米村ゼミの掲示板
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▼四年 佐藤 RES
卒業論文 概要

「なぜ<尾道>は聖地に選ばれるのか」

【概要】
「コンテンツツーリズム」や「聖地巡礼」と呼ばれる、作品の舞台となった地域を訪れるファンの行為は、以前からあらゆるメディアにおいて取り上げられている。全国各地に「聖地」は存在し、時には地元の人々の協力による町おこしイベントが開催されるなど、今後も注目していきたい現象となっている。
そして、その中でも今回は広島県尾道市と「聖地」の関係について研究を進めていく。尾道は都市としての規模は大きくないものの、映画やアニメ、ゲームなど多くの作品で舞台になっており、また一般的な観光地としても人気が高い。そのほか、聖地巡礼とは少し逸れるが近代の有名な文豪たちが移り住んだ都市でもあり、志賀直哉の旧居があることでも知られている。
なぜ尾道は作品の舞台に選ばれるのか。どんな要素にクリエイターたちは惹かれるのだろうか。この研究では大林宣彦の尾道三部作をはじめ、尾道を舞台にした作品をいくつか鑑賞し、作中で描かれる風景や制作背景を通して尾道という「聖地」の特色を探る。また、「聖地」となる都市の条件や特別性についても余裕があれば考えていきたい。
2019/6/19(Wed)02:07 ...No.1707
▼四年 柿崎 RES
卒業論文 概要

「半魚人を通して見る人間の不安定さ」

【概要】
ハンス・クリスチャン・アンデルセンが描いた小説「人魚姫」を初めに、現在に至るまで様々な半魚人と人間の物語が産み出されてきた。
その多くの作品で描かれるのが、半魚人と人間、異種族同士の恋愛である。
同種族ではなく、あえて半魚人と人間という異種族の恋愛関係を作品の中心に据えることで、描くことが出来る価値は何だろうか。
私は湯浅政明監督の長編アニメーション映画「夜明け告げるルーのうた」を視聴し、作中の神秘的な半魚人と正反対に、人間の不安定さ(もしくは醜さ)が浮き彫りになっていると感じた。
これを、半魚人と人間の異種族間の恋愛物語で描ける意義と仮定し、近年話題になった数本の作品を比較して考察する。
現在考えている作品は、以下の三つである。

@宮崎駿監督の長編アニメーション映画「崖の上のポニョ」
→人間になりたいと願っている魚の女の子・ポニョが、少年・宗介と恋をし、結ばれ、人間になる。

A湯浅政明監督の長編アニメーション映画「夜明け告げるルーのうた」
→自分の殻に籠る少年・カイが、人間と友達になりたい人魚の女の子・ルーと出会う。物語の最後、カイはルーに、ずっとそばにいてほしいと伝えるが、ルーはカイの前から消えてしまう。

Bアメリカ合衆国のドラマ映画「シェイプ・オブ・ウォーター」(The Shape of Water)
→捕らわれた美しい半魚人と、発話障害の女性・イライザが親密な関係になり、最後はイライザが半魚人となって二人で幸せに暮らす。
2019/6/1(Sat)00:06 ...No.1706
▼四年 大塚 RES
卒業論文 概要
 
「小説『獣の奏者』からみる君主崇拝による国家統治」

〈概要〉
 上橋菜穂子の『獣の奏者』という作品はリョザ神王国という異世界が舞台となっており、真王(ヨジェ)と呼ばれる神格化された王が国を統治している。作品の下巻では、真王が神ではなくただの人であったという真実が真王に伝えられ、最終章で真王が臣下である大公との婚姻を決断し、「私は神ではなく人となるけれど―」という台詞を言う場面から、敗戦を経て象徴となった天皇家と日本の関係に似ていると感じた。このことから、ただの人間が国民によって神として祀り上げられ、国を統治していくという構図は歴史上や作品内にも存在するか、またそれらには人が神格化されていく要因や政治利用されていく歴史的背景に共通点が存在するのかという観点を『獣の奏者』の世界観から比較、考察して考えていきたい。また、『獣の奏者』では女系の一族が神格化されているが、日本の天皇家は男性が受け継いでいるという点も、違いやどちらが多いかということについても考えていけたらと思う。
2019/5/31(Fri)10:55 ...No.1705
▼三年 葛山 RES
春休み課題 11〜20


11.アニメ『K』
原作:GoRA×GoHands
現実とは微妙に異なった歴史を歩んだ現代日本。強力な異能を持つ7人の王権者が存在していた。第三王権者・赤の王周防尊が率いるチーム吠舞羅と、第四王権者・青の王宗像礼司が率いるセプター4はある事件を巡って衝突する。
高校生の 伊佐那社は 葦中学園高校で平和な学生生活を送っていた。だが学園祭の準備のため、街に買い出しに出ると、突然吠舞羅の少年たちに襲撃され、夜刀神狗朗に救出される。クロは、先の第七王権者『無色の王』の遺命のもと「『悪しき王』を討つ」とシロに刃を突きつける。街では、シロが吠舞羅のメンバー・十束多々良を殺害し、無色の王と名乗る動画が拡散されていた。
アニメでよくある「アフレコ時にまだ絵が完成していない」ということは一切かったことから、製作陣の本気がうかがえる。その通り作画が良く、色彩が鮮やかなのが印象的である。完全オリジナルストーリーで展開されており、次が全くわからないのも良かった。また、アニメ放送前からラジオ放送が始まっておりこの作品を楽しむにはこちらも聞き逃せない内容となっている。


12.漫画『聲の形』
原作:大今良
退屈することを何よりも嫌う少年、石田将也。ガキ大将だった小学生の彼は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。彼女が来たことを期に、少年は退屈から解放された日々を手に入れた。しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周囲から孤立してしまう。やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。“ある出来事”以来、固く心を閉ざしていた将也は硝子の元を訪れる。
耳の聞こえない少女との出会いによって良くも悪くも未来が変わっていく少年の心の変化と、彼によってさらに心動かされる少女が惹かれあっていくのが少し切なく描かれてある。


13.映画『ヒメアノ〜ル』
原作:古谷実
岡田進は清掃会社で働きながらも、漫然と過ぎていく時間に不安と孤独を募らせていた。岡田は同じ清掃会社で働く、更に冴えない先輩の安藤勇次とひょんなことから仲良くなる。安藤はコーヒーショップ店員の阿部ユカに恋をし、岡田は安藤の恋の手助けをする中で皮肉なことにユカに告白され、付き合うことになってしまう。多少のトラブルはありつつも岡田たちの日常はぐだぐだと過ぎてゆく。しかし岡田たちの恋愛劇の裏では凄惨な殺人劇が起きていた。岡田の元同級生で酷いいじめを受けていた森田正一は突発的で理不尽な殺人を行いながらユカに目をつけつけまわすようになり、徐々に岡田たちの日常を侵食し始める。
とてもグロテスクなシーンが多く、さすが年齢制限がある作品だなと思った。森田が作中で10人ほどの人間を次々と殺していくが、常に無表情なところはさらに恐怖を覚える。また、岡田の友人の安藤もサイコパスなシーンがあり、いい味を出している。愛されることを知らない少年の成れの果てを見ているようで終わってからも少し悲しみを感じた。


14.映画『SP 野望篇』
脚本:金城一紀
麻田首相襲撃事件以来、主人公であるSPの井上は、上司である尾形に疑いの目を向けていた。1ヶ月後、六本木ヒルズのイベントで応援警護に当たっていた井上は、爆弾テロを起こそうとする不審な男を逮捕する。一方、尾形は公安部に目をつけられながらも、同じ大学の政治サークル「雄翔会」で、メンバーと彼らを支援する与党幹事長・伊達と共に、世間を揺るがす強大な計画を実行しようとしていた。井上を計画に引き入れたい尾形は、20年前の場所で井上を誘いますが、彼は尾形の誘いをきっぱりと断る。
ドラマのラストの一言によって信頼していた上司の尾形を疑う井上の特殊な能力はますます悪化してしまう。尾形からの誘いを断る井上の澄んだ目が印象的だった。ラストまで尾形の暗躍が際立っていて、革命篇ではどうなっていくのか気になるラストになっている。


15.映画『SP 革命篇』
脚本:金城一紀
官房長官襲撃事件による怪我も回復し、第4係のメンバーは通常任務に復帰していた。新たなメンバーと共に麻田内閣の内閣不信任決議が行われる国会議事堂での応援警護に付くが、尾形からの違和感を確実に感じている井上の症状は悪化の一途を辿っていた。正にその日、尾形の人生を賭けた計画が実行に移されることとなる。周到な計画により、無防備な議事堂内に次々と潜入するテロリスト達。彼らは「革命」に共鳴する精鋭SP達と共謀し、水面下で衆議院棟を分断・制圧。全ての根回しを終えた尾形らは、遂に本会議場へと突入した。その凶行の一部始終は全国民に知らされることとなる。
なんといってもアクションが凄い。10分くらい続く決闘シーンは見ているこちらの息がつまるように鬼気迫る殺陣だった。


