米村ゼミの掲示板
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▼橋口 萌子 RES
卒論タイトル
「歌詞という文学からみる現代社会」
概要
その時代に流行る歌というのは、その時代を映し出すものだと思う。社会の共感を得るからこそ流行るのであり、歌詞が社会の心を掴んでいるといえる。最近の若者はゆとりや、精神面の弱さが指摘されがちであるが、その分、そんな自分たちを励ますような歌や、より過激ないわゆる「メンヘラ」と呼ばれる類の人達を指すような歌詞や歌も存在する。そこで、流行りのアーティストやバンドを絞って、歌詞の文学性や、社会との関係性をみていき、言葉が人に与える影響力や、これからの現代社会を生きていくためのヒントを探っていきたい。
2018/5/31(Thu)23:15 ...No.1632
▼四年 佐々木 RES
卒業論文概要

〈題〉
現代における妖怪の描かれ方

〈概要〉
 現在、マンガやアニメ、小説などにおいて妖怪が題材になる機会は非常に多く、『ゲゲゲの鬼太郎』『妖怪ウォッチ』など、妖怪がキャラクター化されて親しまれる機会も多い。その中で、妖怪の描かれ方もかつてとは異なってきている。本来は人々から恐れられる存在として描かれることが多かった妖怪も、次第に可愛らしいデザインで描かれることも増え、人間の友達や家族として共に過ごす妖怪が描かれることも増えてきている。そこで、現代の妖怪を扱った作品を通じて、現代における妖怪に対する認識や描かれ方について、どのような過程をたどって変化してきたのか考察していきたい。
2018/5/31(Thu)20:08 ...No.1631
▼4年 佐藤 RES
卒業論文 仮タイトル・概要

【仮タイトル】
 現代サブカルチャーにおける近代文学の位置
  −キャラクター化される「文豪」達−

【概要】
 あらゆる偉人がモチーフとして使われている現代サブカルチャーにおいて、昨今目立っているのが近代文学者をキャラクター化したコンテンツである。アニメ、漫画、ゲームの各分野において「文豪」達が登場する作品を比較検討し、現代の人々にとって近代文学作品・作家がどのような位置付けにあるのか、どのように受け入れられているのかを分析する。
 現時点で取り扱いたいと考えている作品は、『月に吠えらんねえ』(清家雪子/漫画)、『文豪ストレイドックス』(朝霧カフカ・春河35/漫画・アニメ)、『文豪とアルケミスト』(DMM GAMES/ゲーム)の3つである。
2018/5/31(Thu)19:34 ...No.1630
▼四年 小林 RES
卒業論文 タイトル・概要

「愛情表現としての食人」

人を食べること(カニバリズム)はタブーとされている行為ではあるが、文学作品においては、愛する人に食べてもらい身体の一部になることを願う表現や、愛する人を食べて一つになりたいといった表現が用いられることがある。
愛する人に食べられたい、愛する人の一部になりたいといった歪曲した愛情表現について研究を行い、愛情表現としての食人のシーンや食べられることへの願望を描いた作品をあげ、そういった表現が出てくる理由などを研究する。
可能であれば、食人についての歴史や風習、事件なども交えながら「愛する人を食べたい、食べられたい」という発想に至る理由や、「食べちゃいたいほど可愛い」という言葉についても研究したいと考えている。
2018/5/31(Thu)19:23 ...No.1629
▼TA萱間 RES
『シェイプ・オブ・ウォーター』は一見するとファンタジーですが、その中に社会問題をきちんと落とし込んでいて、なかなか考えさせられる作品でした。
2018/5/9(Wed)14:46 ...No.1628
▼三年 佐藤 RES
11.『パンズ・ラビリンス』(映画) 監督:ギレルモ・デル・トロ
 スペイン内戦で父親を亡くした少女オフェリアは、母親の再婚相手であり独裁政権軍の大尉であるヴィダルと共に山奥で暮らすことになる。しかしヴィダルは母親の妊娠した子にしか興味はなく、オフェリアのことは相手にしない。そんな状況に苦しむオフェリアはある日妖精に導かれ、迷宮の番人・パンと出会う。パン曰くオフェリアは「地底の王国の姫君」であり、3つの試練を乗り越えれば本物として認めるという。試練に挑むことを決めた彼女は幻想の世界に足を踏み入れる……。
 ダークファンタジーものではあるが、同時に戦争ものとしての色もかなり強い作品。オフェリアは現実世界から逃げるように幻想の世界に向かうが、そこには奇妙な容姿のクリーチャーなどが待ち受けており、傍から見ればこちらも十分恐ろしい場所である。しかし彼女にとっては、現実に耐えるよりも試練を受ける方が良いと行動している辺りに、戦争下で生きる子どもの無力さや孤独、ここではない世界への逃避願望などを感じられ、見ていてとても心苦しかった。また、画面作りや演出が印象的であり、現実世界の痛々しさ・生々しさが非常に目立つ一方で、グロテスクながらも独特の美しさや雰囲気のある幻想世界はアートとしても見応えがあった。

