米村ゼミの掲示板
☆投稿した記事は自分で削除できません☆
Name
Mail
URL
File [ReadMe!!]
Align left right under none
Text
Pass
▼三年 葛山 RES
春休み課題1〜10

1.アニメ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』
原作:西概租ク
『宇宙戦艦ヤマト2199』の続編となる完全新作シリーズが『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』である。
西暦2202年。〈コスモリバースシステム〉によって蘇った地球はイスカンダルのスターシャの願いも虚しく、軍拡への道を步み始めていた。そこに、新たなる脅威《ガトランティス》が迫る。テレサのメッセージに応え、今再び発進する宇宙戦艦ヤマト。
前作の2199の3年後という設定だが、その3年間で地球は大きな変化が起こっている。コスモリバースシステムによって地球は元の姿を取り戻すことができた。しかし、ヤマトがもたらした平穏の裏には「奇跡の復興」を遂げるために必要となった負の遺産が存在していた。それが〈時間断層〉である。これを知った古代たちヤマトクルーたちが女神テレサのメッセージを受け取り再び航海に向かうことになるが、この時間断層の存在の是非というのが視聴者にまず問われるものだと感じた。震災から復興した日本にも同様に、原発で生じた核燃料の廃棄についての問題が生じている。このように、今作では現代日本に通ずる疑問や課題が見え隠れしており、視聴者にその存在を示し考えるきっかけを与えているように思う。


2.アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』
原作:西概租ク
西暦2199年、地球は《ガミラス》と呼ばれる異星国家と数年にわたって戦闘を繰り広げていた。遊星爆弾を投下され続けた地球は、大気汚染により地上に住むことができず地下に都市を建設し生活していた。しかし、地下汚染によって地球滅亡が1年に迫ったころ、異星〈イスカンダル〉から地球を救うための「コスモリバースシステム」の技術提供を受けるため、沖田十三艦長とともに主人公古代進らは彼方イスカンダルへと宇宙戦艦ヤマトに乗り込み向かうこととなる。
大人気作品『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクとして制作された今作は、なんといっても作画の綺麗さが目立った。特にイスカンダルの景色は色彩や光彩の技術が光っていると感じた。私は、旧作を知らないがストーリーもシリアスシーンとコメディシーンがあり飽きることもなく、また危険な航海を共にする仲間や地球で帰りを待つ家族との絆を感じるシーンが要所要所であるため、自然と涙が出てしまう場面もあった。特にメインのキャラクターのほとんどが家族を失っていたり記憶がなかったりと、何か欠けている部分を持っていることで視聴者の感情移入を誘うことができているのだろう。


3.映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』
原作:西概租ク
西暦2199年、無事〈コスモリバースシステム〉を手に入れイスカンダルから地球へ帰還する宇宙戦艦ヤマト。しかしその途中で異空間に迷い込み、謎の惑星へと勝手に舵を切って行くヤマト。そこで古代ら5人のクルーはその惑星に降下し調査に乗り出す。しかしそこにはあるはずのない艦を見つけ中へ入ると先客が。それはフォムト・バーガー少佐たちガミラスの残党だった。艦に閉じ込められた彼らとともに脱出を図る古代たちだが、ついにヤマトクルーだということがバレてしまう…。
今作では、七色星団の戦いで敵同士だったヤマトとガミラス兵との間に絆は生まれるのか?ということが最後まで問われることとなる。「異星人とも分かり合える」という古代の考えをもう一度現実的に考えることができるのだ。視聴者には、この「異星人」の部分をほかのものに置き換えて自分に問いかけてみるきっかけになるだろうと思う。


4.舞台 『六本木歌舞伎 第三弾 羅生門』
原作:芥川龍之介
演出:三池崇史
出演:市川海老蔵 三宅健
相次ぐ天変地異で人々は飢え、生きるためには手段を選ばない世の中である。都の荒廃が進むある日、主人から暇を出され、行き場をなくした下人が羅生門の楼上に登る。そこには死人の髪を抜く老婆の姿があった。聞けば、抜いた髪を鬘にして売る、飢餓を免れるにはやむを得ないという。下人も老婆の衣を剥いで駆けだすが、そこに茨木童子という鬼が現れ下人を斬る。その茨木童子は渡辺綱に羅生門で腕を切り落とされていたため、渡辺綱のもとへ腕を取り戻しに向かう。
芥川龍之介の代表作『羅生門』を原作に、演出は第一弾から引き続き三池崇史が担当。出演は海老蔵、そして共演には歌舞伎初出演となる三宅健が決定した今作。人間のエゴイズムを克明に描いた文学作品を、三池崇史がどのように解釈して演出を務めたのかを見て感じられる。序幕の初めは渡辺源次綱を演じ次は老婆だったと思えば、斬られた下人と会話をする市川海老蔵として登場する。本当に新作歌舞伎というか、奇抜な演出でありそれをこなすことのできる技術を持ち合わせる市川海老蔵に感服するばかりだった。歌舞伎を普段みることがない人にもわかりやすい工夫がなされており、退屈することがない舞台だった。

5.映画『翔んで埼玉』
原作:魔夜峰央
かつて東京都民からひどい迫害を受けた埼玉県民は、身を潜めてひっそりと暮らしていた。東京都知事の息子で、東京のトップ高校である白鵬堂学院の生徒会長を務める壇ノ浦百美は、ある日、アメリカ帰りで容姿端麗な謎の転校生・麻実麗と出会う。百美は麻実に淡い恋心を抱き、互いに惹かれあっていく。しかし、麻実が埼玉県出身であったという衝撃の事実を百美が知ってしまい、2人は東京と埼玉の県境で引き裂かれることとなってしまう。
『パタリロ!』で知られる魔夜峰央が描く自虐ネタ満載のギャグ漫画が原作の『翔んで埼玉』は、言われたい放題の埼玉県民が観たらどう思うのか…とは思ったものの、映画館でこんなに笑い声が聞こえてくる作品は初めてだった。賛否両論ありそうな内容であったが、登場する県の特徴が存分に活かされているのは違いない。特にエンディングでながれる『埼玉県のうた』のシュールさに最後まで笑わされた。エンディングまで作品の一部となっていた。間違いなくこの作品のヒットによって埼玉県民の鼻は高くなったと思う。


6.ドラマ『特捜9 スペシャル』
脚本:深沢正樹
5年前の巡査部長夫妻殺害と1年前の警部補殺害の容疑で暴力団、龍丸会の会長・田野崎を逮捕した警視庁捜査一課特捜班。取り調べを進めるが、主任の直樹は、妙に素直に取り調べに応じ、ついには全面自供までした田野崎の態度が腑に落ちない…。
ドラマ独特の運命的すぎる結末だったが、前シーズンと同じキャスト陣が長年にわたり作品を共に作ってきた独特の空気感とテンポで掛け合っていく捜査会議のシーンが面白い。


7.漫画『黒執事』ファントムハイヴ編
原作:枢やな
仮装19世紀末のイギリス。名門貴族シエル・ファントムハイヴ伯爵と執事セバスチャン・ミカエリスは女王の憂いを晴らすべく「女王の番犬」として英国裏社会を牛耳っていた。
スフィア・ミュージックホールを壊滅させたシエルたちが本邸の屋敷に帰るとシエルと瓜二つの少年が「本物のシエル・ファントムハイヴ」と名乗り立っていた。使用人たちが混乱する中、事情を知る老執事のタナカは、確かに彼こそが本物のシエルだと認め、先代ヴィンセントの元に生まれた双子の少年たちについて話し、彼らの10歳の誕生日の日に起こった悲劇が明かされる。
シエル双子説が囁かれていた中、ようやく今編でシエルの過去について語られることとなった。枢やな先生がさまざまな編を通して一貫して隠してきた主人公の過去について、読者は受け止めきれるのか。アニメでも「シエル」の分け目が異なっていたように、双子説のフラグは立っていたが本当に双子だったことで、予想通りだった事へのいい意味の安心となぜ「シエル」は今までそれを隠してきたのか?という新たな疑問を読者に与えることとなった。これからの展開がより楽しみになる新刊だった。


8.舞台『SORAは青い』
脚本:秋之桜子
同じ施設で育った義経、タケル、道真は、“The Sky's The Limit”というボーカルユニットを結成し、メジャーデビューを目指している。野外ライブでのリハーサル中に突然意識を失った3人が目を覚ますと、そこは京都・鴨川三条大橋の河原だった。そこに「駕籠から逃げ出してきた」という駒姫が現れ……。
「音楽の力」がテーマとなった今作は、人と人をつなぐ架け橋として音楽があることを強調していた。戦国時代にタイムスリップしてしまう唐突なストーリーと、殺陣の激しさとライブシーンを1列目で観ることができてよかった。戦国時代の言葉を意識しているのはよかったが、時々やはり現代人らしさが出てしまう言葉遣いは演じるのが大変なのだろうと思った。テーマの「音楽の力」が初めから終わりまで貫かれていることで、奇抜なストーリーに一貫性を持たせていたように感じた。やはり、生で観る舞台には迫力があるのを改めて実感した。


9.アニメ『文豪ストレイドッグス 黒の時代』
原作:朝霧カフカ
有名文豪たちがキャラクター化し、それぞれの文豪の作品にちなんだ異能を持って戦う異能力バトルアクション漫画である。『黒の時代』は、ヨコハマの裏社会に巣食う「ポートマフィア」に属する太宰治、坂口安吾、織田作之助は階級は違いながらも共にグラスを傾ける仲であった。しかし、ある日坂口が消息を絶つことで始まった抗争に巻き込まれていく太宰と織田。男たちが何を求め、何を守ろうとしたのか…。太宰が武装探偵社に入る前のポートマフィア時代を描いた作品である。
もともとはスピンオフとして描かれた小説が原作となっている。厳重な緘口令が敷かれていたため、第2期は第1期の続編だと思い込んでいた視聴者をあっといわせた。新キャラとして織田作之助が登場するが、原作で登場する中原中也とともにかなりの人気キャラクターとなっている。自分の命の危機を予知できるという強力な異能を持つが、その異能を無駄に使うことなく、ポートマフィアでありながら人を殺すことを嫌う性格が太宰のポートマフィア時代と真逆の考え方であることがまず強調される。そして、最期には太宰がポートマフィアを辞め武装探偵社に入るきっかけを与える重要人物となっている。シーンとしては、実際の織田がカレーが好きだったため、カレー屋によく行っているという設定で、そこで孤児の養育を隠れてしており「その子供達が殺められ、(モノローグ的に)泣き叫ぶ自分に気づく」というシーンは心にくるものがあった。彼が信念を貫く姿を見て太宰は自分の意思で行動するようになるのだ。また、織田と戦闘したミミックの長ジイドは満たされない心によって彷徨いテロを各地で起こしていた。しかし、同じ異能を持つ織田と出会い戦うことで彼の心は満たされていく。このように、何のために戦うのかを明確に描くことで三者三様の自分との戦いがありそれによって定められた運命があったことを示唆しており、この「運命」と織田の異能である「予知」という対立する二項が交わることで生まれる未来が、視聴者の感動を誘っている。