16.アニメ『彩雲国物語』
原作:雪乃紗衣 由羅カイリ
舞台は中国風の架空の国、彩雲国。名門だが貧しい紅家の娘秀麗は、幼いころの動乱の記憶から「人を助けることのできる」官吏になりたいと願っているが、女性は登用試験を受けることすらできない。ある日、即位間もない新王の教育係を引き受けることになり、それをきっかけに、官吏登用試験への道が開かれていく。秀麗と新王、その兄との恋模様や、秀麗と共に官吏を目指す同期生との友情など、親しみやすいストーリーに、宮廷での権力闘争や豪族の暗躍がからみ、絢爛豪華な宮廷浪漫が繰り広げられる。
女性独特の強さを見せる主人公秀麗に、登場人物だけでなく視聴者はどんどん引き込まれていく。アニメでは描かれなかったこの作品の原作のラストがかなり泣けるので是非読んでほしい。

17.アニメ『ふしぎ遊戯』
原作:渡瀬悠宇
中学3年生の夕城 美朱と親友の本郷 唯は図書館の立ち入り禁止区域で見付けた四神天地書という書物を開いて、中に吸い込まれてしまう。そこに待っていたのは、古代中国に似た異世界―四正国の紅南国と、額に鬼の字を持つ青年―鬼宿との出会いだった。すぐに現実世界に戻れた2人だったが、帰宅後に母親と口論になり飛び出した美朱は再び本の世界へ入り、現実世界へ帰れなくなってしまう。美朱は、若き皇帝にして朱雀七星士―星宿の紅南国を守るため、現実世界への戻り方を知るために、朱雀の巫女となった。やがて美朱は、仙人―太一君の助言と美朱の行方不明を聞き付けた唯の助けで、なんとか現実世界に帰還するが、入れ替わりに唯が吸い込まれてしまう。それを助けるため、また七星士の一人であった鬼宿と強く惹かれ合うようになっていたこともあって紅南国を平和に導くために、美朱は兄の制止を振り切って本に戻ってしまう。
本の中で起こったことが読んでいる人にも同様に起こるという設定は、視聴者にもこの物語を図書館で読んでる人物と同じように本の世界に入り込んでほしいという考えが伝わってきた。その通り、まるで自分が四神天地書をよんでいる気分でいつのまにか物語を味わっていた。親友だった2人の間の友情に恋が原因で亀裂が入ってしまう。最後に2人のヒロインの恋の行方がどうなっていくのかが見ていて楽しみになる作品だった。


18.アニメ・漫画『絶園のテンペスト』
原作:城平京
はじまりの樹に文明の利器を供物とすることで魔法を使う一族の長でもある魔法使いの姫君・鎖部 葉風は、鎖部左門によって、魔法を使えない『絶海の孤島』に放逐された。数か月後、姫の遺体は白骨化した状態で左門らにより回収され、左門ははじまりの樹の復活を阻止すべく、一族を挙げての活動を開始する。不破 真広は、ある日義妹不破 愛花が強盗に殺されるが、警察も犯人への情報を全く得られていない。そこに、生前に葉風の流したボトルメールに入った魔具(人形)を拾った真広は妹を殺害した犯人探索を魔法により行うため、葉風と魔具による通信の契約を交わして失踪する。
この作品で私が気に入ったのは、愛花がよくシェイクスピアの作品から一節を引用するところである。シェイクスピアに興味が湧いたし、とても意味深に聞こえるのが不思議に感じて愛花のキャラクター性が表現されていると思う。


19.アニメ『鹿楓堂よついろ日和』
原作:清水ユウ
都会の外れにある竹林を抜けると和風喫茶「鹿楓堂」が見えてくる。店主でお茶担当のスイ、ラテアート担当のぐれ、料理担当のときたか、スイーツ担当の椿。それぞれのスペシャリスト4人が働く隠れた人気店。彼らはお客さまを「おもてなし」しながら、時にはお客さまの「悩み」を解決していく。
いわゆる日常系の作品で、ほのぼのとした雰囲気が全体を覆っている。食欲をそそる喫茶店のご飯とスイーツは、飯テロである。4人もそれぞれに悩みを抱えながらも、人々と関わりながらその悩みも解決していくのが心温まるストーリーとなっている。


20.アニメ『ジョーカー・ゲーム』
原作:柳広司
昭和12年秋、帝国陸軍の結城中佐によって、スパイ養成部門“D機関”が秘密裏に設立される。生え抜きの軍人を尊ぶ陸軍の風潮に反し、機関員として選ばれたのは、東京や京都といった一般の大学を卒業し、超人的な選抜試験を平然とくぐり抜けた若者たちだ。彼らは結城中佐のもと、スパイ活動に必要なありとあらゆる技術を身につけ、任地へと旅立っていく。「死ぬな、殺すな」目立たぬことを旨とするスパイにとって自決と殺人は最悪の選択肢であるとするD機関は、陸軍中枢部から猛反発を受けつつも、味方を欺き、敵の裏をかき、世界中を暗躍する。
アニメでは時間軸が各話ごとにバラバラなので、そこに気をつけながらみるとさらに面白い。さまざまな策略や陰謀が渦巻いており、少しも見逃してはいけないため視聴者は常に登場人物同様の緊張感を味わえる。「え?今のどういうこと?」という疑問を持つ作品のため、何度も見てしまうのだろう。
2019/4/10(Wed)05:29 ...No.1704
▼三年+葛山 RES
春休み課題

10.映画『文豪ストレイドッグス Dead Apple』
原作:朝霧カフカ
6年前、あらゆる組織を巻き込み血嵐吹き荒れた88日間の「龍頭抗争」は、ヨコハマ裏社会史上最多ともいわれる死体の山を積み上げることとなった。ポートマフィアの盟友である中原中也とともにその死線をくぐり抜けた太宰治が、亡き友≠フ言葉を懐いてボス・森鴎外と決別し、新たな場所に己の生を見出したのは、それから2年後のことである。その後、世界各国では異能力者が相次いで自殺する怪事件が発生。現場には、いずれも不可解な「霧」が発生していたという。内務省異能特務課は、一連の事件を「異能力者連続自殺事件」と命名。坂口安吾より依頼を受けた武装探偵社は、事件への関与が疑われる男の確保へ乗り出す。対象の名は、澁澤龍彦。「コレクター」と呼ばれる、謎に包まれた異能力者だった。
もうじき始まるアニメ続編の序章といった内容の今作は、黒の時代を見てから視聴するとさらに深く感動できると思う。作中のメインとして挙げられるシーンは2つで、1つ目は大人気キャラクター中原中也の戦闘シーンである。敵との駆け引きによって昏睡状態に太宰が陥ってしまったため、異能を解放したら死ぬまで止めることができない危険を背負いながらも仲間やヨコハマを守るために強大な敵に1人で立ち向かう中也がとてもかっこいいと思うシーンである。2つ目は、主人公の中島敦が自分の異能を受け入れるシーンである。このシーンは、芥川と京花によって自分が過去に向き合うことができず、異能を自分自身の一部として受け入れることができていないことに気付かされた敦が、蓋をしてきた過去に触れ自身の異能を受け入れるのだ。隠していて見たくない自分の部分というのは人間誰しもあるが、それを自分自身の一部として認めることで成長できることが伝わってきた。


文字数制限で入らなかったので追加です。
2019/4/10(Wed)02:20 ...No.1703
▼三年 葛山 RES
春休み課題1〜10

1.アニメ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』
原作:西概租ク
『宇宙戦艦ヤマト2199』の続編となる完全新作シリーズが『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』である。
西暦2202年。〈コスモリバースシステム〉によって蘇った地球はイスカンダルのスターシャの願いも虚しく、軍拡への道を步み始めていた。そこに、新たなる脅威《ガトランティス》が迫る。テレサのメッセージに応え、今再び発進する宇宙戦艦ヤマト。
前作の2199の3年後という設定だが、その3年間で地球は大きな変化が起こっている。コスモリバースシステムによって地球は元の姿を取り戻すことができた。しかし、ヤマトがもたらした平穏の裏には「奇跡の復興」を遂げるために必要となった負の遺産が存在していた。それが〈時間断層〉である。これを知った古代たちヤマトクルーたちが女神テレサのメッセージを受け取り再び航海に向かうことになるが、この時間断層の存在の是非というのが視聴者にまず問われるものだと感じた。震災から復興した日本にも同様に、原発で生じた核燃料の廃棄についての問題が生じている。このように、今作では現代日本に通ずる疑問や課題が見え隠れしており、視聴者にその存在を示し考えるきっかけを与えているように思う。


2.アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』
原作:西概租ク
西暦2199年、地球は《ガミラス》と呼ばれる異星国家と数年にわたって戦闘を繰り広げていた。遊星爆弾を投下され続けた地球は、大気汚染により地上に住むことができず地下に都市を建設し生活していた。しかし、地下汚染によって地球滅亡が1年に迫ったころ、異星〈イスカンダル〉から地球を救うための「コスモリバースシステム」の技術提供を受けるため、沖田十三艦長とともに主人公古代進らは彼方イスカンダルへと宇宙戦艦ヤマトに乗り込み向かうこととなる。
大人気作品『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクとして制作された今作は、なんといっても作画の綺麗さが目立った。特にイスカンダルの景色は色彩や光彩の技術が光っていると感じた。私は、旧作を知らないがストーリーもシリアスシーンとコメディシーンがあり飽きることもなく、また危険な航海を共にする仲間や地球で帰りを待つ家族との絆を感じるシーンが要所要所であるため、自然と涙が出てしまう場面もあった。特にメインのキャラクターのほとんどが家族を失っていたり記憶がなかったりと、何か欠けている部分を持っていることで視聴者の感情移入を誘うことができているのだろう。