12.『シェイプ・オブ・ウォーター』(映画) 監督:ギレルモ・デル・トロ
 1962年、冷戦時代のアメリカ。声を出せない女性のイライザは、政府の極秘機関に清掃員として勤務している。ある日のこと、施設の一角にまるで半魚人のような“彼”が運び込まれてくる。アマゾンの奥地で神として崇められていたという“彼”に魅了されたイライザは、周囲の目を盗んで会いに行くようになった。言葉を介さずとも心を通わせていく二人であったが、やがて“彼”が政府の実験台にされることを知る。
 今年度のアカデミー賞作品賞及び、他3冠を獲得した話題作。異種間の恋愛やマイノリティの人間を描いており、同じ社会的弱者としてイライザと“彼”を理解し、支える親友二人(ゲイの老人男性とアフリカ系黒人女性)の存在が印象的だった。また、マジョリティ側として登場する軍人のストリックランドも、最初こそただの悪役のように思えたが、次第に“マジョリティでなければいけない”というような描写が見え始め、彼なりの苦悩を想像させる演出が上手いと感じた。全体的に残酷なシーンも多く、目を背けたくなるところもあるが、イライザと“彼”の種族や障害といった壁を越えた関係は美しく、水の動きや色彩などの映像もとても作り込まれているので、スクリーンで見て良かったと思うことのできる作品だった。

13.『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(映画) 監督:ジョージ・ミラー
 核戦争により地上から資源が尽きかけた世界。元警官の主人公・マックスは、資源を独占し、恐怖と暴力で民衆を支配するイモータン・ジョーの軍団に捕われるが、その中で反逆を企てるジョーの右腕フュリオサと配下のウォーボーイズであるニュークスと共に、奴隷の美女たちを引き連れ、自由への逃走を開始する。
 「マッドマックス」シリーズの4作目にあたる作品だが、前作までを見ていなくてもわかる作りになっている。少なくとも初見では「何も考えずに見る」のが楽しい作品だと思ったので、かっこいいシーンをひたすら「かっこいい!!」と思いながら鑑賞した。特に砂嵐に突っ込んでいく序盤のシーン、やポールキャットによるサーカスチックなアクションシーンが印象深い。女戦士のフュリオサもかっこよすぎる。音楽に関しても、ドーフ・ウォーリアーの奏でる火炎放射付きエレキギターに、ウォーボーイズの搭乗するドラムワゴンと、耳で聴いても目で見ても忘れられないインパクトがあり、これだけスクリーン映えする映像を当時劇場で見なかったことを後悔した。

14.『ショーシャンクの空に』(映画) 監督:フランク・ダラボン 原作:スティーヴン・キング
 銀行家のアンディ・デュフレーンは妻とその愛人を射殺した容疑で、冤罪でありながらショーシャンク刑務所に送られてしまう。そこでは所長のノートンが囚人たちを支配し、刑務官による暴力や囚人同士の争いが絶えない場所だった。劣悪な環境下で初めは孤立していたアンディだったが、“調達屋”のレッドと知り合うことで徐々に刑務所生活に慣れ、他の囚人たちとも交流を重ねていく。
 初めは主人公の無実がどこかで証明されるのかと予想したが、実際は頭脳と忍耐力を駆使した大脱獄劇であり、最後の最後で本当の罪人となる展開には驚かされた。同時に「冤罪」が警察側にとってどれだけ都合の悪い事実であるかなども考えさせられたほか、長い服役後に仮釈放されるが外に馴染めず自殺する囚人など、現実にも起こり得るだろうと思えてしまう描写には生々しさを感じられてゾッとした。作中に散りばめられている伏線が綺麗に回収されていく様子はとても見事で気持ち良く、名作と呼ばれる理由もわかる構成と結末だった。また、アンディの決して希望を捨てない生き方がとても心に残る。