2019/4/10(Wed)02:15 ...No.1702
▼三年 白井 RES
春休み課題11〜20

11.『WORKING!!』 作者:高津カリノ
 北海道にあるファミリーレストラン「ワグナリア」で働く見た目が小中学生にしか見えない女子高生、種島ぽぷらに誘われた小鳥遊宗太はそこでアルバイトをすることを決意する。「ワグナリア」で働く従業員たちは皆個性豊かな人ばかり。仕事をしない店長の白藤杏子、男性恐怖症の女子高生、伊波まひる、情報通の謎多きキッチン担当の相馬博臣、見た目はヤンキーなのに中身はヘタレ男の佐藤潤、常に刀を帯刀しているフロアチーフの轟八千代といった個性的な従業員が織りなすお仕事コメディ作品。
 ラブコメ、日常、仕事と様々な要素が詰まった作品なのでどれか一つでも好きな人には非常にお勧めできる作品である。

12.『バジリスク〜甲賀忍法帖〜』 (漫画・アニメ) 原作:山田風太郎 作画:せがわまさき

 甲賀卍谷と伊賀鍔隠れに住む一族はともに服部半兵衛率いられる忍者群同士でありながら、互いに憎悪を抱く敵同士であった。しかし、両門争闘の禁制よって辛うじて和平を保っていた。そんな中、甲賀組の首領甲賀弾正の孫弦之介と伊賀組の頭目お幻の孫娘の朧は恋仲にあり、両家の縁組が済めば甲賀と伊賀の確執も解けるかのように思われていた。しかし、徳川三代将軍となる後継者選びに悩んでいた家康はその選定を甲賀対伊賀の忍法争いによって決めることにしてしまう。方法はそれぞれから10人ずつの選手を出し、最後まで生き残った者が託された巻物を再び家康の前に持ち帰ること。後継者は、伊賀が勝てば竹千代、甲賀が勝てば国千代と決まる。甲賀、伊賀の代表として選ばれた10人は皆、特殊な能力と技を持ったものばかり。そして、その中には弦之介と朧の名前もあった。
 この作品はどちらが正義でどちらが悪という描かれ方をしていない点が良いと思う。甲賀も伊賀も皆それぞれに人間味があるキャラクターばかりで、見ていて感情移入してしまうキャラクターも多かった。また、能力もキャラクターごとに全く異なっていてそれを見るのも一つの楽しみだと思う。

13.『恋は雨上がりのように』(漫画・アニメ) 作者:眉月じゅん
 感情表現が苦手で一見クールな女子高生の橘あきらは自身のアルバイト先のファミレスの店長近藤正己に密かに想いを寄せていた。店長は45歳のバツイチ子持ちであり、自他ともに認める冴えないおじさんであったが、そんな店長の魅力をあきらは自分だけのものとして密かに恋心を募らせていた。そんなある日アルバイト中に起こったある出来事をきっかけにあきらの秘めていた恋心は抑えきれなくなっていく。
 主人公のあきらは一見クールに見え、人を好きになるイメージが湧かないのだが、恋愛に対しては思いのほか積極的であり及び腰になっている店長に対して積極的にアプローチをするところが可愛らしいと思った。また、歳の差恋愛の話ではあるがお互い非常にピュアで、デートシーンのようなものは登場するものの、店長はあきらとの関係を友達と称しており、よくありがちな禁断の恋という展開にならないところが良いと感じた。そしてあきらも店長も挫折を経験し、心に深い傷を負った人物として描かれており、それを2人がどう乗り越えていくかが描かれているので勇気を貰える作品でもあると思う。

14.『BLACK LAGOON』(漫画・アニメ) 作者:広江礼威
 タイの架空都市ロアナプラを舞台に荒事を請け負う運び屋と、裏社会に属する組織や人物たちが繰り広げるクライムアクション作品。
ごく普通の日本人サラリーマン岡田緑郎は東南アジアで海賊ラグーン商会に遭遇して拉致されてしまう。当然助けを待つ緑郎であったが、彼の上司は自身の保身と会社のために緑郎を見捨てることを決意する。帰る場所を無くし、どん底に落とされた緑郎の元に彼と彼が持つ極秘ディスクの消去を目論む傭兵隊が現れ、緑郎の乗っているラグーン商会を追い詰めていく。狼狽の果てに名案を閃いた緑郎はラグーン商会のメンバーと共に一世一代の賭けに出て、傭兵部隊を殲滅させる。その後、帰る場所もない緑郎は裏社会の一員として生きていくことを決意し、ロックと名乗るようになり、二丁拳銃使いのレヴィ、筋骨隆々の黒人の大男ダッチ、インテリ白人のベニーらと共に裏社会で暗躍していく。
 この作品には一部残酷なシーンや過激な発言が含まれており、苦手な人は苦手な作品だと思うが、過激な作品ゆえに作中に示唆されている社会的な問題感じ取ることが出来ると思う。好き嫌いは分かれる作品だと思うが一度見て頂きたい。

15.『甲鉄城のカバネリ』 (アニメ) 監督:荒木哲郎
 産業革命が進み世界が急速に発展していく中、突如カバネと呼ばれる怪物が出現し、人間たちを恐怖の底に陥れる。カバネの恐ろしいところは不死身であることと、噛んだ人間を同族にしてしまう所にあった。また、噛まれた人間は理性を失い、カバネと同じように人間たちを攻撃するようになる。カバネを滅ぼすためには心臓を攻撃する必要があるが、心臓は屈強な鋼でカバーされており、並みの攻撃では太刀打ちできない状況であった。
日ノ本に住む少年、生駒は強大な力を持つカバネに対抗するための武器、ツラヌキ筒の開発に取り組んでいた。ある日、カバネ殺しのスペシャリストの少女、無名を乗せた鋼鉄城が、将軍家のある幕府最大の要害金鋼郭に向かう途中立ち寄ってくる。そしてその同日にカバネに乗っ取られた別の駿城が突入し、島中をカバネが襲う。生駒はカバネに対抗するも噛まれてしまい、とツラヌキ筒を使ってウイルス浸食を止めるが、体はカバネながらも理性を保ったカバネリと化してしまう。
 この作品は進撃の巨人のスタッフが作ったということもあり、ストーリーは進撃の巨人に類似しているが、舞台が日ノ本ということもあり、日本風にアレンジされているところが魅力的である。また、映像も美しく、アクションシーンも見ごたえがあるので映像美、ストーリー共に楽しめる作品となっている。ただ、終盤の展開だけは突拍子もないシーンが多く、個人的に少し残念だった感は否めないが全体的には良作となっていると思う。

16.『地獄少女』(アニメ・漫画) 作者:天羽沙夜
 午前零時にだけアクセスできるウェブサイト『地獄通信』に晴らせぬ怨みを書き込むと、依頼者の前にセーラ―服を着た長い黒髪に赤い瞳を持つ少女閻魔あい、通称地獄少女が現れる。あいは依頼者に藁人形を渡し、人形の首にかかる赤い糸を解けば契約は成立し、憎い相手は地獄に流されるが、その代償として自分自身も死後は、地獄で永遠に苦しむことになると告げる。それを受け取った者は糸を解いて怨みを晴らすか、思い直して踏みとどまるのか葛藤することとなる。そして、契約が執行される際は、あいに付き添う三藁の一目蓮、骨女、輪入道らが現世で罰を与え、最後にあいによって地獄流しが行われる。
 毎回異なった依頼者が登場するがその依頼内容は様々で、地獄に流されても仕方ないような正当な理由から、逆恨みに近い理由など様々なパターンが存在する。あいや、三藁は依頼主に干渉することは禁じられているのがもどかしい点ではあるが、地獄流しを請け負う稼業をやっていながらもどこか人情味がある点が魅力的である。そして、基本的なコンセプトは「必殺仕事人」から来ていることを知って驚いた。「必殺シリーズ」は私も大好きな作品であるので好きな方は見比べて共通点を探すのも面白いかも知れない。

17.『文豪ストレイドッグス』原作:朝霧カフカ 作画:春河35
 舞台はヨコハマ。孤児院を追い出され、横浜を放浪する少年、中島敦はひょんなことから。鶴見川で入水していた太宰治を助ける羽目になる。そして、太宰を助けた敦の元に太宰の相方である国木田独歩が現れ、二人が軍や警察が解決できない危険な依頼を専門にする特殊能力集団『武装探偵社』の社員で、街の田畑を荒らす虎探しの真っ最中だということを知る。その後敦は、紆余曲折を経て武装探偵社の仲間入りを果たし、ヨコハマを舞台に様々な文豪たちと共に数々の凶悪事件に立ち向かっていく。
 タイトルからも分かるようにこの作品には数々の文豪が登場する。また、面白い点は、各文豪たちには特殊能力が備わっており、その能力名は彼らが執筆した小説のタイトルやそれに関連する事柄から由来しているところである。例えば太宰の能力名は『人間失格』、谷崎純一郎の能力名は『細雪』、与謝野晶子なら『君死給勿(きみしにたもうことなかれ)』など各文豪が手掛けた小説から由来した能力名がついている。なのである程度文豪を知っている人には面白い作品となっているのではないかと思う。また、文豪たちがイケメン化されて描かれているのも特徴的である。シリアスとコメディの両方を楽しめる作品となっている。

18.『繰繰れ!コックリさん』(漫画・アニメ) 作者:遠藤ミドリ
 自称「人形」の電波少女市松こひなが、怪しげな術(1人コックリさん)で狐の物の怪コックリさんを呼び出した。
取りつくはずのコックリさんは、一人ぼっちのこひなを心配して献身的に家事をこなすようになる。その姿はまるでオカン。おまけにこひなを激愛する狗の物の怪狗神と、ダメ親父の化け狸信楽も住み着いて、コックリさんの苦労は3倍となる。電波少女と時にイケメン、たまにモフーンな3匹のアニマルたちが織りなす非日常系モフモフコメディ。
 コックリさんを始め、狗神、信楽は普段は人間の男の姿でありながら、動物の姿に変わった時、すごく可愛くなるというギャップが面白かった。人間時はイケメン、アニマル化すると可愛いという両面を各キャラクターが兼ね揃えているのが良い。
また、内容にはあまり関係がないが、OPを小野大輔、櫻井孝宏、中田譲治の三人で歌っており、非常にノリがよく、何度見ても楽しめるOPになっているので是非見て頂きたい。

19.『はたらく魔王さま!』 (漫画・アニメ) 作者:和ヶ原聡司
 大海イグノラに浮かぶ聖十字大陸、エンテ・イスラ。通称悪魔の王道楽土を建設するべく、魔王サタンは悪魔大元帥を従え、世界征服まであと一歩というところまで迫っていた。そこに聖剣を携えた女勇者エミリアが現れ、追い詰められた魔王は、腹心のアルシエルと共に異世界へのゲートで撤退を余儀なくされる。漂流の末、たどり着いたのは現代日本、東京の摩天楼であった。しかも、自分たちの姿も悪魔から人間に変わっていおり、2人の悪魔はこの異郷の地、日本での生活を余儀なくされる。
 序盤では悪魔軍のボスとして勢力を振るっていた魔王とそれに付き従うアルシエルという構図で悪役感が満載であったが、日本にたどり着いた瞬間、周りからは外国人だと勘違いされ、目にするもの全てを危険なものだと誤解する2人の様子を痛い人のように描くところが面白かった。また、日本に来てすぐは馴染めなかった2人であったが、魔王はマグロナルドで働き生計を立て、アルシエルは主夫として家事全般を引き受けるようになる。しかし、このまま話が日常系として進むわけではなく、魔王や勇者であるエミリアさえ抹殺しようとする組織が現れ、それに魔王たちが対峙していくという展開が見られ、人間界と魔界の両方を股にかけた物語となっている。