3.映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』
原作:西概租ク
西暦2199年、無事〈コスモリバースシステム〉を手に入れイスカンダルから地球へ帰還する宇宙戦艦ヤマト。しかしその途中で異空間に迷い込み、謎の惑星へと勝手に舵を切って行くヤマト。そこで古代ら5人のクルーはその惑星に降下し調査に乗り出す。しかしそこにはあるはずのない艦を見つけ中へ入ると先客が。それはフォムト・バーガー少佐たちガミラスの残党だった。艦に閉じ込められた彼らとともに脱出を図る古代たちだが、ついにヤマトクルーだということがバレてしまう…。
今作では、七色星団の戦いで敵同士だったヤマトとガミラス兵との間に絆は生まれるのか?ということが最後まで問われることとなる。「異星人とも分かり合える」という古代の考えをもう一度現実的に考えることができるのだ。視聴者には、この「異星人」の部分をほかのものに置き換えて自分に問いかけてみるきっかけになるだろうと思う。


4.舞台 『六本木歌舞伎 第三弾 羅生門』
原作:芥川龍之介
演出:三池崇史
出演:市川海老蔵 三宅健
相次ぐ天変地異で人々は飢え、生きるためには手段を選ばない世の中である。都の荒廃が進むある日、主人から暇を出され、行き場をなくした下人が羅生門の楼上に登る。そこには死人の髪を抜く老婆の姿があった。聞けば、抜いた髪を鬘にして売る、飢餓を免れるにはやむを得ないという。下人も老婆の衣を剥いで駆けだすが、そこに茨木童子という鬼が現れ下人を斬る。その茨木童子は渡辺綱に羅生門で腕を切り落とされていたため、渡辺綱のもとへ腕を取り戻しに向かう。
芥川龍之介の代表作『羅生門』を原作に、演出は第一弾から引き続き三池崇史が担当。出演は海老蔵、そして共演には歌舞伎初出演となる三宅健が決定した今作。人間のエゴイズムを克明に描いた文学作品を、三池崇史がどのように解釈して演出を務めたのかを見て感じられる。序幕の初めは渡辺源次綱を演じ次は老婆だったと思えば、斬られた下人と会話をする市川海老蔵として登場する。本当に新作歌舞伎というか、奇抜な演出でありそれをこなすことのできる技術を持ち合わせる市川海老蔵に感服するばかりだった。歌舞伎を普段みることがない人にもわかりやすい工夫がなされており、退屈することがない舞台だった。

5.映画『翔んで埼玉』
原作:魔夜峰央
かつて東京都民からひどい迫害を受けた埼玉県民は、身を潜めてひっそりと暮らしていた。東京都知事の息子で、東京のトップ高校である白鵬堂学院の生徒会長を務める壇ノ浦百美は、ある日、アメリカ帰りで容姿端麗な謎の転校生・麻実麗と出会う。百美は麻実に淡い恋心を抱き、互いに惹かれあっていく。しかし、麻実が埼玉県出身であったという衝撃の事実を百美が知ってしまい、2人は東京と埼玉の県境で引き裂かれることとなってしまう。
『パタリロ!』で知られる魔夜峰央が描く自虐ネタ満載のギャグ漫画が原作の『翔んで埼玉』は、言われたい放題の埼玉県民が観たらどう思うのか…とは思ったものの、映画館でこんなに笑い声が聞こえてくる作品は初めてだった。賛否両論ありそうな内容であったが、登場する県の特徴が存分に活かされているのは違いない。特にエンディングでながれる『埼玉県のうた』のシュールさに最後まで笑わされた。エンディングまで作品の一部となっていた。間違いなくこの作品のヒットによって埼玉県民の鼻は高くなったと思う。


6.ドラマ『特捜9 スペシャル』
脚本:深沢正樹
5年前の巡査部長夫妻殺害と1年前の警部補殺害の容疑で暴力団、龍丸会の会長・田野崎を逮捕した警視庁捜査一課特捜班。取り調べを進めるが、主任の直樹は、妙に素直に取り調べに応じ、ついには全面自供までした田野崎の態度が腑に落ちない…。
ドラマ独特の運命的すぎる結末だったが、前シーズンと同じキャスト陣が長年にわたり作品を共に作ってきた独特の空気感とテンポで掛け合っていく捜査会議のシーンが面白い。


7.漫画『黒執事』ファントムハイヴ編
原作:枢やな
仮装19世紀末のイギリス。名門貴族シエル・ファントムハイヴ伯爵と執事セバスチャン・ミカエリスは女王の憂いを晴らすべく「女王の番犬」として英国裏社会を牛耳っていた。
スフィア・ミュージックホールを壊滅させたシエルたちが本邸の屋敷に帰るとシエルと瓜二つの少年が「本物のシエル・ファントムハイヴ」と名乗り立っていた。使用人たちが混乱する中、事情を知る老執事のタナカは、確かに彼こそが本物のシエルだと認め、先代ヴィンセントの元に生まれた双子の少年たちについて話し、彼らの10歳の誕生日の日に起こった悲劇が明かされる。
シエル双子説が囁かれていた中、ようやく今編でシエルの過去について語られることとなった。枢やな先生がさまざまな編を通して一貫して隠してきた主人公の過去について、読者は受け止めきれるのか。アニメでも「シエル」の分け目が異なっていたように、双子説のフラグは立っていたが本当に双子だったことで、予想通りだった事へのいい意味の安心となぜ「シエル」は今までそれを隠してきたのか?という新たな疑問を読者に与えることとなった。これからの展開がより楽しみになる新刊だった。


8.舞台『SORAは青い』
脚本:秋之桜子
同じ施設で育った義経、タケル、道真は、“The Sky's The Limit”というボーカルユニットを結成し、メジャーデビューを目指している。野外ライブでのリハーサル中に突然意識を失った3人が目を覚ますと、そこは京都・鴨川三条大橋の河原だった。そこに「駕籠から逃げ出してきた」という駒姫が現れ……。
「音楽の力」がテーマとなった今作は、人と人をつなぐ架け橋として音楽があることを強調していた。戦国時代にタイムスリップしてしまう唐突なストーリーと、殺陣の激しさとライブシーンを1列目で観ることができてよかった。戦国時代の言葉を意識しているのはよかったが、時々やはり現代人らしさが出てしまう言葉遣いは演じるのが大変なのだろうと思った。テーマの「音楽の力」が初めから終わりまで貫かれていることで、奇抜なストーリーに一貫性を持たせていたように感じた。やはり、生で観る舞台には迫力があるのを改めて実感した。


9.アニメ『文豪ストレイドッグス 黒の時代』
原作:朝霧カフカ
有名文豪たちがキャラクター化し、それぞれの文豪の作品にちなんだ異能を持って戦う異能力バトルアクション漫画である。『黒の時代』は、ヨコハマの裏社会に巣食う「ポートマフィア」に属する太宰治、坂口安吾、織田作之助は階級は違いながらも共にグラスを傾ける仲であった。しかし、ある日坂口が消息を絶つことで始まった抗争に巻き込まれていく太宰と織田。男たちが何を求め、何を守ろうとしたのか…。太宰が武装探偵社に入る前のポートマフィア時代を描いた作品である。
もともとはスピンオフとして描かれた小説が原作となっている。厳重な緘口令が敷かれていたため、第2期は第1期の続編だと思い込んでいた視聴者をあっといわせた。新キャラとして織田作之助が登場するが、原作で登場する中原中也とともにかなりの人気キャラクターとなっている。自分の命の危機を予知できるという強力な異能を持つが、その異能を無駄に使うことなく、ポートマフィアでありながら人を殺すことを嫌う性格が太宰のポートマフィア時代と真逆の考え方であることがまず強調される。そして、最期には太宰がポートマフィアを辞め武装探偵社に入るきっかけを与える重要人物となっている。シーンとしては、実際の織田がカレーが好きだったため、カレー屋によく行っているという設定で、そこで孤児の養育を隠れてしており「その子供達が殺められ、(モノローグ的に)泣き叫ぶ自分に気づく」というシーンは心にくるものがあった。彼が信念を貫く姿を見て太宰は自分の意思で行動するようになるのだ。また、織田と戦闘したミミックの長ジイドは満たされない心によって彷徨いテロを各地で起こしていた。しかし、同じ異能を持つ織田と出会い戦うことで彼の心は満たされていく。このように、何のために戦うのかを明確に描くことで三者三様の自分との戦いがありそれによって定められた運命があったことを示唆しており、この「運命」と織田の異能である「予知」という対立する二項が交わることで生まれる未来が、視聴者の感動を誘っている。


2019/4/10(Wed)02:15 ...No.1702
▼三年 白井 RES
春休み課題11〜20

11.『WORKING!!』 作者:高津カリノ
 北海道にあるファミリーレストラン「ワグナリア」で働く見た目が小中学生にしか見えない女子高生、種島ぽぷらに誘われた小鳥遊宗太はそこでアルバイトをすることを決意する。「ワグナリア」で働く従業員たちは皆個性豊かな人ばかり。仕事をしない店長の白藤杏子、男性恐怖症の女子高生、伊波まひる、情報通の謎多きキッチン担当の相馬博臣、見た目はヤンキーなのに中身はヘタレ男の佐藤潤、常に刀を帯刀しているフロアチーフの轟八千代といった個性的な従業員が織りなすお仕事コメディ作品。
 ラブコメ、日常、仕事と様々な要素が詰まった作品なのでどれか一つでも好きな人には非常にお勧めできる作品である。