15.『未来世紀ブラジル』(映画) 監督:テリー・ギリアム
 個人情報のすみずみまで管理されている未来社会の中、情報省記録局の小役人サムは、いつも夢の世界に想いをはせることで、息詰まるようなストレスをしのいでいた。そんなある日、同僚が叩きつぶしたハエのせいでインプットのミスが起こり、靴職人のバトルがテロリストのタトルと間違って捕らえられてしまうという事件が発生する……。
 20世紀のどこかに存在するディストピア社会を描いた作品であり、ブラックユーモアや風刺が盛り込まれている。面白くはあったが、様々な出来事が並行して進行するため、何が起きているのか少しわかりにくいところがあり、集中して見る必要があった。誤認逮捕のミスから始まる大騒動だが、ほんのささいな事故さえなかったら…と思わざるを得ないほどの不条理が続き、情報管理社会の犠牲となる主人公が哀れである。また、施設や街中に張り巡らされたダクトの存在感と無機質さも印象的。ジョージ・オーウェルの『1984』にインスパイアされた内容であり、その他にも色々な映画などのオマージュも多数取り入れられているそうなので、元ネタを確認しながら再度視聴したいと思った。

16.『ファニーゲーム』(映画) 監督:ミヒャエル・ハネケ
 とある夏、バカンスを過ごしに湖のほとりの別荘へ向かうショーバー一家は、見知らぬ二人の青年と出会う。ペーターと名乗る青年は一家の妻であるアナに卵を分けてくれないかと申し出るが、渡すたびに落として割ってしまう。やがて口論になるともう一人の青年パウルが、玄関のゴルフクラブを使い夫であるゲオルグの脚を打ち砕く。そのまま一家は監禁される形になり、二人から「明日の朝まで生きられか」という賭けを提案される。
 「後味の悪い映画作品」などで筆頭に挙がるタイトルなので興味本位で視聴した作品。内容としては確かに救いのないものであったが、事前にある程度情報を入れてから見ると衝撃の度合いが下がってしまうタイプの作品だと感じた。“暴力”の理不尽さや恐怖を描いているらしく、監督の意図などを知ると理解が深まると思われる。しかし延々と理不尽な展開が続くことに変わりはないので、苦手な人は注意が必要。

17.『ドッグ・ヴィル』(映画) 監督:ラース・フォン・トリアー
アメリカ・ロッキー山脈の村に、ひとりの女グレースがギャングに追われて逃げ込んでくる。初めは彼女をいぶかしむ村人たちだが、2週間で村人全員に気に入られることを条件に村に留まることを承認。献身的な肉体労働をこなすグレースだが、警察に手配されていることが発覚し、事態は急転する。
本作の面白いところは極めて簡素な作りのセットにある。ひとつの空間のみを映し、建物などは作られずそれぞれのスペースは白線で区切られているだけなので、住民のバラバラな行動が一度に目に入り、まるで舞台映像を見ているようなのに「映画」であるという新鮮な感覚を味わえる。内容としてはとても陰鬱で、人間の嫌な部分をしっかりと描いているほか、善悪の逆転など視聴者の感情を錯覚させる演出が巧妙であり、見終わった後に色々な違和感や恐ろしさを感じざるを得なかった。

18.『ミリオンダラー・ベイビー』(映画) 監督:クリント・イーストウッド
トレーラー暮らしで育ったマギーのたったひとつの取り柄はボクシングの才能。彼女は名トレーナーのフランキーに弟子入りを志願し、断られても何度もジムに足を運ぶ。根負けしたフランキーは引き受け、彼の指導でマギーはめきめき上達。試合で連破を重ね、ついに世界チャンピオンの座を狙えるほど成長。しかし、思いもよらぬ悲劇が彼女を襲った。
 途中まで上がり調子で物語が進むが、その分終盤でどこまでも落ちていくのがとても衝撃的。再起不能の大怪我を負ったマギーが死を望むところや、それに応えるか葛藤するフランキーの姿に胸が痛んだ。
「尊厳死」という倫理的に賛否あるテーマや宗教、家族といった問題が複雑に絡まり、考えさせられる作品だった。

19.『リリィ・シュシュのすべて』(映画) 監督:岩井俊二
 ある地方都市、中学2年生の雄一は、かつての親友だった星野やその仲間たちからイジメを受けるようになる。そんな彼の唯一の救いはカリスマ的女性シンガー、リリイ・シュシュの歌だけであり、そのファンサイトを運営する彼は、いつしかネット上でひとりの人物と心を通わしていくが…。
 中学生たちの複雑で繊細な内面が描かれており、自分自身は作中ほど荒れた環境で中学生活を送っていたわけではないが、それでも「なんかこんな時期あったかもな」とどこか思わされるような、良くも悪くも中二臭い作品。作品自体がやや古く、ネットの雰囲気も現在と違うが、顔の見えない他人と好きなものを共有し、繋がり、熱弁するという光景は昔から変わらないのだと感じた。イジメに関して雄一は被害者だが、同じく被害を受けているクラスメイトを助けなかったり、加害者の星野も荒んだ原因にどうしようもない家庭の事情が関係していたりと、簡単に誰が悪いと言えるものではなくモヤモヤとした気分にさせられる。そんなドロドロとした陰鬱な話の中で、背景の自然や流れる音楽だけは真っすぐなイメージで美しく、そのアンバランスさに不思議な感動を覚えた。