20.『からかい上手の高木さん』(漫画・アニメ) 作者:山本崇一郎
 中学校の同級生同士である西片と高木さんのやり取りを描くラブコメディ。高木さんは西片をからかい、西片はいつも高木さんに仕返しをしようとするが、高木さんはそれをうまくかわしてしまうという2人の関係性を軸に西片の視点から物語が展開されている。
一話完結型の形式をとっており、話の内容は異なるが、基本高木さんが西片をからかうという大まかな設定は変わることがない。それでも視聴者が飽きずに見ることが出来るのは、毎回どういった手口で高木さんが西片をからかうのかが気になるからというところにあると思う。また、2人のやり取りがとても可愛らしく、癒されるところもこの作品の魅力である。
2019/4/10(Wed)01:18 ...No.1701
▼三年 白井 RES
春休み課題1〜10

1.『メリーに首ったけ』(映画)監督:ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー
内気で不器用な高校生のテッドがみんなの人気者であるメリーとデートをする幸運を掴むが、デート当日にある災難に見舞われてしまい、病院送りになってしまったため、デートは中止。メリーとの関係も彼女の引っ越しを機にそれきりになってしまう。13年後、いまだに彼女のことが忘れられないテッドは怪しげな探偵、パットを雇って彼女の調査を依頼する。しかし、パットもメリーに夢中になってしまい、テッドとパットの間でメリーの争奪戦が始まる。その他にもメリーの友人であるタッカーやメリーの元恋人も登場し、彼らは皆メリーに首ったけになってしまう。
コメディ監督として有名なファレリー兄弟が監督を務める本作品ややお下劣な表現も目立つが、全てを笑いに昇華させることに成功している。また、邦画だとアメリカ人特有の笑いのツボが理解できず、日本人にとってはつまらない場面となってしまうことも多々あるが、本作品では日本人が見ても笑える作品になっている。そして何よりも若き日のキャメロン・ディアスが最高にキュートなので是非見て欲しい。

2.『3年A組−今から皆さんは、人質です−』(ドラマ)脚本:武藤将吾
魁皇高校では卒業まで残り10日となる中、3年A組の担任である美術教師、柊一颯がクラスメイト29人を集めて突然「今から皆さんは人質です。」と言い放ち、爆弾で退路を塞ぎ、生徒29人をクラス内に閉じ込め、人質に取ってしまう。柊が生徒を人質に取った理由は3年A組の生徒であり、自殺した影山澪奈の死の真相をみんなに考えて貰うためだった。生徒たちは生き延びるために、柊が出す課題を必死に考え、影山澪奈の死の真相を解き明かしていく。
菅田将暉主演の高校教師の謎の行動を描く、学園ミステリーで、現代の若者にはかなり胸に響く作品になっていたと思う。ややネタバレになってしまうが、この作品は、SNSなどの誹謗中傷を痛烈に批判した作品になっている。誰もが手軽に繋がれるSNSが発達した現在、便利な反面、嘘の情報を鵜呑みにしたり、心ない誹謗中傷を見ず知らずの他人にぶつける人々が増加している。SNSに何かを投稿する前にグッと踏みとどまって頭をよく働かせて考えることの大切さを訴えかける作品になっており、この作品を観て改めて自分自身のSNSの使い方を反省する人も多いのではないかと思う。

3.『ナイト&デイ』(映画)監督:パトリック・オニール
2010年公開のアメリカ映画。トム・クルーズとキャメロン・ディアスの共演作である。
理想の男性を追い求める平凡な女性ジューンはある日、妹の結婚式に向かうための空港でハンサムな男性ロイと運命的な出会いを果たす。ロイに一目ぼれしたジューンであったが、ロイの正体は理想の男性どころかCIA所属の超一流スパイであり、とある事情からロイはCIAに追われていた。ロイと一緒にいるところをCIAに目撃されたジューンは生き延びるために、ロイと共に行動することを余儀なくされてしまう。平凡な女性と正体不明のスパイが恋の予感とスリルに満ちた逃走劇を繰り広げる。
キャメロン・ディアスとトム・クルーズの二大スターが出演しているだけで観る価値はあるが、何といってもアクションシーンが素晴らしかった。体を張ったアクションシーンが満載で臨場感もあり、ハラハラドキドキする場面に仕上がっていた。トム・クルーズはアクション俳優としても有名だが、この作品も彼のアクションシーンが見られるというだけでも見る価値があると思う。

4.『ダメな私に恋してください』(漫画) 作者:中原アヤ
無職にも関わらず年下男子に貢いでいたモテない元OLのミチコは偶然再会した前の職場の鬼上司、黒沢と再会する。金も職もないミチコを見かねた黒沢はミチコに自身が経営する喫茶店で住み込みで働かないかと提案する。最初は大嫌いな上司の元で働くことを渋っていたミチコであったが、そんなことを言っている余裕もなくなってしまったため、渋々了承する。更にあるトラブルに巻き込まれたところを黒沢に助けてもらったことから、ミチコは黒沢のことが気になるようになる。しかし、黒沢には長年思い続けてきた想い人がいた。非モテアラサー女子と元鬼上司が送る胸キュンラブストーリー。
主人公のミチコはアラサーにも関わらず、今までまともな恋愛をしてきたことがなく、断れない性格と貢ぎ癖が災いして借金まで背負ってしまう。その姿はまさにダメ女と言わざるを得ないが、それでも一生懸命生きている姿やどこかほっておけないキャラクター性が良いと感じた。また、黒沢も元鬼上司とは思えない程優しく、胸キュンポイントが満載なのもこの漫画の魅力の一つである。私は漫画を読んだが、実写化されているようなのでそちらも見てみたい。

5.『だがしかし』(漫画・アニメ) 作者:コトヤマ
ある半島の海沿いの田舎町に住んでいる鹿田ココノツは漫画家を夢みているが、駄菓子屋を営む父に実家の駄菓子屋、シカダ駄菓子を継ぐように命じられてしまう。しかし、それを嫌がるココノツの前にある日、都会からやってきた大手菓子会社の令嬢、枝垂ほたるが現れる。彼女はあらゆる手段を駆使してココノツに駄菓子屋を継がせようと奮闘する。
この作品には様々な駄菓子が登場する。毎回異なる駄菓子が紹介されており、私たちに馴染み深い駄菓子から初めてきいた駄菓子まで数多くの駄菓子が登場し、見ていると駄菓子が食べたくなること間違いなしだと思う。また、登場する駄菓子は殆どが製造、販売元の企業の許可を得て、実名のまま登場するため、かなりリアルに駄菓子が描かれており、駄菓子を描くという情熱の強さが伺える。また駄菓子会社にとってもよい宣伝効果になっているのではないかと感じる。

6.『トレースー科捜研の男―』(ドラマ) 脚本:相沢友子 原作:古賀慶
主人公の真野礼二は科捜研で働く法医研究員で、他の研究員とは異なり、推論や憶測ではなく、あくまでも鑑定結果を第一と考える主義で研究所では浮いた一匹狼的存在。時に見解の違いから警察とぶつかることも多いのだが、警察が事件とは無関係と判断した証拠品であっても、真野は納得がいくまでありとあらゆる手段を駆使して鑑定を行う。そして、その現場に残された痕跡(トレース)から真実の欠片を探しだしていく。
この作品は毎回毎回異なったストーリーが展開され、基本一話完結型をとっており、一話ずつ見ても楽しめる作品になっている。また、この作品から学べることが大変多く、例えば、ジーンズの縫い目は指紋のように一つずつ若干形が異なっており、二つとして同じものは存在しないことや、血の飛び散った方向を調べることによって殺害現場に何人いたのかが分かるなど様々な豆知識を知ることが出来るのも面白い点だと思う。
一話ずつでも楽しめるとは書いたが、話が進むにつれて真野の過去が明らかになっていき、それが物語の終盤の鍵を握ることになるので出来れば全話視聴することをお勧めしたい。

7.『はじめて恋をした日に読む話』作者:持田あき
 3流予備校講師の主人公、春見順子は、中学、高校時代は優等生であったが、東京大学の受験に失敗してから就活も婚活もことごとく失敗し、転落人生を歩むことになってしまい、気づけばアラサーになっていた。そんな中、超低レベル高校に通っているにも関わらず、東大志望のピンク髪の高校生、由利匡平が順子が講師を務める予備校にやってくる。そこで由利の指導を順子が担当することになり、最初は無理だと断るのだが、東大出身の父に馬鹿にされる由利の姿にかつて母の期待に応えられず、苦しんだ自分の姿が重なり、この無謀とも言える東大合格を二人三脚で歩むことを決意する。
 この作品を見ると不可能だと決めつけずに、挑戦することの大切さを確認することが出来る。二人三脚で東大受験という高い壁に挑む順子と由利の姿に自分自身も何か頑張らないといけないと感じさせられた。また、この作品は単純に受験だけを描いているのではなく、恋愛要素も含んでいるので、ラブコメとしても楽しめる作品となっている。

8.『魔法少女まどか☆マギカ』(アニメ) 監督:新房昭之 脚本:虚淵玄
 願いを叶えた代償として「魔法少女」となり、人類の敵と戦うことになった少女たちに降りかかる過酷な運命を、優れた魔法少女となれる可能性を持ちながらも傍観者として関わることになった中学生、鹿目まどかを中心に描く。
 最初絵のビジュアルを見たとき、萌え系アニメかと思ったが、内容はかなりシリアスなもので絵とのギャップに驚かされた。また、タイムリープ作品となっており、過去と現在を行ったり来たりする構成が面白かった。キャラクターも大変魅力的でこの作品に出てくる登場人物は殆ど女性キャラクターなのだが、魔法少女として生きることになった少女たちの葛藤や友情が繊細に描かれており、どのキャラクターも個性的で魅力的なキャラクターに仕上がっている。特に主人公まどかの前に現れた謎の転校生、暁美ほむらは非常にミステリアスで、彼女が考えていることが全く分からずに中盤まで物語は進んでいくが、彼女の真の目的が分かった時は涙なしでは見られないと思う。タイムリープ、友情、葛藤、感動といった様々な要素が詰まった傑作となっている。

9.『賭ケグルイ』(漫画、アニメ) 原作:河本ほむら 作画:尚村透
 創立122年を迎える名門校、私立百華王学園は上流階級、財政界の子女が数多く通う名門校。そこは圧倒的なギャンブルの腕を持つ生徒会長、桃喰綺羅莉のもと、生徒同士のギャンブルによる階級制度によって支配されていた。そこに、蛇喰夢子という少女が転校してくる。一見、おっとりとしたおとなしそうな少女に見える夢子だが、その実はギャンブルに取りつかれたギャンブル狂だった。誰もが予想しない奇策と大胆さを武器に次々と立ちふさがる百華王学園生徒会メンバーを相手に狂気のギャンブルゲームに挑んでいく。
 この作品には様々なギャンブルが登場する。トランプを使用したゲームが多く、ダブル神経衰弱や二枚インディアンポーカーや選択ポーカーなど聞きなれないゲームが多いが、どれも複雑なルールではなく、理解しやすい単純なゲームになっている。また、必ずゲーム前にはルールを説明するので視聴者にとっては分かりやすく、理解できないから話についていけないという事態には陥ることがないと思う。そしてこのゲームを仕掛けた主催者側には必ず必勝法があり、それを夢子が暴いていくのが実に痛快である。
実写化もされているのでそちらでも視聴したい。

