齢関係なく楽しめるようになりたいと思う。

10『ミュージカル「スタミュ」Third Season』(舞台)
原作:ひなた凛
脚本:ハラダサヤカ
演出:吉谷光太郎

綾薙祭公演を終えた星谷たちミュージカル学科2年生は修学旅行でパリを訪れていた。しかしスリに遭遇し犯人を追いかけたところで謎の人物に連れ去られてしまう。同じころパリでは新進気鋭の若手演出家・アレックスが日本ミュージカル界のプリンス・月皇遥斗に出演依頼をしていた。

アレックスは家を継ぐためにいつか演出家をやめなければならず、最高の演出で自らの演出家人生に幕を引くことにこだわっていた。そんなアレックスに星谷は「確かにステージは永遠ではないしいつかは幕を引かなければならない。しかしアレックスの教えはずっと引き継がれていく」と述べる。永遠に続くものは存在しないけれど受け継がれていくものは確かに存在する。この考え方はこの作品内にとどまらず、さまざまなものに当てはめることができると思う。永遠に続けばいいのにと思うことはあるがそれは決して実現しない。そのことに寂しさを感じることも多い。しかし星谷が述べた通り永遠には続かなくても消えてなくなってしまうわけではなく、確かに残るものもある。星谷の言葉によってアレックスは救われたのではないかと感動した。今作は舞台オリジナルエピソードであり、同時期に放送中だったアニメのその後の話である。原作であるアニメの世界観を壊すことのない内容であり、とてもおもしろかった。
2019/9/25(Wed)02:07 ...No.1713
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