12.『バジリスク〜甲賀忍法帖〜』 (漫画・アニメ) 原作:山田風太郎 作画:せがわまさき

 甲賀卍谷と伊賀鍔隠れに住む一族はともに服部半兵衛率いられる忍者群同士でありながら、互いに憎悪を抱く敵同士であった。しかし、両門争闘の禁制よって辛うじて和平を保っていた。そんな中、甲賀組の首領甲賀弾正の孫弦之介と伊賀組の頭目お幻の孫娘の朧は恋仲にあり、両家の縁組が済めば甲賀と伊賀の確執も解けるかのように思われていた。しかし、徳川三代将軍となる後継者選びに悩んでいた家康はその選定を甲賀対伊賀の忍法争いによって決めることにしてしまう。方法はそれぞれから10人ずつの選手を出し、最後まで生き残った者が託された巻物を再び家康の前に持ち帰ること。後継者は、伊賀が勝てば竹千代、甲賀が勝てば国千代と決まる。甲賀、伊賀の代表として選ばれた10人は皆、特殊な能力と技を持ったものばかり。そして、その中には弦之介と朧の名前もあった。
 この作品はどちらが正義でどちらが悪という描かれ方をしていない点が良いと思う。甲賀も伊賀も皆それぞれに人間味があるキャラクターばかりで、見ていて感情移入してしまうキャラクターも多かった。また、能力もキャラクターごとに全く異なっていてそれを見るのも一つの楽しみだと思う。

13.『恋は雨上がりのように』(漫画・アニメ) 作者:眉月じゅん
 感情表現が苦手で一見クールな女子高生の橘あきらは自身のアルバイト先のファミレスの店長近藤正己に密かに想いを寄せていた。店長は45歳のバツイチ子持ちであり、自他ともに認める冴えないおじさんであったが、そんな店長の魅力をあきらは自分だけのものとして密かに恋心を募らせていた。そんなある日アルバイト中に起こったある出来事をきっかけにあきらの秘めていた恋心は抑えきれなくなっていく。
 主人公のあきらは一見クールに見え、人を好きになるイメージが湧かないのだが、恋愛に対しては思いのほか積極的であり及び腰になっている店長に対して積極的にアプローチをするところが可愛らしいと思った。また、歳の差恋愛の話ではあるがお互い非常にピュアで、デートシーンのようなものは登場するものの、店長はあきらとの関係を友達と称しており、よくありがちな禁断の恋という展開にならないところが良いと感じた。そしてあきらも店長も挫折を経験し、心に深い傷を負った人物として描かれており、それを2人がどう乗り越えていくかが描かれているので勇気を貰える作品でもあると思う。

14.『BLACK LAGOON』(漫画・アニメ) 作者:広江礼威
 タイの架空都市ロアナプラを舞台に荒事を請け負う運び屋と、裏社会に属する組織や人物たちが繰り広げるクライムアクション作品。
ごく普通の日本人サラリーマン岡田緑郎は東南アジアで海賊ラグーン商会に遭遇して拉致されてしまう。当然助けを待つ緑郎であったが、彼の上司は自身の保身と会社のために緑郎を見捨てることを決意する。帰る場所を無くし、どん底に落とされた緑郎の元に彼と彼が持つ極秘ディスクの消去を目論む傭兵隊が現れ、緑郎の乗っているラグーン商会を追い詰めていく。狼狽の果てに名案を閃いた緑郎はラグーン商会のメンバーと共に一世一代の賭けに出て、傭兵部隊を殲滅させる。その後、帰る場所もない緑郎は裏社会の一員として生きていくことを決意し、ロックと名乗るようになり、二丁拳銃使いのレヴィ、筋骨隆々の黒人の大男ダッチ、インテリ白人のベニーらと共に裏社会で暗躍していく。
 この作品には一部残酷なシーンや過激な発言が含まれており、苦手な人は苦手な作品だと思うが、過激な作品ゆえに作中に示唆されている社会的な問題感じ取ることが出来ると思う。好き嫌いは分かれる作品だと思うが一度見て頂きたい。

15.『甲鉄城のカバネリ』 (アニメ) 監督:荒木哲郎
 産業革命が進み世界が急速に発展していく中、突如カバネと呼ばれる怪物が出現し、人間たちを恐怖の底に陥れる。カバネの恐ろしいところは不死身であることと、噛んだ人間を同族にしてしまう所にあった。また、噛まれた人間は理性を失い、カバネと同じように人間たちを攻撃するようになる。カバネを滅ぼすためには心臓を攻撃する必要があるが、心臓は屈強な鋼でカバーされており、並みの攻撃では太刀打ちできない状況であった。
日ノ本に住む少年、生駒は強大な力を持つカバネに対抗するための武器、ツラヌキ筒の開発に取り組んでいた。ある日、カバネ殺しのスペシャリストの少女、無名を乗せた鋼鉄城が、将軍家のある幕府最大の要害金鋼郭に向かう途中立ち寄ってくる。そしてその同日にカバネに乗っ取られた別の駿城が突入し、島中をカバネが襲う。生駒はカバネに対抗するも噛まれてしまい、とツラヌキ筒を使ってウイルス浸食を止めるが、体はカバネながらも理性を保ったカバネリと化してしまう。
 この作品は進撃の巨人のスタッフが作ったということもあり、ストーリーは進撃の巨人に類似しているが、舞台が日ノ本ということもあり、日本風にアレンジされているところが魅力的である。また、映像も美しく、アクションシーンも見ごたえがあるので映像美、ストーリー共に楽しめる作品となっている。ただ、終盤の展開だけは突拍子もないシーンが多く、個人的に少し残念だった感は否めないが全体的には良作となっていると思う。

16.『地獄少女』(アニメ・漫画) 作者:天羽沙夜
 午前零時にだけアクセスできるウェブサイト『地獄通信』に晴らせぬ怨みを書き込むと、依頼者の前にセーラ―服を着た長い黒髪に赤い瞳を持つ少女閻魔あい、通称地獄少女が現れる。あいは依頼者に藁人形を渡し、人形の首にかかる赤い糸を解けば契約は成立し、憎い相手は地獄に流されるが、その代償として自分自身も死後は、地獄で永遠に苦しむことになると告げる。それを受け取った者は糸を解いて怨みを晴らすか、思い直して踏みとどまるのか葛藤することとなる。そして、契約が執行される際は、あいに付き添う三藁の一目蓮、骨女、輪入道らが現世で罰を与え、最後にあいによって地獄流しが行われる。
 毎回異なった依頼者が登場するがその依頼内容は様々で、地獄に流されても仕方ないような正当な理由から、逆恨みに近い理由など様々なパターンが存在する。あいや、三藁は依頼主に干渉することは禁じられているのがもどかしい点ではあるが、地獄流しを請け負う稼業をやっていながらもどこか人情味がある点が魅力的である。そして、基本的なコンセプトは「必殺仕事人」から来ていることを知って驚いた。「必殺シリーズ」は私も大好きな作品であるので好きな方は見比べて共通点を探すのも面白いかも知れない。

17.『文豪ストレイドッグス』原作:朝霧カフカ 作画:春河35
 舞台はヨコハマ。孤児院を追い出され、横浜を放浪する少年、中島敦はひょんなことから。鶴見川で入水していた太宰治を助ける羽目になる。そして、太宰を助けた敦の元に太宰の相方である国木田独歩が現れ、二人が軍や警察が解決できない危険な依頼を専門にする特殊能力集団『武装探偵社』の社員で、街の田畑を荒らす虎探しの真っ最中だということを知る。その後敦は、紆余曲折を経て武装探偵社の仲間入りを果たし、ヨコハマを舞台に様々な文豪たちと共に数々の凶悪事件に立ち向かっていく。
 タイトルからも分かるようにこの作品には数々の文豪が登場する。また、面白い点は、各文豪たちには特殊能力が備わっており、その能力名は彼らが執筆した小説のタイトルやそれに関連する事柄から由来しているところである。例えば太宰の能力名は『人間失格』、谷崎純一郎の能力名は『細雪』、与謝野晶子なら『君死給勿(きみしにたもうことなかれ)』など各文豪が手掛けた小説から由来した能力名がついている。なのである程度文豪を知っている人には面白い作品となっているのではないかと思う。また、文豪たちがイケメン化されて描かれているのも特徴的である。シリアスとコメディの両方を楽しめる作品となっている。

18.『繰繰れ!コックリさん』(漫画・アニメ) 作者:遠藤ミドリ
 自称「人形」の電波少女市松こひなが、怪しげな術(1人コックリさん)で狐の物の怪コックリさんを呼び出した。
取りつくはずのコックリさんは、一人ぼっちのこひなを心配して献身的に家事をこなすようになる。その姿はまるでオカン。おまけにこひなを激愛する狗の物の怪狗神と、ダメ親父の化け狸信楽も住み着いて、コックリさんの苦労は3倍となる。電波少女と時にイケメン、たまにモフーンな3匹のアニマルたちが織りなす非日常系モフモフコメディ。
 コックリさんを始め、狗神、信楽は普段は人間の男の姿でありながら、動物の姿に変わった時、すごく可愛くなるというギャップが面白かった。人間時はイケメン、アニマル化すると可愛いという両面を各キャラクターが兼ね揃えているのが良い。
また、内容にはあまり関係がないが、OPを小野大輔、櫻井孝宏、中田譲治の三人で歌っており、非常にノリがよく、何度見ても楽しめるOPになっているので是非見て頂きたい。