10.『ドリフターズ』(漫画) 作者:平野耕平
 西暦1600年、関ヶ原の戦いの最中、謎の男、紫によって島津の退き口から、エルフやオークのいる異世界に飛ばされてしまった島津豊久は同様に流れ着いた織田信長や那須与一と出会い、その地で漂流者(ドリフターズ)と呼ばれるようになる。そこで豊久たちのような漂流者(ドリフターズ)と世界の破壊を目論む廃棄物(エンズ)との戦いが繰り広げられる。
 この作品の最大の魅力は様々な時代の偉人が異世界に転生させられることによって一堂に会するところにあると思う。例えば、主人公の島津豊久、織田信長は戦国時代から召喚されているが、那須与一は平安時代の偉人であり、時代が異なっている。他にも幕末に活躍した偉人である土方歳三や、大日本帝国海軍のエースパイロットである菅野直など生まれた時代の異なる偉人が次々と登場する。また、日本国内のみならず、ハンニバル、スキピオといった世界史において有名な偉人も登場するのが面白い。自分が知っている偉人であれば興味を持ってみることが出来るし、知らない偉人であっても、どんなことをした人かを知ることが出来るので大変勉強になる作品である。
2019/4/10(Wed)00:53 ...No.1700
▼三年 田村 RES
春休み課題 11〜20

11 『図書館戦争 別冊編』 (漫画)
作者:弓きいろ
〈あらすじ〉
ずっと好きだった堂上に郁が想いを告白し、2人はついにカップルになった。新しい日々が始まりドキドキの毎日を送る郁だが、図書館の蔵書の窃盗事件が発生して?!そして迎えた正月、郁は堂上の実家に行くことになり……。

本編では主に図書隊が良化特務機関や良化隊賛同団体などから表現の自由を守ろうと戦う場面が描かれていた。その間に堂上と郁が様々な困難に会いながらも、相手への想いを自覚し恋人になる過程が描かれていた。今作では恋人になってからの2人の生活を中心に話が進んでいく。
しかしその幸せな生活を描きながらも、図書館に関する問題もかなり登場する。貸出図書の盗難、酔っぱらいの利用など現実の図書館でも問題になっているものが多い。そのような問題に対して司書はもちろん、一般の利用者にもどのような対処方法があるのか考えさせられる内容にもなっていると思われる。

12 『魔女の絵画集』 (漫画)
作者:晴智
〈あらすじ〉
孤児院の少女・アイシャには、自身の血を混ぜて描いた絵に奇跡が起こる不思議な力が宿っていた。しかし善意で描かれた絵は人間の欲望にまみれ、やがて人を害し「魔女の絵画」と呼ばれるようになった。アイシャは自ら描いた1番の友人・ロキに、全ての絵を燃やすように最期の願いを託す。約束を背負った少年・ロキはアイシャとの約束を果たす旅に出る。

純粋なアイシャは自分の絵が人のためになると思って一生懸命絵を描き続けており、表情や雰囲気も明るく可愛らしい。一方、欲望にまみれた人間は自分に利益をもたらそうと必死になっており、張り付けた笑顔でアイシャに近づき、醜くどす黒く描かれている。真逆な存在が非常に分かりやすく表現されている。
ロキはアイシャの1番の友人だったが、実はアイシャにはロキは見えず声も聞こえていなかった。ロキがどんなにアイシャを想っていても、どんなに助けようとしても伝わらない場面には非常に切なくなる。それでもアイシャの願いを叶えようとするロキの強い想いに感動させられ、いつまでかかるか分からない旅の続きが気になる物語になっている。

13 『ララの結婚』(漫画)
作者:ためこう
〈あらすじ〉
約束されていた富豪との婚儀の直前、双子の妹・ララは好いた男と村を離れた。ラムダンはララを無事に逃がすため、ララのフリをして花嫁に成り代わる。適当なところで富豪の家から抜け出すつもりだったラムダンだったのだが、婚儀の初夜に予想外の事態にあってしまう……。

BLコミックでかなり激しい内容なため、初心者には少し厳しいと思われる。
タイトルが『ララの結婚』となっているが実際に結婚するのは兄のラムダンで、妹のララに成り代わっている。ラムダンは婚約者のウルジを騙していると思っているが、実はウルジはその事実に気づいており、むしろララの代わりにラムダンが自分の元に来るよう仕向けた張本人であった。ウルジのラムダンに対するその執着心にゾッとするがそのキャラクター性は魅力の一つだと思われる。まだ一巻しか発売していないためBL好きな人には是非今買うことをオススメしたい。


14 『うどんの国の金色毛鞠』(アニメ)
原作:篠丸のどか
〈あらすじ〉
東京でWebデザイナーをしていた俵宗太は、父親の死をきっかけに故郷・香川に帰ってきた。久しぶりに実家のうどん屋に戻ると、釜の中で眠っている子どもを見つける。両親や家の場所も分からない子どもは、実はたぬきが人間の姿に化けたものだった。ポコと名づけられた子どもと宗太、そして宗太の周りの人との優しくて温かい少し変わった家族の物語が始まる。

ポコは人間の言葉を理解でき、話すことも出来るが赤ちゃんのようにたどたどしい。そのため非常に母性をくすぐられ、可愛らしく魅力的なキャラクターになっている。香川が舞台になっており、うどんなどの名産品や小豆島といった観光地も紹介される。落ち着いた環境、心優しい人々がいる田舎が非常に印象的だった。全体的にポコと宗太が友人らと共に香川の色んな所を巡ったり、体験したりなどのほんわかした物語になっているため、ゆったりした作品が好きな人にはオススメしたい。

15 『満月をさがして』(漫画)
作者:種村有菜
〈あらすじ〉
神山満月は12歳でアメリカに留学中の英知くんを想い続けながら、彼との約束の歌手になることを夢見ている。しかし、彼女には命に関わる喉の病気がある。厳しい祖母によってほとんど一日中家の中に籠る毎日だったが、ある日壁をすり抜けて死神のタクトとめろこが部屋に現れて……。

満月が英知との約束のために、タクトたち死神の力を借りて歌手・フルムーンとして活動する物語である。
死神という存在が非常に重要になるのだが、彼らは元々は人間で、理由はそれぞれだが自ら命を絶つことによって生まれた存在だった。死神になると人間の頃の記憶は忘れてしまう、しかし満月に関わっていくうちにタクトやめろこ、いずみの3人は記憶を思い出す。その記憶がどれも壮絶なもので胸が痛くなる。特にいずみの記憶は母親に虐待されているなど悲しいもので、自殺するその瞬間まで報われることはなかったが、母親の真意を理解した時のいずみの気持ちは切なくなると同時に心が温かくなった。
物語構成はかなり考えられており、夢や愛、そして命について生々しく詳しく描かれていたと感じた。少女漫画らしく恋愛要素も前面に押し出されているが、あまり甘い感じではないため少女漫画が苦手な人でも読みやすいと思われる。

16『菜の花ボーイズ』(漫画)
作者:ぴょん
〈あらすじ〉
交通事故にあい左目が見えなくなっしまった大西悠と生まれつき耳が聞こえない石田賢治は同じクラスで隣の席。最初はお互いに興味はなかった2人だったが、ある出来事をきっかけに絆を築き始める。それぞれ違う傷を抱えながらも、互いを理解する少年たちが描く青春学園漫画である。

障害を持つ人々のことを私たちは「障害者」と呼んでいるが、生まれつき耳が聞こえない賢治にとってはそれが普通で、自分の一部であると思っているためかあまり障害だと思ってはいないように見えた。普段から「障害者」という言葉をよく耳にしたり目にする今だからこそ、読んでいて「障害者」という言葉に違和感を感じさせる作品だった。
また賢治は耳のせいで母親からひどい虐待も受けている。悠がどうにか助けようとするのだが、賢治は母親に対する恐れから勇気を出せずにいた。現在でも問題になっている虐待がかなり生々しく描かれており、かなりショックを受けた。不器用な悠が優しく賢治に寄り添って助ける姿には読者は感動せずにはいられないと思われる。
悠や優しい友人たちと触れ合うことで表情を出せるようになった賢治の顔が非常に可愛らしい。全体的に重たい話の中でそこに癒されるため、魅力の一つだと思われる。

17『文豪ストレイドッグス』(アニメ)
原作:朝霧カフカ
〈あらすじ〉
孤児院を追い出され餓死寸前の中島敦は、入水自殺をして流れてきた太宰治と「理想」と書かれた手帳を持つ国木田独歩に出会う。2人は武装探偵社の社員で、ここ最近目撃情報が絶えない「人喰い虎」について調べていて敦も何故かついて行くことになったのだが……。

文豪の名前をつけられたキャラクターたちが、その文豪の作品の名前から考えられた異能力を使い、架空都市・ヨコハマで戦いを繰り広げる物語である。文豪の名前と作品名を同時に覚えることが出来るため、あまり文豪を知らない人でも楽しんで見れると思う。能力の名になっている元の作品への興味に繋がることもあると思われる。
今作品は登場人物がかなり多い、しかも同じような人は一人もおらず、皆それぞれ独特な個性を持ち合わせている。また男キャラにはイケメンが多く、声優も豪華になっている。物語の内容というよりは数多くのキャラの中で自分の推しを見つけることが出来たかどうかで今作品の好き嫌いは分かれるのではないかと考えられる。

18『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』(映画)
原作:朝霧カフカ
〈あらすじ〉
ヨコハマに突如発生した霧、そのなかでは異能力者が自らの力を使い命を絶ってしまう。この奇妙な事件への関与が疑われる謎の能力者・澁澤龍彦の確保に動く武装探偵社。泉鏡花と共に澁澤のもとへ向かう中島敦が、敵対する芥川龍之介から聞かされた驚きの真実。ヨコハマに血嵐が吹き荒れた「龍頭抗争」から6年。澁澤、魔人・フョードル、そして姿を消した太宰治…過去の因縁が紡ぐ事件の行方とは。

霧が発生してから澁澤の確保に動くまで展開が早いため、物語がどんどん進んでいく。説明不足で分かりにくい部分もあるが、作画が非常に綺麗でバトルシーンはかなり迫力あるものになっていた。
敦、芥川、鏡花の3人が中心になっており、それぞれ自分の異能を相手にしながらも澁澤と太宰の元へ向かっている。特に鏡花は異能・夜叉白雪を使い、多くの人を殺していたという過去を認めた上で夜叉白雪を受け入れていた。そのことから鏡花の精神的な成長が非常に感じられた。
4月に始まる第3期への序章のような内容になっているため、その前に見ることをオススメしたい。

19『トリマニア』(漫画)
作者:久世岳
〈あらすじ〉
背中に翼を持つ人々が住むトリマニア共和国。首都は鳥間、公用語は日本語、名物は鳥まんじゅう。そんな謎だらけの国に留学を決めた少女がひとり。彼女はトリマニア共和国で何と出会い、何を見つけるのか─?