20.『サソリ退治に使う棒』(舞台) 作・演出:ブルー&スカイ
 今回の公演、当初はタイトル通り、人々がサソリを退治しに行く話を考えていたのですが、そうするとどうしてもロマンチックなラブストーリーになってしまいそうな予感がして、けれど今回はラブストーリーではないものをやりたいという気持ちも強く、あれこれ迷った末、サソリは退治しないことにしました。無断で退治をやめてしまい申し訳ありません。(公演挨拶文より一部抜粋)
 タイトルやフライヤー写真のシュールさから気になって観劇した舞台。事前に一切のあらすじが公開されず、いざ始まるとサソリは一切関係のない上に、実際のあらすじも無茶苦茶であるという説明に困る内容である。支離滅裂な会話や、くり返しの積み重ねにはしつこさも感じるがそこもまたシュールな笑いを生んでいた。少しでもテンションが落ちれば白けてしまいそうな脚本を、全くそう感じさせない演者の勢いと熱量が素晴らしかった。

以上、20点です。
提出が遅れてしまいすみません。
2018/5/9(Wed)03:23 ...No.1627
▼三年 佐藤 RES
1.『アイドルマスター SideM』(アニメ)全13話 原作:バンダイナムコエンターテインメント 監督:原田孝弘、黒田美幸
 できたばかりの小さな芸能事務所である「315プロダクション」。そこにスカウトされた様々な前職を持つ男性アイドルたちはトップアイドルになるという目標を掲げ、それぞれの想いを胸に新たな未来へと歩みだす。
 人気コンテンツ「アイドルマスター」シリーズのひとつ。今作は男性アイドルの活躍を描いた作品であり、「理由(ワケ)あってアイドル!」をコンセプトに、年齢も前職も全く違う6ユニット19人のアイドルたちが登場する。様々な“理由”を持ってアイドルとなった彼らが同じ土俵に立ってひたむきに努力する姿がかっこよく、年齢や経歴の壁を越えた友情や競い合いが見どころだと感じた。また、アイドルものなのでライブシーンも当然存在するのだが、そのほとんどを手書き作画で動かすスタッフのこだわりも魅力的であり、見応えのある部分だと思う。キャラクターは皆個性豊かであり、楽曲も耳に残る良い曲がたくさんあるので是非一度視聴していただきたい。

2.『THE IDOLM@STER Prologue SideM −Episode of Jupiter−』(アニメ)全1話 原作:バンダイナムコエンターテインメント 監督:原田孝弘、黒田美幸
 こちらは上記の作品の前日譚として放送され、“Jupiter”という過去シリーズから登場しているユニットに焦点を当てており、前事務所を移籍した後から315プロダクションに入るまでを描いている。
 本作のみでも彼らがどのようなキャラクターであるか、またユニットとしてどういう存在であるのかがわかりやすくまとめられており、シリーズをよく知らなくても見やすい構成だと思った。一方で、アニメ版「アイドルマスター」のリフレインやその劇場版と繋がるシーンなど「知っていると盛り上がる」要素もきちんと組み込まれていたり、それにより過去シリーズの延長線上にある物語なのだと実感できる描写も良いと思った。

3.『パーフェクトブルー』(アニメ映画) 原作:竹内義和 監督:今敏
 「チャム」というアイドルグループに所属する霧越未麻は、女優へ転身するためにある日グループ脱退を発表する。その後は徐々に女優としての軌道に乗り始め、新たな生活を送ることになる。しかし、次第にアイドル時代にはないような過激な仕事のオファーや、自身になりすました何者かによるストーカー行為の被害を受けるようになる。さらに未麻の周りで殺人事件を始めとした不審な事件が続発し、彼女の精神はますます追い詰められていく。
 今敏の初監督作品。ネットを介したストーカー行為など、今日頻繁に事件として扱われる内容が当時の視点で描かれており、いつの時代でもインターネットの世界は恐ろしいと感じた。仕事に対する葛藤や事件の影響で、未麻は本当の自分像がわからなくなり病んでいくのだが、見ている側も映像で起こっていることが現実なのか幻想なのか、はたまた劇中劇の出来事なのか曖昧にさせられる演出が上手く、緊張感の絶えない視聴だった。けれども最後は一連の事件も解決し、女優として心身共に復帰している未麻が描かれ、未来のある終わり方にほっとすることが出来た。