19.『はたらく魔王さま!』 (漫画・アニメ) 作者:和ヶ原聡司
 大海イグノラに浮かぶ聖十字大陸、エンテ・イスラ。通称悪魔の王道楽土を建設するべく、魔王サタンは悪魔大元帥を従え、世界征服まであと一歩というところまで迫っていた。そこに聖剣を携えた女勇者エミリアが現れ、追い詰められた魔王は、腹心のアルシエルと共に異世界へのゲートで撤退を余儀なくされる。漂流の末、たどり着いたのは現代日本、東京の摩天楼であった。しかも、自分たちの姿も悪魔から人間に変わっていおり、2人の悪魔はこの異郷の地、日本での生活を余儀なくされる。
 序盤では悪魔軍のボスとして勢力を振るっていた魔王とそれに付き従うアルシエルという構図で悪役感が満載であったが、日本にたどり着いた瞬間、周りからは外国人だと勘違いされ、目にするもの全てを危険なものだと誤解する2人の様子を痛い人のように描くところが面白かった。また、日本に来てすぐは馴染めなかった2人であったが、魔王はマグロナルドで働き生計を立て、アルシエルは主夫として家事全般を引き受けるようになる。しかし、このまま話が日常系として進むわけではなく、魔王や勇者であるエミリアさえ抹殺しようとする組織が現れ、それに魔王たちが対峙していくという展開が見られ、人間界と魔界の両方を股にかけた物語となっている。

20.『からかい上手の高木さん』(漫画・アニメ) 作者:山本崇一郎
 中学校の同級生同士である西片と高木さんのやり取りを描くラブコメディ。高木さんは西片をからかい、西片はいつも高木さんに仕返しをしようとするが、高木さんはそれをうまくかわしてしまうという2人の関係性を軸に西片の視点から物語が展開されている。
一話完結型の形式をとっており、話の内容は異なるが、基本高木さんが西片をからかうという大まかな設定は変わることがない。それでも視聴者が飽きずに見ることが出来るのは、毎回どういった手口で高木さんが西片をからかうのかが気になるからというところにあると思う。また、2人のやり取りがとても可愛らしく、癒されるところもこの作品の魅力である。
2019/4/10(Wed)01:18 ...No.1701
▼三年 白井 RES
春休み課題1〜10

1.『メリーに首ったけ』(映画)監督:ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー
内気で不器用な高校生のテッドがみんなの人気者であるメリーとデートをする幸運を掴むが、デート当日にある災難に見舞われてしまい、病院送りになってしまったため、デートは中止。メリーとの関係も彼女の引っ越しを機にそれきりになってしまう。13年後、いまだに彼女のことが忘れられないテッドは怪しげな探偵、パットを雇って彼女の調査を依頼する。しかし、パットもメリーに夢中になってしまい、テッドとパットの間でメリーの争奪戦が始まる。その他にもメリーの友人であるタッカーやメリーの元恋人も登場し、彼らは皆メリーに首ったけになってしまう。
コメディ監督として有名なファレリー兄弟が監督を務める本作品ややお下劣な表現も目立つが、全てを笑いに昇華させることに成功している。また、邦画だとアメリカ人特有の笑いのツボが理解できず、日本人にとってはつまらない場面となってしまうことも多々あるが、本作品では日本人が見ても笑える作品になっている。そして何よりも若き日のキャメロン・ディアスが最高にキュートなので是非見て欲しい。

2.『3年A組−今から皆さんは、人質です−』(ドラマ)脚本:武藤将吾
魁皇高校では卒業まで残り10日となる中、3年A組の担任である美術教師、柊一颯がクラスメイト29人を集めて突然「今から皆さんは人質です。」と言い放ち、爆弾で退路を塞ぎ、生徒29人をクラス内に閉じ込め、人質に取ってしまう。柊が生徒を人質に取った理由は3年A組の生徒であり、自殺した影山澪奈の死の真相をみんなに考えて貰うためだった。生徒たちは生き延びるために、柊が出す課題を必死に考え、影山澪奈の死の真相を解き明かしていく。
菅田将暉主演の高校教師の謎の行動を描く、学園ミステリーで、現代の若者にはかなり胸に響く作品になっていたと思う。ややネタバレになってしまうが、この作品は、SNSなどの誹謗中傷を痛烈に批判した作品になっている。誰もが手軽に繋がれるSNSが発達した現在、便利な反面、嘘の情報を鵜呑みにしたり、心ない誹謗中傷を見ず知らずの他人にぶつける人々が増加している。SNSに何かを投稿する前にグッと踏みとどまって頭をよく働かせて考えることの大切さを訴えかける作品になっており、この作品を観て改めて自分自身のSNSの使い方を反省する人も多いのではないかと思う。

3.『ナイト&デイ』(映画)監督:パトリック・オニール
2010年公開のアメリカ映画。トム・クルーズとキャメロン・ディアスの共演作である。
理想の男性を追い求める平凡な女性ジューンはある日、妹の結婚式に向かうための空港でハンサムな男性ロイと運命的な出会いを果たす。ロイに一目ぼれしたジューンであったが、ロイの正体は理想の男性どころかCIA所属の超一流スパイであり、とある事情からロイはCIAに追われていた。ロイと一緒にいるところをCIAに目撃されたジューンは生き延びるために、ロイと共に行動することを余儀なくされてしまう。平凡な女性と正体不明のスパイが恋の予感とスリルに満ちた逃走劇を繰り広げる。
キャメロン・ディアスとトム・クルーズの二大スターが出演しているだけで観る価値はあるが、何といってもアクションシーンが素晴らしかった。体を張ったアクションシーンが満載で臨場感もあり、ハラハラドキドキする場面に仕上がっていた。トム・クルーズはアクション俳優としても有名だが、この作品も彼のアクションシーンが見られるというだけでも見る価値があると思う。

4.『ダメな私に恋してください』(漫画) 作者:中原アヤ
無職にも関わらず年下男子に貢いでいたモテない元OLのミチコは偶然再会した前の職場の鬼上司、黒沢と再会する。金も職もないミチコを見かねた黒沢はミチコに自身が経営する喫茶店で住み込みで働かないかと提案する。最初は大嫌いな上司の元で働くことを渋っていたミチコであったが、そんなことを言っている余裕もなくなってしまったため、渋々了承する。更にあるトラブルに巻き込まれたところを黒沢に助けてもらったことから、ミチコは黒沢のことが気になるようになる。しかし、黒沢には長年思い続けてきた想い人がいた。非モテアラサー女子と元鬼上司が送る胸キュンラブストーリー。
主人公のミチコはアラサーにも関わらず、今までまともな恋愛をしてきたことがなく、断れない性格と貢ぎ癖が災いして借金まで背負ってしまう。その姿はまさにダメ女と言わざるを得ないが、それでも一生懸命生きている姿やどこかほっておけないキャラクター性が良いと感じた。また、黒沢も元鬼上司とは思えない程優しく、胸キュンポイントが満載なのもこの漫画の魅力の一つである。私は漫画を読んだが、実写化されているようなのでそちらも見てみたい。

5.『だがしかし』(漫画・アニメ) 作者:コトヤマ
ある半島の海沿いの田舎町に住んでいる鹿田ココノツは漫画家を夢みているが、駄菓子屋を営む父に実家の駄菓子屋、シカダ駄菓子を継ぐように命じられてしまう。しかし、それを嫌がるココノツの前にある日、都会からやってきた大手菓子会社の令嬢、枝垂ほたるが現れる。彼女はあらゆる手段を駆使してココノツに駄菓子屋を継がせようと奮闘する。
この作品には様々な駄菓子が登場する。毎回異なる駄菓子が紹介されており、私たちに馴染み深い駄菓子から初めてきいた駄菓子まで数多くの駄菓子が登場し、見ていると駄菓子が食べたくなること間違いなしだと思う。また、登場する駄菓子は殆どが製造、販売元の企業の許可を得て、実名のまま登場するため、かなりリアルに駄菓子が描かれており、駄菓子を描くという情熱の強さが伺える。また駄菓子会社にとってもよい宣伝効果になっているのではないかと感じる。

6.『トレースー科捜研の男―』(ドラマ) 脚本:相沢友子 原作:古賀慶
主人公の真野礼二は科捜研で働く法医研究員で、他の研究員とは異なり、推論や憶測ではなく、あくまでも鑑定結果を第一と考える主義で研究所では浮いた一匹狼的存在。時に見解の違いから警察とぶつかることも多いのだが、警察が事件とは無関係と判断した証拠品であっても、真野は納得がいくまでありとあらゆる手段を駆使して鑑定を行う。そして、その現場に残された痕跡(トレース)から真実の欠片を探しだしていく。
この作品は毎回毎回異なったストーリーが展開され、基本一話完結型をとっており、一話ずつ見ても楽しめる作品になっている。また、この作品から学べることが大変多く、例えば、ジーンズの縫い目は指紋のように一つずつ若干形が異なっており、二つとして同じものは存在しないことや、血の飛び散った方向を調べることによって殺害現場に何人いたのかが分かるなど様々な豆知識を知ることが出来るのも面白い点だと思う。
一話ずつでも楽しめるとは書いたが、話が進むにつれて真野の過去が明らかになっていき、それが物語の終盤の鍵を握ることになるので出来れば全話視聴することをお勧めしたい。