背中に翼を持っているだけでその他は私たち人間と変わりないトリマニア人たちが繰り広げるギャグコメディにくすっと笑える。自由で不思議なオーラを纏って、のびのび自由に暮らしているトリマニア人は、どこか動物寄りの性格で私たち人間よりも人生を楽しんでいるように思われる。表紙を見てファンタジーものだと思う人は多いと思われるが、ほのぼのとした日常系の作品である。恋愛要素も含まれているため、女性でも男性でも読みやすく楽しめる作品になっていると考えられる。

20『ドラえもん のび太の月面探査機』 (映画)
脚本:辻村深月
〈あらすじ〉
月面探査機が捉えた白い影が大ニュースになり、小学校でもその正体についてみんな語っていた。のび太は「月のうさぎ」だと主張するも笑われてしまう。そこで、ドラえもんのひみつ道具「異説クラブメンバーズバッジ」を使って月の裏側にウサギ王国を作る。着々とウサギ王国を作るのび太たちの元に不思議なオーラを纏った転校生・ルカがやって来る。

今作品では、エスパルという特殊な力を持つルカたちを助ける為に、のび太たちは知らない星に乗り込んでいく。危険な冒険になるのに、のび太たちは「友だちだから」という理由だけで危険に身を投じるのだ、ほとんど躊躇することなく。人間関係に悩むことが多くなった現代で、私は改めて友だちとはどうゆう存在のことを言うのか今作品で考えさせられた。子供向けの作品として制作されており、様々な教訓を子供に伝えているドラえもんだが、大人になってから見ると失くしてしまった大切なものを思い出させてくれる作品になっていると思われる。また今作品の公開前に作られたポスターがあるのだが、それぞれのキャラクターの後ろ姿と街の風景や月などが描かれており、そこに言葉が添えられている。「大人のフリが上手な人が大人なだけだよ」など心に刺さるものになっているので映画と合わせて見てもらいたい。

以上春休み課題20点です。
2019/4/9(Tue)23:21 ...No.1699
▼三年 田村 RES
春休み課題 1〜10

1 『BANANAFISH』 (アニメ)
原作:吉田秋生
〈あらすじ〉
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年アッシュ・リンクスは、17歳にしてストリート・ギャングをまとめ上げていた。
ある夜、アッシュは自身の手下によって銃撃された男からある住所とともに「バナナフィッシュ」という言葉を伝えられる。
それは廃人同然の兄・グリフィンがしばしば口にする言葉だった。時を同じくして、カメラマンのアシスタントとしてやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。

キャラクターの関係性にボーイズラブを感じる部分もあるが、最終回まで見ると
公式ホームページの相関図にも書いておる通りそんな言葉じゃ片付けられないことが分かる。特にアッシュと英二の関係性は友人とも恋人とも言えない深い絆で結ばれていて非常に印象的だった。原作は1985年とかなり前の少女漫画だが、昔と現代の間で生じる違和感や物語構成の違いなどはほとんど感じられなかった。そのためアニメから見た人も原作ファンも楽しめる作品になっていると思われる。

2 『キングダムハーツ3』 (ゲーム)
発売元:スクウェア・エニックス
〈あらすじ〉
選ばれし者が持てる武器・キーブレードを手にする少年ソラは幼なじみのリクとカイリと離ればなれになってしまい、彼らとの再会を果たすための旅に出た。しかし、いつしかその旅は世界に起こっている異変へ立ち向かうための旅に変わった。いずれ訪れる脅威のために7人の光の守護者を揃えようとソラはドナルド、グーフィーと共に再び冒険へと旅立つ。

ダークシーカー編という今まで発売してきたゲームの物語の完結ということで、別の時代や次元で生きていたキャラクター達が集まったり、感動の再会を果たしたりなどファンにとってはたまらないものになっていたと思われる。特殊な力を持つ男の子が幼なじみや好きな女の子の為に戦うといった構成は定番でどの年齢層にも人気だと思われる。また、『スパイダーマン』など外国の作品にもよく使われている。キングダムハーツも例外ではなく、ソラはカイリを助ける為に戦うという設定が中心にあると考えられる。そのため幅広い年齢層の人々や日本人だけではなく外国人も楽しんでプレイできる。これがキングダムハーツが多くの人から支持されている理由だと思う。

3 『アイドリッシュセブン』(アニメ)
監督:別所誠人
〈あらすじ〉
「小鳥遊事務所」に集められた、
未来を担うアイドルの卵たち。出会ったばかりで性格も個性もバラバラな彼らだが、それぞれ異なる魅力やアイドルの素質を持っていた。そして、「アイドリッシュセブン」というグループを組み、アイドルへの1歩を踏み出す。
華やかだが時に厳しいアイドルの世界に彼らは夢を抱きながら、その頂点を目指す。

元々はスマホのアプリケーションで、キャラクター原案は『紳士同盟†』や『満月をさがして』などの少女漫画の著者・種村有菜が務めている。「IDOLiSH7」や「TRIGGER」といった作中に登場するアイドルたちの楽曲はそれぞれのグループのイメージを上手く表現したものが多く、レベルの高いものになっている。
それぞれのメンバーが抱えている事情により辛い話が多い、また大手事務所や企業の圧力でメンバー間に亀裂が生じたりと困難な道がかなり描かれている。明るい面ばかりではなく、そういう辛い面を描くことが応援したくなるという視聴者の気持ちを生み、今でも人気が高い理由なのではないかと考えられる。

4 『ツバサ』(漫画)
作者:CLAMP
〈あらすじ〉
考古学者の卵・小狼と玖楼国の姫・サクラは幼なじみで、身分関係なく惹かれあっていた。ある日、サクラに秘められていた力を手に入れようとする飛王・リードによってサクラの記憶は無数の羽になって異世界に飛び散ってしまう。瀕死になったサクラを助けるため小狼は、黒鋼やファイ、モコナと共に魔女の力を借りて異世界へ羽を探す旅に出る。

『カードキャプターさくら』や『xxxHOLiC』などのCLAMP作品に登場するキャラクターが登場するため、これまでの作品を読んできた人にとってはより一層楽しめる作品だと思う。初めて会ったはずの小狼と黒鋼とファイたちだったが、実は意外な関係性がある事が明らかになったりする。それぞれの話で張られた伏線が別の人物の話の中で登場するなど伏線の張り方が非常に上手く、思いがけない所で回収されたりするため読者は新鮮な気持ちで読むことができると思われる。最終回近くになると物語が複雑になりすぎて理解しにくい部分もあるが、そこを理解しようと読者はより不思議な世界観の物語に引き込まれると考えられるためその複雑さも魅力の一つだと考えられる。


5 『バトラビッツ』(漫画)
作者:雨市
〈あらすじ〉
幼い頃、「鬼」(オーグ)に父親を殺された輝夜。高校生になった彼はある日、地球を護る月の民「バトラビッツ」だという少女・マオと出会う。彼女は輝夜を不法滞在者として連れていこうとするのだが、その最中父の仇によく似た異星人「鬼」に襲われて……。

『07-ghost』の著者である雨市さんが描いたもので、前作のキャラが登場したりするため『07-ghost』を読んでから今作を読むとより面白さを感じることができると思われる。輝夜は父親を失ってからかなり辛い生活をしており、やっと伯母のもとで幸せに暮らせていたのに訳の分からない戦いに巻き込まれてしまう。戸惑いを感じながらも、バトラビッツ地球防衛総本部総司令官・鷹ノ宮聖やマオらに助けて貰いながら父親の仇を取ろうとする姿は非常にひたむきで胸を打たれる。無理やり終わらせた感が否めないが、ラストの衝撃の真実には今までの伏線も相まって切なく悲しくなるが、非常に面白いと思った。

6 『風が強く吹いている』(アニメ)
原作:三浦しをん
〈あらすじ〉
万引きをして夜道を駆けていた蔵原走は寛政大学4年の清瀬灰二に声をかけられ、半ば強引に竹青荘に住まわされる。そこには、灰二を含め9人の男子学生が住んでいた。そして突如灰二から箱根駅伝を目指すことを伝えられる。実は竹青荘は「寛政大学陸上競技部錬成所」で、灰二は箱根駅伝という夢を叶えるためにメンバーを集めていたのだった。そんな壮大で無謀な夢に最初は反発する走たちだったが…。

陸上をしたことがない素人が半数以上の竹青荘のメンバーで箱根を目指すという馬鹿馬鹿しく見える夢に、全力で向かっていく灰二の姿に最初は反抗的だったメンバーたちが必死に頑張ってタイムを縮めていく、さらに絆を深めていく姿に感動させられる。結果的に箱根駅伝に出場することができるのだが現実的に考えるとこれは無理に近いことだと思う。しかし誰にでも努力すれば大きな成果を挙げられる可能性があるという事を多くの人々に見せてくれる作品だと思われた。

7 『雪の華』(映画)
監督:橋本光二郎
〈あらすじ〉
余命を宣告された美雪の夢は、<約束の地>フィンランドでオーロラを見ること。そんなある日、ひったくりにあった美雪はガラス工芸家を目指す青年・悠輔に助けられる。半年後に偶然再会した悠輔が、男手ひとつで兄弟を育てていること、そして彼の働く店が危機に陥っているということを知った美雪は「私が出します、100万円。その代わり1 ヶ月、私の恋人になってください」と、期間限定の恋を持ちかける。

中島美嘉の『雪の華』という楽曲を元に作られた作品であり、場面一つ一つがどの歌詞に対応しているのか分かりやすかった。残り少ない人生に生きる希望を失いかけていた美雪が悠輔と恋人ごっこをするようになった事で、前向きに明るく生きていた姿は観客に温かい幸せな気持ちを与えていたと思われる。美雪は結局死なずに物語は終わってしまったのでそのあとの2人は結局どのように過ごしたのか、美雪は結局どうなってしまったのかなど観客が自由に考えられるエンディングになっていた。物語的にはかなりありふれたものなのでつまらないと感じるかもしれないが、美雪役の中条あやみが非常に可愛らしく癒される。

8 『Free!』(アニメ)
監督:内海紘子
〈あらすじ〉
幼い頃から水に触れることが好きだった七瀬遙。幼なじみの橘真琴と一緒に高校生活を送っていると、突如小学生の時に共にスイミングクラブに通っていた松岡凛が現れる。圧倒的な強さを見せる凛にこのままでは終われないと、同じくスイミングクラブのメンバーだった真琴と葉月渚、そして新たに竜ヶ崎怜を引き込んで「岩鳶高校水泳部」を設立する。

遥は水泳部を設立した当初、「俺はフリーしか泳がない」と言ってメドレーリレーを拒否していた。しかし、水泳部のメンバーと共に泳いでいくうちにリレーでしか見ることができない景色に気づき、リレーで泳ぐことに喜びを感じるようになった。終盤ではタイムが伸びず水泳を辞めるとまで言っていた凛を遥、真琴、渚はリレーのメンバーに入れ凛に再び泳ぐことの楽しさを思い出させる。これらの事からメドレーリレーという仲間と共に泳ぐことでより泳ぎの楽しさを遥や凛が感じていたことがわかる。今作品では、個人単体ではなく仲間と共にやることで生まれる景色を重要にしているのではないかと思われた。

9『Free!-Eternal Summer-』(アニメ)
監督:内海紘子
〈あらすじ〉
前回の大会を経て、更に絆を深めた遙、真琴、渚、怜。以前と変わらない生活の中でそれぞれの成長した姿を見せていた。一方、凛は過去の自分を乗り越え、自分の夢へと走り出し、そして新たな仲間と共に最高のチームを作ることを目指している。岩鳶と鮫柄、仲間と水泳、そして彼らの未来。彼らは自分自身と向き合い、それぞれの思いを胸に秘めながら、新たな夏を迎える。