4.『封神演義』(漫画)全23巻 著者:藤崎竜 原作:「封神演義」安能務訳
 時は紀元前11世紀の中国、殷王朝末期。仙女・妲己は皇帝・紂王を誘惑し、その権力で贅沢と暴虐の限りを尽くしていた。成す術もなく支配される人間たちの現状を見た仙人界は、妲己らを封印するための「封神計画」を発動し、その任を崑崙山脈の道士・太公望に命じる。彼は持ち前の頭脳と仙人界の道具である宝貝を使い、仲間と共に困難を乗り越えていく。そして次第に「封神計画」の全容を知ることになる。
『西遊記』『三国志演技』『水滸伝』に並ぶ中国の四大怪奇小説のひとつであり、その翻訳版をベースに描かれている当時の人気ジャンプ漫画。古典作品ではあるが、改変や追加要素を多分に加えた結果、少年誌映えするSFファンタジーバトル漫画に仕上がっている。また、奇抜なキャラデザやメタ発言、ギャグ要素など独特な“フジリュー節”も全開であるが、それが逆にシリアスで血生臭い物語を読み進めやすくしていると思う。どの陣営にも芯の通ったキャラクターが多く、かっこいいと思ったり応援したくなるような部分が見つかるので、そのようなキャラクターたちが退場してしまう回は敵味方問わず悲しかった。また、史実と織り交ぜている部分もありながら、あくまで本作は本作の世界として描かれているため、「このあと歴史通りになるかはわからない」という締め方がちゃんとされているのも、想像の自由がある良いラストだと思った。

5.『BLUE GIANT』(漫画)全10巻 著者:石塚真一
仙台の高校でバスケ部に所属する宮本大は、友人の周平を通してジャズと出会う。その世界に心打たれた大は「世界一のジャズプレーヤーになる」という目標を掲げ、日々河原でテナーサックスを吹き続ける。
音楽ものの漫画は作中で流れている音を絵でどれだけ表現できるかが重要だが、その辺の表現力や画力がとても高い作品だと思った。どの演奏シーンでもまるで本当に音が聴こえるようで、その中でも特に、台詞や音符、効果音全てを排除し、人物の動きと表情のみで演奏シーンを完成させた回には鳥肌が立つ。主人公はジャズの才能を持つとてつもない努力家であり、何があってもへこたれずに前へと進み続ける少年だ。そのあまりの真っすぐさと意志の強さに、色々な意味で「絶対かなわないなぁ」と毎回心から思わされてしまう。また、それだけの説得力があるキャラクターとしてとても魅力的だった。作中の描写を見る限り、大は将来的にプロとして活躍しているようだが、そこに至る過程は現在連載中の続編で描かれそうなため、そちらも追っていきたい。

6.『スメルズライクグリーンスピリット』(漫画)全2巻 著者:永井三郎
 ド田舎に住む学生、三島はクラスメイトの男子からイジメを受けていた。理由は三島が“ホモっぽい"から。実際に男性が好きな三島は抵抗するすべもなく、隠れてする女装だけが心の拠り所となっていた。ある日、三島がいつもの様に屋上で1人の時間を満喫していると、自分が以前なくてしまった筈の口紅を持ったイジメグループのリーダー・桐野を目撃してしまう。彼はこっそりと三島の使った口紅を自らの唇に塗ろうとしていたのだった……。
 マイノリティに生きる者たちの友情や恋愛、苦悩を繊細に描いた作品。三島はゲイであるが女性になりたいわけではない一方で、桐野には女性になりたい願望がある。さらに桐野の友人である夢野はストレートであるが三島には強く惹かれている。所謂LGBTと一口に言っても色々な人間が存在し、それぞれのキャラクターの葛藤がわかりやすく描写されているのが良かった。桐野は家族のことを考え“普通の人”として生きることを決め、三島は自分らしく生きるために上京するといった選択は、現代社会の性の在り方の不自由さや、田舎と都会における認識の差などを考えさせられる。

7.『ミシン』(小説) 著者:嶽本野ばら
 人気バンド死怒靡瀉酢(シドヴィシャス)のミシンはMILKの洋服に身を包んだカリスマ・ヴォーカリスト。そしてそんな彼女に恋するひとりの少女がいた。ある日、メンバーのギタリスト・竜之介が事故で亡くなり、ミシンは代わりのギタリストを公募することに。少女は審査用のデモテープを偽造しオーディションに応募する。
 同性に憧れ、恋する少女の純粋さや、ミシンに陶酔するあまり偏っていく思考と躊躇いのない行動にぞわぞわしながらも惹き込まれてしまう不思議な魅力のある作品。一人称視点かつ敬語で綴られる文章がより一層独特で閉塞的な雰囲気を醸し出しているように感じた。同時収録の「世界の終わりという名の雑貨店」という作品もまた、切なさと耽美さの漂う物語で、読了後のなんとも言えないような後味が好みだった。