7.『はじめて恋をした日に読む話』作者:持田あき
 3流予備校講師の主人公、春見順子は、中学、高校時代は優等生であったが、東京大学の受験に失敗してから就活も婚活もことごとく失敗し、転落人生を歩むことになってしまい、気づけばアラサーになっていた。そんな中、超低レベル高校に通っているにも関わらず、東大志望のピンク髪の高校生、由利匡平が順子が講師を務める予備校にやってくる。そこで由利の指導を順子が担当することになり、最初は無理だと断るのだが、東大出身の父に馬鹿にされる由利の姿にかつて母の期待に応えられず、苦しんだ自分の姿が重なり、この無謀とも言える東大合格を二人三脚で歩むことを決意する。
 この作品を見ると不可能だと決めつけずに、挑戦することの大切さを確認することが出来る。二人三脚で東大受験という高い壁に挑む順子と由利の姿に自分自身も何か頑張らないといけないと感じさせられた。また、この作品は単純に受験だけを描いているのではなく、恋愛要素も含んでいるので、ラブコメとしても楽しめる作品となっている。

8.『魔法少女まどか☆マギカ』(アニメ) 監督:新房昭之 脚本:虚淵玄
 願いを叶えた代償として「魔法少女」となり、人類の敵と戦うことになった少女たちに降りかかる過酷な運命を、優れた魔法少女となれる可能性を持ちながらも傍観者として関わることになった中学生、鹿目まどかを中心に描く。
 最初絵のビジュアルを見たとき、萌え系アニメかと思ったが、内容はかなりシリアスなもので絵とのギャップに驚かされた。また、タイムリープ作品となっており、過去と現在を行ったり来たりする構成が面白かった。キャラクターも大変魅力的でこの作品に出てくる登場人物は殆ど女性キャラクターなのだが、魔法少女として生きることになった少女たちの葛藤や友情が繊細に描かれており、どのキャラクターも個性的で魅力的なキャラクターに仕上がっている。特に主人公まどかの前に現れた謎の転校生、暁美ほむらは非常にミステリアスで、彼女が考えていることが全く分からずに中盤まで物語は進んでいくが、彼女の真の目的が分かった時は涙なしでは見られないと思う。タイムリープ、友情、葛藤、感動といった様々な要素が詰まった傑作となっている。

9.『賭ケグルイ』(漫画、アニメ) 原作:河本ほむら 作画:尚村透
 創立122年を迎える名門校、私立百華王学園は上流階級、財政界の子女が数多く通う名門校。そこは圧倒的なギャンブルの腕を持つ生徒会長、桃喰綺羅莉のもと、生徒同士のギャンブルによる階級制度によって支配されていた。そこに、蛇喰夢子という少女が転校してくる。一見、おっとりとしたおとなしそうな少女に見える夢子だが、その実はギャンブルに取りつかれたギャンブル狂だった。誰もが予想しない奇策と大胆さを武器に次々と立ちふさがる百華王学園生徒会メンバーを相手に狂気のギャンブルゲームに挑んでいく。
 この作品には様々なギャンブルが登場する。トランプを使用したゲームが多く、ダブル神経衰弱や二枚インディアンポーカーや選択ポーカーなど聞きなれないゲームが多いが、どれも複雑なルールではなく、理解しやすい単純なゲームになっている。また、必ずゲーム前にはルールを説明するので視聴者にとっては分かりやすく、理解できないから話についていけないという事態には陥ることがないと思う。そしてこのゲームを仕掛けた主催者側には必ず必勝法があり、それを夢子が暴いていくのが実に痛快である。
実写化もされているのでそちらでも視聴したい。

10.『ドリフターズ』(漫画) 作者:平野耕平
 西暦1600年、関ヶ原の戦いの最中、謎の男、紫によって島津の退き口から、エルフやオークのいる異世界に飛ばされてしまった島津豊久は同様に流れ着いた織田信長や那須与一と出会い、その地で漂流者(ドリフターズ)と呼ばれるようになる。そこで豊久たちのような漂流者(ドリフターズ)と世界の破壊を目論む廃棄物(エンズ)との戦いが繰り広げられる。
 この作品の最大の魅力は様々な時代の偉人が異世界に転生させられることによって一堂に会するところにあると思う。例えば、主人公の島津豊久、織田信長は戦国時代から召喚されているが、那須与一は平安時代の偉人であり、時代が異なっている。他にも幕末に活躍した偉人である土方歳三や、大日本帝国海軍のエースパイロットである菅野直など生まれた時代の異なる偉人が次々と登場する。また、日本国内のみならず、ハンニバル、スキピオといった世界史において有名な偉人も登場するのが面白い。自分が知っている偉人であれば興味を持ってみることが出来るし、知らない偉人であっても、どんなことをした人かを知ることが出来るので大変勉強になる作品である。
2019/4/10(Wed)00:53 ...No.1700
▼三年 田村 RES
春休み課題 11〜20

11 『図書館戦争 別冊編』 (漫画)
作者:弓きいろ
〈あらすじ〉
ずっと好きだった堂上に郁が想いを告白し、2人はついにカップルになった。新しい日々が始まりドキドキの毎日を送る郁だが、図書館の蔵書の窃盗事件が発生して?!そして迎えた正月、郁は堂上の実家に行くことになり……。

本編では主に図書隊が良化特務機関や良化隊賛同団体などから表現の自由を守ろうと戦う場面が描かれていた。その間に堂上と郁が様々な困難に会いながらも、相手への想いを自覚し恋人になる過程が描かれていた。今作では恋人になってからの2人の生活を中心に話が進んでいく。
しかしその幸せな生活を描きながらも、図書館に関する問題もかなり登場する。貸出図書の盗難、酔っぱらいの利用など現実の図書館でも問題になっているものが多い。そのような問題に対して司書はもちろん、一般の利用者にもどのような対処方法があるのか考えさせられる内容にもなっていると思われる。

12 『魔女の絵画集』 (漫画)
作者:晴智
〈あらすじ〉
孤児院の少女・アイシャには、自身の血を混ぜて描いた絵に奇跡が起こる不思議な力が宿っていた。しかし善意で描かれた絵は人間の欲望にまみれ、やがて人を害し「魔女の絵画」と呼ばれるようになった。アイシャは自ら描いた1番の友人・ロキに、全ての絵を燃やすように最期の願いを託す。約束を背負った少年・ロキはアイシャとの約束を果たす旅に出る。

純粋なアイシャは自分の絵が人のためになると思って一生懸命絵を描き続けており、表情や雰囲気も明るく可愛らしい。一方、欲望にまみれた人間は自分に利益をもたらそうと必死になっており、張り付けた笑顔でアイシャに近づき、醜くどす黒く描かれている。真逆な存在が非常に分かりやすく表現されている。
ロキはアイシャの1番の友人だったが、実はアイシャにはロキは見えず声も聞こえていなかった。ロキがどんなにアイシャを想っていても、どんなに助けようとしても伝わらない場面には非常に切なくなる。それでもアイシャの願いを叶えようとするロキの強い想いに感動させられ、いつまでかかるか分からない旅の続きが気になる物語になっている。

13 『ララの結婚』(漫画)
作者:ためこう
〈あらすじ〉
約束されていた富豪との婚儀の直前、双子の妹・ララは好いた男と村を離れた。ラムダンはララを無事に逃がすため、ララのフリをして花嫁に成り代わる。適当なところで富豪の家から抜け出すつもりだったラムダンだったのだが、婚儀の初夜に予想外の事態にあってしまう……。

BLコミックでかなり激しい内容なため、初心者には少し厳しいと思われる。
タイトルが『ララの結婚』となっているが実際に結婚するのは兄のラムダンで、妹のララに成り代わっている。ラムダンは婚約者のウルジを騙していると思っているが、実はウルジはその事実に気づいており、むしろララの代わりにラムダンが自分の元に来るよう仕向けた張本人であった。ウルジのラムダンに対するその執着心にゾッとするがそのキャラクター性は魅力の一つだと思われる。まだ一巻しか発売していないためBL好きな人には是非今買うことをオススメしたい。


14 『うどんの国の金色毛鞠』(アニメ)
原作:篠丸のどか
〈あらすじ〉
東京でWebデザイナーをしていた俵宗太は、父親の死をきっかけに故郷・香川に帰ってきた。久しぶりに実家のうどん屋に戻ると、釜の中で眠っている子どもを見つける。両親や家の場所も分からない子どもは、実はたぬきが人間の姿に化けたものだった。ポコと名づけられた子どもと宗太、そして宗太の周りの人との優しくて温かい少し変わった家族の物語が始まる。

ポコは人間の言葉を理解でき、話すことも出来るが赤ちゃんのようにたどたどしい。そのため非常に母性をくすぐられ、可愛らしく魅力的なキャラクターになっている。香川が舞台になっており、うどんなどの名産品や小豆島といった観光地も紹介される。落ち着いた環境、心優しい人々がいる田舎が非常に印象的だった。全体的にポコと宗太が友人らと共に香川の色んな所を巡ったり、体験したりなどのほんわかした物語になっているため、ゆったりした作品が好きな人にはオススメしたい。