鮫柄の水泳部には凛の親友・山崎宗介が新たに入部し、凛は部長として部を引っ張っていくことになる。凛が周りとコミュニケーションをとり、仲間と共に泳ぐことを大切にしているように感じられ、確実に1期より人間的に成長していることが伺える。
今期ではそれぞれ進路に悩み始めるのだが、特に遥は何がしたいのか分からなくなってしまう。そこで凛は遥を昔ホームステイしていたオーストラリアに連れて行き、めったにできない体験をさせるなどライバルでありながら、友人である遥のために世界への可能性を教える。1期もそうだったが、2期ではより一層熱く深い友情が描かれていると思われる。

10 『Free!-Dive to the Future-』(アニメ)
監督:河浪栄作
〈あらすじ〉
高校を卒業し、水泳でつないだ絆を胸にそれぞれの未来へ歩み出した遙たち。
遙は東京で、かつてともにリレーを泳いだ旭と再会する。中学生の記憶を呼び覚ます遙だったが、その胸に蘇ったのは“あの時”の郁弥の姿だった。遙とともに上京した真琴は新たな夢に向かって進み始める。シドニーへ旅立った凛は新天地で意外な出会いを果たす。渚と怜は新たなメンバーと共に水泳部の活動をしていく。

今作品の前に『ハイ☆スピード!』という映画が公開されており、中学時代の遥や真琴などが登場していて、“ あの時”の郁弥というのもここで分かる。映画を見てからの方がストーリーも分かりやすいと思うが、私は見てなくても何となく理解出来て楽しく今作品を見ることができた。大学生になったことで青春感は薄れてしまっているが、新たなライバルが出現した事でより続きが気になるような内容になっている。2020年に4期が始まるのでその前に一通り見てもらいたい。
2019/4/9(Tue)23:20 ...No.1698
▼三年 金成 RES
春休み課題11〜20

11『堕落JKと廃人教師』(マンガ)
著者:sora
扇言は失恋を苦に自殺しようとするが物理教師の灰葉仁に止められる。その際に扇言は灰葉から「死ぬ前に俺と恋愛しない?」と言われる。灰葉の告白を断った扇言だが徐々に気持ちが変化していく。
基本的にギャグ調で進んでいく作品である。シリアスになったと思うとすぐにギャグになるが、たまにそのまま物語が展開していくこともある。ギャグの部分とシリアスの部分でキャラクターたちのギャップが見られるところがおもしろい。主人公の扇言はとてもネガティブな性格であるが人のために行動できる人物だ。自殺しようとしたのも相手に気まずい思いをさせるのが申し訳ないという理由からであり、方向性は間違えているが優しいところが彼女の魅力だと思う。一方で灰葉はいい加減でお調子者のように見えるが何か暗い過去を抱えているようであり、とてもギャップがある。キャラクターたちが様々な顔を見せるところがこの作品の最大の魅力だと思う。

12『約束のネバーランド』(アニメ)
原作:白井カイウ・出水ぽすか
監督:神戸守
孤児院で暮らすエマ、ノーマン、レイはママと慕う女性と血の繋がらない兄弟たちと穏やかに過ごしていた。しかしある日孤児院から里子に出された子どもたちがどうなるのかを知ってしまう。三人は孤児院からの脱出を決意する。
二転三転する展開と高度な頭脳戦、たくさんの伏線が張られた作品で、毎週続きがとても気になった。原作を読んでいなかったので毎週物語の展開に驚かされた。またこの作品を見ていてカメラワークが特徴的だなと思った。振り子時計と同じタイミング、動きで視点が切り替わったり、キャラクターの後ろをじっと追いかけたりしていた。また時には草むらの影から覗いているような視点もあり、まるでその場にいて観察しているような気分になった。「農園」という孤児院の性質から観察者の気分になるとキャラクターへの感情移入が難しい。しかしその分冷静に考察することができたと思う。エマたちと敵対する立場である大人の「ママ」や「シスター」の子どものころの回想シーンが流れた時は、大人にも確かに子どものころがあったのだと思った。「ママ」がエマたちを見送るシーンは子どもたちの自立、親の子離れを表現しているように感じた。

13『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』(アニメ)
原作:赤坂アカ
監督:畠山守
「恋愛は戦!好きになった方が負け」ということで、如何に相手に告白させるかを天才たちが競うラブコメ頭脳戦。秀知院学園の生徒会会長白銀御行と副会長四宮かぐやは互いに惹かれているのに何もないまま半年が経過してしまった。二人は相手に告白させるためその天才的な頭脳を駆使していく。
約三十分で三つのエピソードを放送する形態なのでテンポよくみることができる。基本的にラブコメ展開でギャグ要素を強く感じるが時にシリアスになることもある。最終話は特にシリアスな展開となり、かぐやが「籠の鳥」であることがよく分かる内容だった。しかしそこから抜け出し生徒会のメンバーで花火を見たシーンは感動した。かぐやが「籠の鳥」であることやそこから飛び出すこと、生徒会メンバーによって新たな世界を知るという展開はエンディングでも示唆されていた。原作を読んでいないので最終話まで気づかず、何かの映画のパロディかと思っていた。しかしちゃんとエンディングの映像にも意味があったのだと演出の細かさに驚いた。

14『ワンパンマン』(アニメ)
原作:ONE・村田雄介 
監督:夏目真悟
趣味でヒーローを始めたサイタマは三年間の特訓によってどんな敵でもワンパンチで倒せるようになってしまった。サイタマが本気で闘える敵は現れるのか?サイタマは今日
もヒーローとして活動する。
最初はただのギャグアニメだと思っていたが、サイタマの行動や考えには見習うべきところがあると考えるようになった。サイタマはヒーローとして活動するがヒーロー協会に所属していないために認知されていなかったり、所属した後も強すぎるためにその功績を認められなかったりする。時には誹謗中傷を受けることさえあった。しかしサイタマは自分が好きでやっていることだからと他者からの評価を気にしない。またあまりに強すぎる敵に他のヒーローが簡単にやられてしまったことを非難された時、サイタマは自ら悪者になることで他のヒーローの名誉を守った。サイタマの言動は人として尊敬できるものだと感じた。

15『モンスターとペアレント』(マンガ)
著者:紗与イチ
母が亡くなり遠縁の覡家の養子となった女子高生・さいか。そこで個性豊かな美形三兄弟と出会う。さらに神様の子どもを育てる「神預かり」に巻き込まれることになり、さいかは子育てに奮闘する。
少しギャル目の女子高生が神様の子どもを育てるという設定がおもしろい。さいかが覡家で出会う三兄弟はそれぞれ個性豊かであるが、物語が進むにつれて最初の印象とは違った面を見せるようになる。ただのおバカキャラかと思えばちゃんと考えていたり、冷たい対応ばかりかと思えば優しいところもあったり、親切で優しい人かと思えば何か闇を抱えているようだったりする。「強い」女の子という印象のさいかも物語が進むなかで弱さを見せることがあり、様々な面をもつキャラクターたちが魅力の作品である。この作品では「子育て」がキーワードとなるが、さいかは「子育て」をするなかで亡き母との思い出を回想し、母の思いを理解するようになる。自分の「子育て」を通して親の思いを理解するというシーンに感動した。

16『本と鍵の季節』(小説)
著者:米澤穂信
図書委員の堀川次郎は松倉詩門とともに放課後の図書室で当番を務めている。松倉詩門は背が高く顔もいいため目立つ存在であり、快活な一方で皮肉屋なところもあるいいやつだ。図書委員の二人は本と鍵にまつわる様々な依頼を受ける。
全六編の短編が収録されている。それぞれ時系列にそって本や鍵をキーワードとした謎を二人の男子高校生が解いていく物語である。謎といっても殺人事件などの凶悪な犯罪に関係するものではなく、日常のなかにあるちょっとした非日常というような謎だ。なかには気づかなければ知らずに終わっていたかもしれない謎もあり、非日常が訪れるかどうかは日々のわずかな変化に気づけるかどうかにかかっているのだなと思った。松倉詩門が持ち込んだ謎解きは最後に急展開が待っていてとても驚いたし切なくなった。また友人関係の難しさを感じる話でもあって、相手の家族の問題にどこまで踏み込んでいいのかと考えさせられる話だった。堀川次郎と松倉詩門は対称的なキャラクターで、堀川次郎が人を信じるところから始めるのに対し、松倉詩門は疑うところから始める。対称的な二人だからこそお互いの欠けている部分を補いあって謎を解くことができたのだと思った。

17『彼に依頼してはいけません』(マンガ)
著者:雪広うたこ
鏡キズナと相棒の御堂眞矢は正規の探偵が受けられない依頼を受け付ける非合法な探偵事務所を営んでいる。キズナは人の感情に極めて強く共感することができる「エンパス」という能力をもち、この能力を使って様々な依頼を解決していく。
鏡キズナと御堂眞矢が営むのは非合法な探偵事務所ということで依頼内容や調査対象は癖が強いものが多い。SNSで女装を投稿している父親に会いたいだったり、アニメキャラのなりきり彼氏をやめるために相手と別れさせてほしいだったり依頼内容はちょっと変わっている。しかし依頼内容にはジェンダー問題や二次元の受容の仕方といった現代的な事柄に関係する部分が多く、世情を反映しているように感じた。また鏡キズナがもつ強力な「エンパス」能力は使いすぎると自分を見失う可能性がある。アイデンティティや共感という部分も現代において話題になることが多いので、この作品には「最近のマンガ」という印象をもった。

18『文豪ストレイドッグス』(マンガ)
著者:春河35
原作:朝霧カフカ
孤児院を追い出された青年・中島敦は入水自殺中だった太宰治を助ける。この出会いをきっかけに敦は自分が「異能力」をもつことを知り、異能力集団・武装探偵社に所属することになる。
実際に存在する文豪たちをキャラクター化した作品。主要キャラクターは基本的に実在する文豪と同じ名前である。キャラクターが使う「異能力」名も文豪の著作のタイトルであったり内容に関するものであったりする。文豪のキャラクター化については性別や関係性が実際のものと反転していることがあるので苦手な人もいるかもしれない。しかし少なくとも関係性については史実を元にした創作という形になるので私はおもしろいと思う。またこの作品を通して元になった著作や史実に興味をもち触れる機会もあると考える。実際、文学館や元になった文豪の著作とコラボすることもある。純文学に興味をもつきっかけをくれる作品だと思う。また上記のことをぬきにしても一つの作品としてとてもおもしろい。異能力バトルアクションという内容だが頭脳戦だったり仲間同士の衝突だったりと様々な要素をもつ作品である。文豪のキャラクター化が苦手な人にも一度試しに読んでもらいたい。

19『休日のわるものさん』(マンガ)
著者:森川侑
人類を滅ぼし地球征服を企む悪の組織の幹部である主人公は地球を守るレンジャーたちと日々死闘を繰り広げている。しかし今日は休日。上野へパンダを見に行き、たとえレンジャーと会っても争わない。何度もいうが休日だからだ。
ヒーローに家族や恋人、友人がいて私生活があるように、「わるものさん」にもプライベートがあるという当たり前のことに気づける作品である。ヒーローを主役とした作品だと「わるものさん」の仕事中のことしか分からないので忘れがちだが、もちろん「わるものさん」にもプライベートがある。このことからどの作品のどのキャラクターにも物語の中では語られていない部分があるのではないかと考えるようになった。キャラクターの作品内では語られない部分を想像するという新しい楽しみ方をこの作品から教えられた。この作品は『休日のわるものさん』というタイトルどおり「わるものさん」の休日の過ごし方を描いたものである。パンダを見に行ったりコンビニのアイスを食べたりとほのぼのとした過ごし方に癒される。一息つきたい時におすすめの作品だ。