8.『きまぐれロボット』(小説) 著者:星新一
 おなかがすいたら料理をつくり、あとかたづけに、へやのそうじ、退屈すれば話し相手に。なんでもできるロボットを連れて離れ島の別荘に出かけたお金持ちのエヌ氏。だがロボットはしだいにおかしな行動を……。(「きまぐれロボット」より)
 表題作含め36篇のショートショートが収録されている。読みやすいかつわかりやすい内容なので、一気にでも暇つぶしに少しずつ読むのでもどちらにも向いていると思われる。非常に短い話ながらも起承転結があり、読みごたえがあるのはさすが星新一といったところ。皮肉が効いていたり、思うようにいかないようなオチに唸らされるがそこが逆に面白いと感じた。

9.『旅のラゴス』(小説) 著者:筒井康隆
 文明を失い、代わりに超能力を得た人々が暮らす「この世界」で旅を続ける男・ラゴス。様々な経験を繰り返し、ひたすら旅を続ける彼の目的とは一体何なのか。
 ひとりの旅人の生涯が旅の記録とともに描かれており、本自体の長さはそこまでないものの、とても厚みを感じる内容だった。章ごとに様々な都市が登場し、幾通りもの生活スタイルがラゴスを待ち受けているのだが、どこも特徴的で想像しながら読むのが楽しい。また、時が過ぎる描写に作中におけるそれぞれの時間軸との距離感を感じやすく、個人的にとても好みだった。

10.『グレイテスト・ショーマン』(映画) 監督:マイケル・グレイシー
 貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティと結婚したバーナム。その後は2人の娘と共に満たされた生活を送っていたが、ある日バーナムの勤めていた会社が倒産する。これを機に彼は“バーナムの博物館”を開館し、収入を得ようとするがなかなか人気が出ない。そこでバーナムは様々な個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集めたサーカスを結成し、誰も見たことがないショーを作り上げる。結果として大成功を掴んだが、彼の進む先には大きな波乱が待ち受けていた。
 実在した興行師、P・T・バーナムの半生をもとに描いたミュージカル映画であり、あの『ラ・ラ・ランド』で音楽を手掛けたスタッフも関わっている。フリークスによるショーを扱った内容であるが、サーカスの一員として堂々とパフォーマンスをする彼らの姿は格好良く、特に主題歌の「This is me」が歌われるシーンは非常に感動した。物語自体は王道であるが、盛り上がりどころはしっかりとテンションが上がり、綺麗なまとめ方とキャッチ―なナンバーが用意されていて、難しいことを考えなくてもシンプルに楽しめる良作だった。
2018/5/9(Wed)03:20 ...No.1626
▼三年 遠藤 RES
作品紹介

演劇女子部 ミュージカル『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』

脚本・演出:末満健一
振付:YOSHIKO
音楽:和田俊輔
主催:BS-TBS

公演情報:2014年6月(全19公演)
東京公演(池袋サンシャイン劇場): 6月5日〜15日
大阪公演(森ノ宮ピロティホール): 6月20日〜21日

<あらすじ>
 吸血鬼の少女たちが療養するサナトリウム。ある日シルベチカの姿が見えないことに気付いたリリーは彼女の行方を探すが、昨日までいたはずのシルベチカのことをサナトリウムの皆は誰も覚えていなかった。夢でも見ていたのだと言われ、自分の妄想なのかと悩むリリー。しかし、いつもひとりぼっちでさみしそうにしている謎の少女・スノウに「シルベチカを探さないで」と言われ、彼女なら何か知っているのではないかと考える。