15 『満月をさがして』(漫画)
作者:種村有菜
〈あらすじ〉
神山満月は12歳でアメリカに留学中の英知くんを想い続けながら、彼との約束の歌手になることを夢見ている。しかし、彼女には命に関わる喉の病気がある。厳しい祖母によってほとんど一日中家の中に籠る毎日だったが、ある日壁をすり抜けて死神のタクトとめろこが部屋に現れて……。

満月が英知との約束のために、タクトたち死神の力を借りて歌手・フルムーンとして活動する物語である。
死神という存在が非常に重要になるのだが、彼らは元々は人間で、理由はそれぞれだが自ら命を絶つことによって生まれた存在だった。死神になると人間の頃の記憶は忘れてしまう、しかし満月に関わっていくうちにタクトやめろこ、いずみの3人は記憶を思い出す。その記憶がどれも壮絶なもので胸が痛くなる。特にいずみの記憶は母親に虐待されているなど悲しいもので、自殺するその瞬間まで報われることはなかったが、母親の真意を理解した時のいずみの気持ちは切なくなると同時に心が温かくなった。
物語構成はかなり考えられており、夢や愛、そして命について生々しく詳しく描かれていたと感じた。少女漫画らしく恋愛要素も前面に押し出されているが、あまり甘い感じではないため少女漫画が苦手な人でも読みやすいと思われる。

16『菜の花ボーイズ』(漫画)
作者:ぴょん
〈あらすじ〉
交通事故にあい左目が見えなくなっしまった大西悠と生まれつき耳が聞こえない石田賢治は同じクラスで隣の席。最初はお互いに興味はなかった2人だったが、ある出来事をきっかけに絆を築き始める。それぞれ違う傷を抱えながらも、互いを理解する少年たちが描く青春学園漫画である。

障害を持つ人々のことを私たちは「障害者」と呼んでいるが、生まれつき耳が聞こえない賢治にとってはそれが普通で、自分の一部であると思っているためかあまり障害だと思ってはいないように見えた。普段から「障害者」という言葉をよく耳にしたり目にする今だからこそ、読んでいて「障害者」という言葉に違和感を感じさせる作品だった。
また賢治は耳のせいで母親からひどい虐待も受けている。悠がどうにか助けようとするのだが、賢治は母親に対する恐れから勇気を出せずにいた。現在でも問題になっている虐待がかなり生々しく描かれており、かなりショックを受けた。不器用な悠が優しく賢治に寄り添って助ける姿には読者は感動せずにはいられないと思われる。
悠や優しい友人たちと触れ合うことで表情を出せるようになった賢治の顔が非常に可愛らしい。全体的に重たい話の中でそこに癒されるため、魅力の一つだと思われる。

17『文豪ストレイドッグス』(アニメ)
原作:朝霧カフカ
〈あらすじ〉
孤児院を追い出され餓死寸前の中島敦は、入水自殺をして流れてきた太宰治と「理想」と書かれた手帳を持つ国木田独歩に出会う。2人は武装探偵社の社員で、ここ最近目撃情報が絶えない「人喰い虎」について調べていて敦も何故かついて行くことになったのだが……。

文豪の名前をつけられたキャラクターたちが、その文豪の作品の名前から考えられた異能力を使い、架空都市・ヨコハマで戦いを繰り広げる物語である。文豪の名前と作品名を同時に覚えることが出来るため、あまり文豪を知らない人でも楽しんで見れると思う。能力の名になっている元の作品への興味に繋がることもあると思われる。
今作品は登場人物がかなり多い、しかも同じような人は一人もおらず、皆それぞれ独特な個性を持ち合わせている。また男キャラにはイケメンが多く、声優も豪華になっている。物語の内容というよりは数多くのキャラの中で自分の推しを見つけることが出来たかどうかで今作品の好き嫌いは分かれるのではないかと考えられる。

18『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』(映画)
原作:朝霧カフカ
〈あらすじ〉
ヨコハマに突如発生した霧、そのなかでは異能力者が自らの力を使い命を絶ってしまう。この奇妙な事件への関与が疑われる謎の能力者・澁澤龍彦の確保に動く武装探偵社。泉鏡花と共に澁澤のもとへ向かう中島敦が、敵対する芥川龍之介から聞かされた驚きの真実。ヨコハマに血嵐が吹き荒れた「龍頭抗争」から6年。澁澤、魔人・フョードル、そして姿を消した太宰治…過去の因縁が紡ぐ事件の行方とは。

霧が発生してから澁澤の確保に動くまで展開が早いため、物語がどんどん進んでいく。説明不足で分かりにくい部分もあるが、作画が非常に綺麗でバトルシーンはかなり迫力あるものになっていた。
敦、芥川、鏡花の3人が中心になっており、それぞれ自分の異能を相手にしながらも澁澤と太宰の元へ向かっている。特に鏡花は異能・夜叉白雪を使い、多くの人を殺していたという過去を認めた上で夜叉白雪を受け入れていた。そのことから鏡花の精神的な成長が非常に感じられた。
4月に始まる第3期への序章のような内容になっているため、その前に見ることをオススメしたい。

19『トリマニア』(漫画)
作者:久世岳
〈あらすじ〉
背中に翼を持つ人々が住むトリマニア共和国。首都は鳥間、公用語は日本語、名物は鳥まんじゅう。そんな謎だらけの国に留学を決めた少女がひとり。彼女はトリマニア共和国で何と出会い、何を見つけるのか─?

背中に翼を持っているだけでその他は私たち人間と変わりないトリマニア人たちが繰り広げるギャグコメディにくすっと笑える。自由で不思議なオーラを纏って、のびのび自由に暮らしているトリマニア人は、どこか動物寄りの性格で私たち人間よりも人生を楽しんでいるように思われる。表紙を見てファンタジーものだと思う人は多いと思われるが、ほのぼのとした日常系の作品である。恋愛要素も含まれているため、女性でも男性でも読みやすく楽しめる作品になっていると考えられる。

20『ドラえもん のび太の月面探査機』 (映画)
脚本:辻村深月
〈あらすじ〉
月面探査機が捉えた白い影が大ニュースになり、小学校でもその正体についてみんな語っていた。のび太は「月のうさぎ」だと主張するも笑われてしまう。そこで、ドラえもんのひみつ道具「異説クラブメンバーズバッジ」を使って月の裏側にウサギ王国を作る。着々とウサギ王国を作るのび太たちの元に不思議なオーラを纏った転校生・ルカがやって来る。

今作品では、エスパルという特殊な力を持つルカたちを助ける為に、のび太たちは知らない星に乗り込んでいく。危険な冒険になるのに、のび太たちは「友だちだから」という理由だけで危険に身を投じるのだ、ほとんど躊躇することなく。人間関係に悩むことが多くなった現代で、私は改めて友だちとはどうゆう存在のことを言うのか今作品で考えさせられた。子供向けの作品として制作されており、様々な教訓を子供に伝えているドラえもんだが、大人になってから見ると失くしてしまった大切なものを思い出させてくれる作品になっていると思われる。また今作品の公開前に作られたポスターがあるのだが、それぞれのキャラクターの後ろ姿と街の風景や月などが描かれており、そこに言葉が添えられている。「大人のフリが上手な人が大人なだけだよ」など心に刺さるものになっているので映画と合わせて見てもらいたい。

以上春休み課題20点です。
2019/4/9(Tue)23:21 ...No.1699
▼三年 田村 RES
春休み課題 1〜10

1 『BANANAFISH』 (アニメ)
原作:吉田秋生
〈あらすじ〉
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年アッシュ・リンクスは、17歳にしてストリート・ギャングをまとめ上げていた。
ある夜、アッシュは自身の手下によって銃撃された男からある住所とともに「バナナフィッシュ」という言葉を伝えられる。
それは廃人同然の兄・グリフィンがしばしば口にする言葉だった。時を同じくして、カメラマンのアシスタントとしてやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。

キャラクターの関係性にボーイズラブを感じる部分もあるが、最終回まで見ると
公式ホームページの相関図にも書いておる通りそんな言葉じゃ片付けられないことが分かる。特にアッシュと英二の関係性は友人とも恋人とも言えない深い絆で結ばれていて非常に印象的だった。原作は1985年とかなり前の少女漫画だが、昔と現代の間で生じる違和感や物語構成の違いなどはほとんど感じられなかった。そのためアニメから見た人も原作ファンも楽しめる作品になっていると思われる。

2 『キングダムハーツ3』 (ゲーム)
発売元:スクウェア・エニックス
〈あらすじ〉
選ばれし者が持てる武器・キーブレードを手にする少年ソラは幼なじみのリクとカイリと離ればなれになってしまい、彼らとの再会を果たすための旅に出た。しかし、いつしかその旅は世界に起こっている異変へ立ち向かうための旅に変わった。いずれ訪れる脅威のために7人の光の守護者を揃えようとソラはドナルド、グーフィーと共に再び冒険へと旅立つ。

ダークシーカー編という今まで発売してきたゲームの物語の完結ということで、別の時代や次元で生きていたキャラクター達が集まったり、感動の再会を果たしたりなどファンにとってはたまらないものになっていたと思われる。特殊な力を持つ男の子が幼なじみや好きな女の子の為に戦うといった構成は定番でどの年齢層にも人気だと思われる。また、『スパイダーマン』など外国の作品にもよく使われている。キングダムハーツも例外ではなく、ソラはカイリを助ける為に戦うという設定が中心にあると考えられる。そのため幅広い年齢層の人々や日本人だけではなく外国人も楽しんでプレイできる。これがキングダムハーツが多くの人から支持されている理由だと思う。