20『ルパン三世 グッバイ・パートナー』
(アニメ)
原作:モンキー・パンチ
監督:川越淳
ルパン三世は銭形警部がルパンを手助けしていたという容疑で逮捕されたことを知る。銭形警部の助けがなければ盗めないと言われたルパンはどんなものでも盗んでみせるとテレビ局へ向けて宣言する。タイムクリスタルを盗んでみせろと言われたルパンは自分を利用しようとしている黒幕を探りながら、次元大介、石川五ェ門とともにお宝を手に入れるため動き出す。
前のシーンで登場したものが次のシーンでの解決策になるということが何度もあったので演出が細かいなと思った。ルパンが美女と戯れるというお決まりのシーンで登場したバブルボールが施設から脱出する際に使われたり、次元がルパンに渡したライターが銃弾を防いだりする。分かりやすい伏線も多かったが気づけるとよりおもしろいと感じるので良かったと思う。「グッバイ・パートナー」というサブタイトルは次元がルパンを裏切ったことを指しているのかと思ったが、アニメを見た後は次元がかつて恋人らしき女性と別れたことを示しているのではないかと考えるようになった。

以上春休み課題20点です。
2019/4/9(Tue)22:26 ...No.1697
▼三年 金成 RES
春休み課題 1〜10

1『風が強く吹いている』(アニメ)
原作:三浦しをん
監督:野村和也
清瀬灰二(ハイジ)は夜道を駆け抜けていく蔵原走(カケル)と出会い、彼を下宿先である竹青荘(アオタケ)に住まわせる。ハイジは箱根駅伝に出場するため、「走る」とは何かを追求するため、竹青荘のメンバーを巻き込んでいく。最初は無理やりハイジに付き合わされていたメンバーだったが次第に箱根駅伝に本気で挑みはじめる。
アオタケのメンバーは陸上経験者もいるがほとんど素人と言っていい者ばかりである。そんな彼らが努力し葛藤や挫折を味わいながら箱根を目指していく姿は見ていてフィクションだと分かっていても思わず「頑張れ」と言ってしまうほど引き込まれた。様々なものを犠牲にしても「走る」ことをやめない、やめられないという一生懸命な姿が印象的だった。キャラクターだけでなく演出も魅力的で、カケルと王子が衝突した後、互いを理解していく過程を二人がマンガのページをめくるタイミングのシンクロで表現していたのが面白かった。この表現は王子が語っていた現象でもあったので伏線の回収が徹底されていると感じた。

2『PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1 罪と罰』(映画)
シリーズ原案:虚淵 玄(ニトロプラス)
監督:塩谷直義
一台の暴走車両が公安局ビルに突入する事件が起こった。運転していた夜坂泉は特別行政区〈サンクチュアリ〉の心理カウンセラーであり公安局に助けを求めているようだったが意志疎通が難しく、詳細が分からないまま〈サンクチュアリ〉への送還が決まる。霜月美佳は宜野座伸元と六合塚弥生を連れ〈サンクチュアリ〉を訪れる。〈サンクチュアリ〉での捜査を進める霜月たちだったが〈サンクチュアリ〉の管理者たちから妨害を受け対立することになる。
〈サンクチュアリ〉で起こった事件の真相にはシビュラシステムが関係しており、シビュラシステムによって引き起こされたとも言えるものだった。霜月はテレビアニメ二期ではシビュラシステムを盲信し、指示に従っている印象があった。しかし事件の真相を知ってシビュラシステムの考えに理解を示しながらも憤る姿に彼女の成長を感じた。何かにただ従うのではなく、自ら考え意志をもって行動することに意味があると思わせてくれる変化だった。その他のキャラクターにもそれぞれ成長が感じられる作品であり、テレビアニメ一期や二期との違いを見比べたいと思った。

3『PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.2 First Guardian』(映画)
シリーズ原案:虚淵 玄(ニトロプラス)
監督:塩谷直義
国防軍のドローンパイロットである須郷徹平は通称〈フットスタンプ〉作戦と言われる極秘作戦に参加することになる。しかし作戦は失敗し部隊は全滅、須郷の先輩である大友逸樹は行方不明となる。その三ヶ月後、謎の武装ドローンによって国防省ビルが襲撃され多くの関係者が死傷する事件が起こる。捜査に訪れた征陸智己は事件の共犯の容疑で須郷に接触する。
この作品の時間軸はテレビアニメ一期の数ヶ月前である。よって一期や二期で死亡したキャラクターが多々登場し、とても懐かしい気持ちになった。彼らがこの後どのような運命をたどるのか知っているため一つ一つのセリフに重みがあり、セリフから様々なシーンを連想してしまった。作品内で起こった事件の真相は悲惨なものであり誰も救われない結果であった。しかし征陸が須郷に新たな道を提示し、それがテレビアニメ二期に繋がっていると思うとこの過去があったからこそキャラクターに深みがでているのだなと思った。

4『PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に_』(映画)
シリーズ原案:虚淵 玄(ニトロプラス)
監督:塩谷直義
傭兵として紛争地帯を転々とする狡噛慎也は旅の途中で知り合った同業者であるガルシアの協力でチベット・ヒマラヤ同盟王国に入国する。そこで武装ゲリラから難民を乗せたバスを助けたことをきっかけにテンジンという少女から戦い方を教えて欲しいと言われる。彼女は殺された家族の仇を討とうとしていた。同盟王国では武装ゲリラや民族間の争いによって大勢の一般市民が犠牲になっている。狡噛は復讐のためではなく護身のために彼女の願いを聞き入れる。そんな中狡噛の前に日本の外務省職員である花城フレデリカが現れる。
様々な正義の形が表現された作品だった。非道なことだと感じる行為でも誰かを救う結果を導くこともあり、また誰かの生活のためになっていることもある。最終的には非道な行為をしていた人物はその報いを受けていたが、そのキャラクターを悪だと言いきることはできないと思った。物語の最後で狡噛が続編の存在を仄めかしていたが、その後テレビアニメ三期の発表があったので見事に伏線の回収ができていた。PSYCHO-PASSシリーズはキャラクターによって異なる思想や正義のあり方が見られることが魅力だと思う。三期にも期待したい。

5『映画 刀剣乱舞』(映画)
原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より
監督:耶雲哉治
「本能寺の変」に歴史改変の魔の手が迫るが、織田信長を本能寺から逃がすという時間遡行軍の計画は刀剣男士たちにより防がれる。しかし本丸に帰還した彼らに織田信長が生きているという知らせが届く。本来の歴史に戻すため再び刀剣男士たちは出陣する。
様々なところに伏線が張り巡らせてあり、物語の展開がとても丁寧だった。「本能寺の変」というほとんどの人が知っている歴史的大事件を題材としているので、『刀剣乱舞』という作品をあまり知らない人でも楽しめる内容だったと思う。キャラクターたちの殺陣や行動、セリフなどももちろん魅力的だが、歴史ミステリーとしての側面も強いので純粋にストーリーも楽しむことができる。『刀剣乱舞』は舞台、ミュージカルですでに成功を収めている作品であるが私はどちらも見たことがなかった。今回この映画を見て舞台やミュージカルも見てみたいと感じた。2.5次元世界へ踏み出すきっかけとしてとても良い作品だと思う。

6『十二人の死にたい子供たち』(映画)
原作:冲方丁
監督:堤幸彦
廃病院に集まった十二人の未成年たち。彼らは集団安楽死をするために集まった。しかしそこではいるはずのない十三人目が死んでいた。彼を殺したのは誰なのか。十二人は疑心暗鬼になっていく。
原作を読んだことがなかったため予告を見て想像していた内容と実際の内容に少しギャップがあった。ホラー要素のある話かと思っていたが実際は感動できる話だった。十二人の少年少女にはそれぞれ死にたい理由がある。なかにはそんなことでと思うようなものもあったし、理解できないものもあった。しかしどんな理由であっても当人にとっては死ぬほど重大なことになるのだなと思った。ミステリー要素が強い作品でもあり、エンディングで時系列にそって物語を振り返る演出が面白かったし、とても分かりやすかった。

7『劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel II. lost butterfly』(映画)
原案:奈須きのこ/TYPE-MOON
監督:須藤友徳
劇場版 Fate/stay night Heaven's Feelの第二章にあたる作品。第一章からの続きになっている。臓硯がサーヴァントとして真アサシンを召喚し、主人公である衛宮士郎はサーヴァントのセイバーを失う。町では黒い影が徘徊しサーヴァントとそのマスターたちを襲っていく。士郎は間桐 桜を守ろうと奮闘するが運命はどんどんねじれていく。
物語がどんどん過酷になっていくので見ていて辛くなった。ときどきゾッとするような演出があった点が印象的だった。特にメルヘンな夢の世界から一転してグロテスクな現実になったシーンが記憶に残っている。ヒロインの桜が狂気に呑まれていく過程が怖いと同時に辛かった。その他印象的だったのはサーヴァント同士の戦闘シーンである。前作に引き続きとてもかっこよかった。大迫力のアクションシーンなので映画館で見るのが一番だと思った。

8『花野井くんと恋の病』(マンガ)
著者:森野 萌 
高校一年生のほたるは偶然カフェで隣のクラスの花野井くんがフラれるところを見てしまう。その帰り道で何気なく傘を貸したことがきっかけでほたるは花野井くんから告白される。恋がなにか分からないほたるは告白を断るが、イケメンで愛情過多な花野井くんと交流するなかで気持ちが変化していく。
絵柄もストーリーも全体的にほんわかした印象で、読んでいると穏やか気持ちになれる作品である。愛が重すぎる花野井くんと恋が何か分からないほたるはちょうどよいバランスになっているように感じた。ほたるの花野井くんに対する気持ちの変化が丁寧に描かれていて、二人の関係性が少しずつ変化していくのがおもしろい。二人がお互いをよい方向に成長させていく様子を見ているととても微笑ましい気持ちになる。これからどのような展開になっていくのか続きが気になる作品だ。

9『ここは今から倫理です。』(マンガ)
著者:雨瀬シオリ
高校の倫理教師である高柳が様々な悩みや問題を抱えた生徒たちと真摯に向き合う物語。より良い生き方、生と死といった生きていくうえで大切なことを考えていく。
この物語は一話完結型で様々な問題を抱えた生徒たちが登場する。彼らの悩みや問題は最近ニュースで報道されているようなSNSについてだったり自身のアイデンティティについてだったりと多種多様である。読んでいて共感できる部分もあり考えさせられることが多かった。こういった物語でイメージするのは熱血教師が多いかもしれないが高柳はそのイメージから程遠い人物である。生徒と向き合う際には「倫理」という視点から冷静に教え諭すという印象だ。高柳の教えは現実的なものが多く、また高柳のもつ潔癖とも感じられる教師像から冷たいと思うこともある。しかしそういった現実的な教えの方が相手に響くこともあるし、受け入れやすいのだなと思った。