<考察>
2014年に上演されたミュージカル。末満健一氏のオリジナル舞台であり、『TRUMP』をはじめとした「TRUMP」シリーズの一作。モーニング娘。'14メンバー、スマイレージ、ハロプロ研修生メンバーが出演した。TRUMPシリーズの一作ではあるものの、末満氏はこの作品を「ヴァンパイアの物語」ではなく「少女たちの物語」だと語っている。このLILIUMを演じたのは本業の役者ではなく、まだ10代半ばのアイドルたちだ。子どもではないが大人になりきれていない絶妙な年頃の少女たちが演じたことで末満氏の意図した「少女たちの物語」にふさわしい世界観を創っていると感じた。
シルベチカの謎を追っていくうちに徐々に疑問点を見つけていく登場人物たちがサナトリウムの真実にたどり着いたとき、それまでのすべてがつながる瞬間は衝撃的である。清々しいほどのバッドエンドであり、いっそ気持ちがいいとさえ思える結末。
他にも「TRUMP」シリーズには『SPECTER』『グランギニョル』などがあり、新作『マリーゴールド』はこの夏上演予定。
2018/5/7(Mon)23:09 ...No.1625
▼TA平野
吸血鬼にサナトリウムというと萩尾望都の美少年マンガを思い出します。この要素を少女の物語で使っているのが面白いと思いました。さらに演じているのがハロープロジェクトというのも面白い組み合わせです。
2018/10/11(Thu)09:52
▼三年 大塚 RES
作品紹介
『ハル』
監督:牧原亮太郎
脚本:木皿泉
制作:WIT STUDIO
公開:2013年6月8日


<あらすじ>
 ハルとくるみの幸せな日常。いつまでも続くと思っていた日々は、飛行機事故で突如終わりをつげた。ケンカ別れのまま、最愛のハルを亡くし生きる力を失ってしまったくるみ。彼女の笑顔を取り戻すため、ヒト型ロボットのキューイチ<Q01>は、ハルそっくりのロボハルとしてくるみと暮らすことに。かつてくるみが願い事を書いていたルービックキューブを頼りに、くるみの思いに応えようと奮闘するロボハル。少しずつ打ち解けていくロボハルとくるみだったが…。
<考察・見どころ>
 この物語は、大切な人の「死」を受け入れ、進んでいくということを主題に進んでいく。この主題に沿って用いられる道具として「ボタン型のメモリ」がある。これは過去にハルがくるみに渡したものであり、「暗くつらい過去をくるみに受け入れてもらえた」ことの証として渡してあったようで、これについてくるみは「これはハルの心臓なんだって思った」と語っている。この後にまたハルからロボハルにメモリが渡されていき相手や自分のすべてを受け入れ、これからを生きていく、という主題を象徴するような場面であるように思う。また、こうした主題をめぐっては、物語の終盤にハルとくるみの祖父である時夫との会話で、「人は死んだらどこに行ってしまうんですか」「どこにも行かないさ、ずっと俺たちのそばにいる。俺はいつも話しかけてる、今日は暑いなぁとか、見ろよ、綺麗だぞって具合にな。」
という場面がある。この会話も物語の主題を表している象徴的な場面であるように思う。物語の進行において、重要なアイテムがボタン型のメモリの他にくるみの願い事が書いてあるルービックキューブがある。このルービックキューブを通してロボハルは老人ホームの人たちやくるみと交流を深めていく。
 この「ハル」という物語の舞台は、近未来の京都、となっている。近未来という設定ではあるが、京都の美しい街並みなどが細かく描かれており、本当にこんな世界がありそうだなという感覚になる。
 キャラクター原案を「アオハライド」などで有名な咲坂伊緒が務めており、かわいらしい絵柄と、カラフルで綺麗な色彩など見どころがたくさんあるので、ぜひ一度見てみてほしい。
2018/5/7(Mon)16:11 ...No.1624
▼TA平野
木皿泉のテレビドラマは既存の枠にとらわれない人間関係を描いていると宇野常寛が評価していました。この『ハル』では相手がまさかのロボットということで人間関係ならぬ人ロボット関係ですが、とても興味が湧きました。
2018/10/11(Thu)09:43
▼三年 大塚 RES
11. たいようのいえ 作者:タアモ
子供のころ向かいの家の基の家に入り浸っていた真魚。数年後、父の再婚で家に居場所がなくなった真魚は、両親を亡くして以来、一人で家を守る基の家に住まわせてもらうことになったけれど…。
年の差幼馴染の二人の恋愛模様を描いている。恋愛マンガというジャンルではあるが、家族の関りや温かさなどを感じることができる作品である。主人公の真魚が不器用に父親と歩み寄っていく姿は切ない。

12. あっくんとカノジョ 作者:杜若わか
幼馴染のあっくんとのんたんは恋人同士。あっくんはのんたんに対して冷たくあしらいいつもきつい態度を…。しかしそれはあっくんの「のんたん大好き」の気持ちの裏返しだった。そんな彼のふるまいを全く気にせず、あっくんラブなのんたんの青春学園コメディ。
Pixivに連載されていた作品が書籍化したものである。冷たいあっくんと気にしないのんたんの掛け合いがかわいく、また、二人の周りの人々も魅力的で、お勧めである。