3 『アイドリッシュセブン』(アニメ)
監督:別所誠人
〈あらすじ〉
「小鳥遊事務所」に集められた、
未来を担うアイドルの卵たち。出会ったばかりで性格も個性もバラバラな彼らだが、それぞれ異なる魅力やアイドルの素質を持っていた。そして、「アイドリッシュセブン」というグループを組み、アイドルへの1歩を踏み出す。
華やかだが時に厳しいアイドルの世界に彼らは夢を抱きながら、その頂点を目指す。

元々はスマホのアプリケーションで、キャラクター原案は『紳士同盟†』や『満月をさがして』などの少女漫画の著者・種村有菜が務めている。「IDOLiSH7」や「TRIGGER」といった作中に登場するアイドルたちの楽曲はそれぞれのグループのイメージを上手く表現したものが多く、レベルの高いものになっている。
それぞれのメンバーが抱えている事情により辛い話が多い、また大手事務所や企業の圧力でメンバー間に亀裂が生じたりと困難な道がかなり描かれている。明るい面ばかりではなく、そういう辛い面を描くことが応援したくなるという視聴者の気持ちを生み、今でも人気が高い理由なのではないかと考えられる。

4 『ツバサ』(漫画)
作者:CLAMP
〈あらすじ〉
考古学者の卵・小狼と玖楼国の姫・サクラは幼なじみで、身分関係なく惹かれあっていた。ある日、サクラに秘められていた力を手に入れようとする飛王・リードによってサクラの記憶は無数の羽になって異世界に飛び散ってしまう。瀕死になったサクラを助けるため小狼は、黒鋼やファイ、モコナと共に魔女の力を借りて異世界へ羽を探す旅に出る。

『カードキャプターさくら』や『xxxHOLiC』などのCLAMP作品に登場するキャラクターが登場するため、これまでの作品を読んできた人にとってはより一層楽しめる作品だと思う。初めて会ったはずの小狼と黒鋼とファイたちだったが、実は意外な関係性がある事が明らかになったりする。それぞれの話で張られた伏線が別の人物の話の中で登場するなど伏線の張り方が非常に上手く、思いがけない所で回収されたりするため読者は新鮮な気持ちで読むことができると思われる。最終回近くになると物語が複雑になりすぎて理解しにくい部分もあるが、そこを理解しようと読者はより不思議な世界観の物語に引き込まれると考えられるためその複雑さも魅力の一つだと考えられる。


5 『バトラビッツ』(漫画)
作者:雨市
〈あらすじ〉
幼い頃、「鬼」(オーグ)に父親を殺された輝夜。高校生になった彼はある日、地球を護る月の民「バトラビッツ」だという少女・マオと出会う。彼女は輝夜を不法滞在者として連れていこうとするのだが、その最中父の仇によく似た異星人「鬼」に襲われて……。

『07-ghost』の著者である雨市さんが描いたもので、前作のキャラが登場したりするため『07-ghost』を読んでから今作を読むとより面白さを感じることができると思われる。輝夜は父親を失ってからかなり辛い生活をしており、やっと伯母のもとで幸せに暮らせていたのに訳の分からない戦いに巻き込まれてしまう。戸惑いを感じながらも、バトラビッツ地球防衛総本部総司令官・鷹ノ宮聖やマオらに助けて貰いながら父親の仇を取ろうとする姿は非常にひたむきで胸を打たれる。無理やり終わらせた感が否めないが、ラストの衝撃の真実には今までの伏線も相まって切なく悲しくなるが、非常に面白いと思った。

6 『風が強く吹いている』(アニメ)
原作:三浦しをん
〈あらすじ〉
万引きをして夜道を駆けていた蔵原走は寛政大学4年の清瀬灰二に声をかけられ、半ば強引に竹青荘に住まわされる。そこには、灰二を含め9人の男子学生が住んでいた。そして突如灰二から箱根駅伝を目指すことを伝えられる。実は竹青荘は「寛政大学陸上競技部錬成所」で、灰二は箱根駅伝という夢を叶えるためにメンバーを集めていたのだった。そんな壮大で無謀な夢に最初は反発する走たちだったが…。

陸上をしたことがない素人が半数以上の竹青荘のメンバーで箱根を目指すという馬鹿馬鹿しく見える夢に、全力で向かっていく灰二の姿に最初は反抗的だったメンバーたちが必死に頑張ってタイムを縮めていく、さらに絆を深めていく姿に感動させられる。結果的に箱根駅伝に出場することができるのだが現実的に考えるとこれは無理に近いことだと思う。しかし誰にでも努力すれば大きな成果を挙げられる可能性があるという事を多くの人々に見せてくれる作品だと思われた。

7 『雪の華』(映画)
監督:橋本光二郎
〈あらすじ〉
余命を宣告された美雪の夢は、<約束の地>フィンランドでオーロラを見ること。そんなある日、ひったくりにあった美雪はガラス工芸家を目指す青年・悠輔に助けられる。半年後に偶然再会した悠輔が、男手ひとつで兄弟を育てていること、そして彼の働く店が危機に陥っているということを知った美雪は「私が出します、100万円。その代わり1 ヶ月、私の恋人になってください」と、期間限定の恋を持ちかける。

中島美嘉の『雪の華』という楽曲を元に作られた作品であり、場面一つ一つがどの歌詞に対応しているのか分かりやすかった。残り少ない人生に生きる希望を失いかけていた美雪が悠輔と恋人ごっこをするようになった事で、前向きに明るく生きていた姿は観客に温かい幸せな気持ちを与えていたと思われる。美雪は結局死なずに物語は終わってしまったのでそのあとの2人は結局どのように過ごしたのか、美雪は結局どうなってしまったのかなど観客が自由に考えられるエンディングになっていた。物語的にはかなりありふれたものなのでつまらないと感じるかもしれないが、美雪役の中条あやみが非常に可愛らしく癒される。

8 『Free!』(アニメ)
監督:内海紘子
〈あらすじ〉
幼い頃から水に触れることが好きだった七瀬遙。幼なじみの橘真琴と一緒に高校生活を送っていると、突如小学生の時に共にスイミングクラブに通っていた松岡凛が現れる。圧倒的な強さを見せる凛にこのままでは終われないと、同じくスイミングクラブのメンバーだった真琴と葉月渚、そして新たに竜ヶ崎怜を引き込んで「岩鳶高校水泳部」を設立する。

遥は水泳部を設立した当初、「俺はフリーしか泳がない」と言ってメドレーリレーを拒否していた。しかし、水泳部のメンバーと共に泳いでいくうちにリレーでしか見ることができない景色に気づき、リレーで泳ぐことに喜びを感じるようになった。終盤ではタイムが伸びず水泳を辞めるとまで言っていた凛を遥、真琴、渚はリレーのメンバーに入れ凛に再び泳ぐことの楽しさを思い出させる。これらの事からメドレーリレーという仲間と共に泳ぐことでより泳ぎの楽しさを遥や凛が感じていたことがわかる。今作品では、個人単体ではなく仲間と共にやることで生まれる景色を重要にしているのではないかと思われた。

9『Free!-Eternal Summer-』(アニメ)
監督:内海紘子
〈あらすじ〉
前回の大会を経て、更に絆を深めた遙、真琴、渚、怜。以前と変わらない生活の中でそれぞれの成長した姿を見せていた。一方、凛は過去の自分を乗り越え、自分の夢へと走り出し、そして新たな仲間と共に最高のチームを作ることを目指している。岩鳶と鮫柄、仲間と水泳、そして彼らの未来。彼らは自分自身と向き合い、それぞれの思いを胸に秘めながら、新たな夏を迎える。

鮫柄の水泳部には凛の親友・山崎宗介が新たに入部し、凛は部長として部を引っ張っていくことになる。凛が周りとコミュニケーションをとり、仲間と共に泳ぐことを大切にしているように感じられ、確実に1期より人間的に成長していることが伺える。
今期ではそれぞれ進路に悩み始めるのだが、特に遥は何がしたいのか分からなくなってしまう。そこで凛は遥を昔ホームステイしていたオーストラリアに連れて行き、めったにできない体験をさせるなどライバルでありながら、友人である遥のために世界への可能性を教える。1期もそうだったが、2期ではより一層熱く深い友情が描かれていると思われる。

10 『Free!-Dive to the Future-』(アニメ)
監督:河浪栄作
〈あらすじ〉
高校を卒業し、水泳でつないだ絆を胸にそれぞれの未来へ歩み出した遙たち。
遙は東京で、かつてともにリレーを泳いだ旭と再会する。中学生の記憶を呼び覚ます遙だったが、その胸に蘇ったのは“あの時”の郁弥の姿だった。遙とともに上京した真琴は新たな夢に向かって進み始める。シドニーへ旅立った凛は新天地で意外な出会いを果たす。渚と怜は新たなメンバーと共に水泳部の活動をしていく。

今作品の前に『ハイ☆スピード!』という映画が公開されており、中学時代の遥や真琴などが登場していて、“ あの時”の郁弥というのもここで分かる。映画を見てからの方がストーリーも分かりやすいと思うが、私は見てなくても何となく理解出来て楽しく今作品を見ることができた。大学生になったことで青春感は薄れてしまっているが、新たなライバルが出現した事でより続きが気になるような内容になっている。2020年に4期が始まるのでその前に一通り見てもらいたい。
2019/4/9(Tue)23:20 ...No.1698
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