13. ヲタクに恋は難しい 作者:ふじた
隠れ腐女子の成海と、重度のゲームヲタクの宏嵩。二人は幼馴染であり、成海の転職をきっかけに再会する。ひょんなことから二人は恋人同士になるが…。
Pixivに連載されていた作品が書籍化したものである。ヲタクなら共感することができる描写も多く、絵もきれいなのでっとても読みやすい作品であるように思う。

14. 四月は君の嘘 作者:新川直司
母の死をきっかけにピアノが弾けなくなった元天才少年・有馬公生。モノクロームだった彼の日常は、一人のヴァイオリニスト都の出会いから色づき始める。傍若無人、喧嘩上等、でも個性あふれる演奏家・宮園かをり。少女に魅せられた公生は自分の足で今を走り始める。
アニメ版では、演奏シーンがとてもリアルで、見ごたえがある。公生がかをりとのかかわりを通して過去を乗り越えようとしている姿がとても印象的である。

15. かつて魔法少女と悪は敵対していた 作者:藤原ここあ
悪の組織、あらゆるものを侵略し、あらゆるものを滅ぼす、残忍にして狡猾な組織のブレーンには、組織を裏で操る悪の参謀が存在していた。地球に侵略の危機が迫るその時、一人の魔法少女が立ち上がった。
まったく重い話ではなく、悪の参謀が魔法少女に一目ぼれをしてしまい、距離を縮めていく話である。天然な魔法少女と、建前上は侵略をしようとする参謀さんの掛け合いが面白い。作者の藤原ここあが連載中に亡くなってしまったため、未完のままであるが絵柄がとてもかわいらしいのでぜひ見てもらいたい。

16. ハニー 作者:目黒あむ
ある雨の日、中学生だった小暮奈緒は道端に座る不良に怯え、傘と絆創膏を置いてその場を去る。そして、高校に入学して2週間、学校中の不良として恐れられている
鬼瀬大我に呼び出され、結婚を前提に付き合ってほしいと告白される。ヘタレな奈緒は断ることができず受け入れてしまう。だが、鬼瀬と関わるうちに鬼瀬の心優しい内面を知り、ひかれていく。
最初は怖がっていた奈緒も次第に鬼瀬にひかれていく様子は微笑ましい。かわいらしい絵柄も合わさって、見ていてほっこりする作品である。

17. 聲の形 監督:山田尚子 原作:大今良時
ガキ大将だった小学生の石田将也は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。彼女が来たことを期に少年は退屈から解放された日々を手に入れた。しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周りから孤立してしまう。
やがて5年の時を経て別々の場所で高校生に成長した二人。ある出来事以来、心を閉ざした将也は硝子のもとへ訪れる。
映画冒頭の小学生時代の話ではいじめが描かれており、見ているのが辛くなってしまうほどリアルである。将也が手話を覚えて硝子に歩み寄ろうとする姿も切ない。
人の心に強く訴えかける作品になっている。

18. アイシテル 作者:伊藤実
下校時に行方不明になった7歳の清貴が死体で発見されたのは、行方不明になった翌朝。殺されたわが子を受け入れられず呆然とする母親。そんな中、被疑者として保護されたのは11歳の少年だった。
犠牲者の家族と、被疑者の家族がリアルに描かれている作品である。読むのが辛くなる作品であるが、家族について深く考える作品であるので、一読してほしい作品である。

19. パンドラハーツ 作者:望月淳
ベザリウス家次期当主のオズは、成人の儀の最中、突如として現れたアヴィスの使者によって二度と出られないという永遠の監獄、異世界アヴィスへ落とされてしまった。そこで、オズは謎の少女アリスと出会う。
まず絵や表紙の色彩がとても美しく、それだけでも見ごたえがある。物語の様々なところに伏線が張られており、物語が進むごとに伏線が回収されていき、読みごたえがある作品である。

20. 一週間フレンズ 作者:葉月抹茶
高校2年生の長谷祐樹は普段から人と関わろうとせずいつも一人でいるクラスメイト藤宮香織と友達になりたいと、彼女に話しかける。しかし彼女は、それを拒む。少年との思い出を失い続ける少女と、その思い出を一つ一つ紡ぎあげていく少年のストーリー。
どんなに忘れられても何度も友達になろうとする長谷のひたむきさが胸を打つ作品である。二人が不器用なりに距離を縮めていく姿をみると一緒に応援したくなる。
アニメ版では物語のイメージに合った優しい色彩が見どころである。
2018/5/7(Mon)16:03 ...No.1623
▼TA萱間
『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』の第5話は、『聲の形』の山田尚子演出回ということで評判のいい話でしたね。
2018/5/9(Wed)14:42
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