10『黒執事』(マンガ)
著者:枢やな
英国の名門貴族ファントムハイヴ家にはすべてにおいて完璧な執事セバスチャンがいる。彼が仕えているのは十二才にしてファントムハイヴ家当主であるシエル・ファントムハイヴだ。シエルは英国裏社会を牛耳る「女王の番犬」としての顔をもち、セバスチャンとともにその役目を果たしている。
この作品はシリアスな部分とギャグ調で笑える部分があり、とてもメリハリのある物語展開がなされている。サーカス編、豪華客船編などといった章仕立てで話が進んでいくが、ところどころに話の本筋に関わる伏線が張られているところがおもしろい。完全にギャグ回だと思っていたら伏線だったということもあるので気がぬけない。最新刊ではこれまで展開されていた大きな伏線が回収されたところなので続きがとても気になる。キャラクターたちもそれぞれ魅力的で、時に人間の狂気的な部分が強調されることもあるがそういったところも作品の魅力だと思う。
2019/4/9(Tue)22:23 ...No.1696
▼四年 大川 RES
春休み課題11〜20

11.「離婚してもいいですか?翔子の場合」(漫画)著者:野原広子
 どこにでもある普通の家庭の平凡な妻、翔子。子どもにも健康にも恵まれ、何一つ不自由はないはずなのに。夫との距離が離れ行くばかりの毎日が、積み重なっていくのだ。
 専業主婦になったことがきっかけで、“夫の機嫌を損なわないようにすること”を基準に生活してきた翔子の不満や苛立ちは一般的な家庭でも見受けられそうだと思った。どんどん夫との距離が離れていく翔子がどのような選択をするのか興味深い。

12.「はたらく細胞」(アニメ)監督:鈴木健一 原作:清水茜
 人の細胞の数、およそ37兆個。細胞たちは体という世界の中、今日も元気に、休むことなく、働いている。酸素を運ぶ赤血球、細菌と戦う白血球。そこには知られざる細胞たちのドラマがあった。
 細胞を擬人化した作品。生物で習ったようなことから、詳しい知識まで、説明があり、分かりやすかった。キャラクターは、個性的で愛らしく、細胞でありながら感情移入してしまうものだった。私たちの体の中で起こっていることをドラマチックに描いており、発想が面白いと思う。

13.「私の百合はお仕事です!」(漫画)著者:未幡
 誰からでもよく見られようと自分を作り上げ、振舞ってきた女子高生、白木陽芽。彼女はお嬢様学校を模した「カフェ・リーベ女学園」で働くことになる。そこは店員が女学園の生徒に扮し、客に給仕を行うサロンだった。陽芽は持ち前の外面の良さから、カフェの先輩である綾小路美月を何気なく「お姉さま」と呼んでしまう。
 絵柄が可愛く、キャラクターの心情を丁寧に描いており、非常に面白かった。特に、陽芽と幼馴染の果乃子が陽芽に向ける感情は百合らしくて良かった。カフェ内では、「マリアさまがみてる」のようなやり取りが繰り広げられ、実際の登場人物とのギャップも読んで面白かった。

14.「AKIRA」(映画)監督・原作:大友克洋
 1988年、第三次世界大戦によって東京は滅んだ。そして2019年、東京はネオ東京として蘇った。ネオ東京には自然のものが何もなく、人工で作られたものばかり。そこに生きる人々は閉塞感を覚えていた。
 SFやバトルものが好きだったら、もっと面白く感じたのだろうと思った。終盤、鉄雄の力が暴走した場面では圧倒され、釘付けになった。また、“AKIRA”とは何なのか考察のし甲斐がありそうだと思う。

15.「花物語」(小説)著者:吉屋信子
 少女の日の美しい友との想い出、生き別れた母との突然の邂逅、両親を亡くした不遇な姉弟を襲った悲劇…花のように可憐な少女たちを美しく繊細に綴った感傷的な物語。
 少女同士の美しく儚い関係に魅せられる作品だ。特に“スイートピー”では、愛した少女の死に涙を流す少女たちの姿に胸が熱くなった。乙女の可憐で繊細な姿を垣間見たようだと感じた。

16.「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」(漫画)著者:永田カビ
 高校卒業から10年間、息苦しさを感じて生きてきた日々。そんな自分を解き放つために選んだ手段が、「レズビアン風俗」で抱きしめられることだった。自身を極限まで見つめ突破口を開いた、赤裸々すぎる実録マンガ。
 著者がレズ風俗に行くことになった心情や著者の半生が丁寧に描かれており、共感できるところもあった。“誰かに抱きしめてほしい”と感じた結果、レズ風俗を選択しており、タイトルのインパクトに反して、内容は著者自身の内面を見つめなおすエッセイで想像以上に面白かった。

17.「同棲生活〜社会人百合編〜」(漫画)著者:さつま揚げ
 中小企業に勤める普通のOL「ゆうちゃん」と在宅ライター「みゆさん」のゆる〜い同棲生活を描いた作品。
 同棲生活をする社会人女性同士の日常を描いた作品で、読んでほっこりするような物語である。二人のやり取りが可愛らしく、面白かった。

18.「黒蜥蜴」(小説)著者:江戸川乱歩
 宝石等「美しいもの」を狙う美貌の女賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎が対決するトリッキイでアクロバティックな探偵小説。
 黒蜥蜴のキャラクター性が魅力的だった。冒頭などに描かれる黒蜥蜴の美貌と妖艶さに加え、死ぬ直前に敵であるはずの明智小五郎にキスを求めるいじらしい姿が素晴らしいと思った。トリックだけでなく、二人の関係性や心の通わせた様子も面白い物語だ。

19.「芋虫」(小説)著者:江戸川乱歩
 エリート将校の妻となった須永時子と、その後、戦争で四肢や聴力なども失って帰還した夫、須永中尉との夫婦の物語である。四肢を失い、妻との性交だけを生きる楽しみとしていた夫を虐げることを、妻はいつしか楽しみとするようになり、ある時、ふとした気の迷いから夫を失明させてしまう。
 乱歩作品の中でも特にグロテスクな表現が多い作品だと思う。人間と言えるのかも分からない夫を虐めて楽しむ時子のどろどろとした感情が興味深かった。最後に失明しながらも“ユルス”という言葉を残し、自ら命を絶つ夫の姿と、懸命に夫を探す妻の愛情に胸が熱くなった。

20.「カメラを止めるな!」(映画)監督・脚本:上田慎一郎
 とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。そんな中、撮影隊に 本物のゾンビが襲いかかる!大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々を撮った人々の物語。
 冒頭の30分はただのゾンビ映画が淡々と流れるだけで面白味がないが、中盤からはノンストップワンカットでゾンビ映画を撮るために奮闘する人々の心温まる物語が描かれる。役者やスタッフなど様々な問題を抱えながら取り続ける姿に笑いながらも、家族の温かさに感動した。

以上春休み課題20点です。
2019/4/9(Tue)01:17 ...No.1695
▼四年 大川 RES
春休み課題1〜10

1.「ひよっこ2」(ドラマ)脚本:岡田惠和
 1970年秋、前田みね子は、夫でコックの秀俊とともに、赤坂の洋食屋「すずふり亭」で働きながら、新婚生活を送ってる。まるで家族のようなすずふり亭の仲間、個性的な商店街の人々、「あかね荘」の隣人や大家さん、大好きな友人らに囲まれ、毎日楽しく暮らしています。最近、少し気がかりなのは、すずふり亭の店主、牧野鈴子の元気がないこと。鈴子の息子で料理長の省吾や妻の愛子も、すずふり亭の今後について心配している。一方、みね子の故郷、奥茨城村では、高校2年生になった妹のちよ子が進路について悩み中・・・。そんなある日、牧野家は初めての家族旅行へ行くことに。そして、みね子と秀俊も、奥茨城村へ帰省することになる。久しぶりの故郷で待っていたのは、ちよ子の大演説と、スキャンダルを起こし村に戻ってきた時子。お父ちゃんの記憶は果たして戻るのか。
 「ひよっこ」と同じように、全体的にほっこりするような作品だった。「ひよっこ」に出てきた登場人物のほとんどが今回も登場し、近況報告をしていて懐かしく思った。また、ちよ子の進路の悩みや時子のスキャンダルなど「ひよっこ」のときよりも成長したのではないかと感じた。

2.「火花」(小説)著者:又吉直樹
 お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ。
 天才である師・神谷の存在、思うようにいかない自分の笑い、後輩芸人の台頭に焦る気持ちや相方とのすれ違いなどお笑い芸人の厳しい裏側のようなものが読み取れた。短い作品でありながら、徳永の人生を感じることができたと思う。

3.「お母さん、娘をやめていいですか?」(ドラマ)脚本:井上由美子
 娘と母は1番の親友であり、まるで恋人のようだった。しかし、その密月は、娘がある男と出会うことで一変していく。母娘の関係に目をそむけてきた父が、最後の希望を託したマイホーム。家族はその中にひそむパンドラの箱を開けてしまう。複雑に絡んだ母娘の物語をサスペンスフルに描くモンスターホームドラマ。
 いわゆる毒親である顕子は娘の美月が恋人の松嶋と交際することで自分から離れていくと思い、松嶋を誘惑するほど娘を奪われたくないと思う。「過保護のかほこ」の母親と娘の関係に似ているが、本作は、過激ではあるが、よりリアリティがあり、ドロドロした愛情劇に感じた。顕子の母親も毒親であるという根深いところも問題もあり、毎回面白かった。

4.「まんぷく」(ドラマ)脚本:福田靖
 今や私たちの生活に欠かせないものとなった「インスタントラーメン」を生み出した夫婦の知られざる物語を描く。何度も失敗してはどん底から立ち上がる"敗者復活戦"を繰り返した末、二人は世紀の大発明へとたどりつく人生大逆転の成功物語。
 家族で疎開したり、万平が進駐軍に捕らえられたりと様々な困難を乗り越えていくことで、夫婦の絆が確固たるものとなっていく姿に感動した。また、終盤で“カップヌードル”を発明する際は、夫婦だけでなく、子供や社員など会社の将来を担っていく人に仕事を任せる話は特に面白かった。

5.「あさな君はノンケじゃない!」(漫画)著者:あさなさくま
 あさな君はごくごくフツーの都内在住アラサー男子。ただひとつだけ違うのは、ゲイであること。母へのカミングアウト、初恋の男の子の想い出、そして運命の人との出会い…。今どきアラサーゲイのささやかな日常を描くコミックエッセイ。
 ゲイに関しての知識が多くはなかったので、この作品を読んで新しいことを知ることができた。また、会社や町での無意識に近い差別に気付くことができた。ゲイであることを悲観的に語るのではなく、楽しんで生きている著作の気持ちが伝わり、ポップな絵柄も相まって面白かった。

6.「ちはやふる 結び」(映画)監督:小泉徳宏 原作:末次由紀
 末次由紀の大ヒットコミックを実写映画化した「ちはやふる 上の句」「ちはやふる 下の句」の続編。瑞沢高校競技かるた部の1年生・綾瀬千早がクイーン・若宮詩暢と壮絶な戦いを繰り広げた全国大会から2年が経った。3年生になった千早たちは個性派揃いの新入生たちに振り回されながらも、高校生活最後の全国大会に向けて動き出す。一方、藤岡東高校に通う新は全国大会で千早たちと戦うため、かるた部創設に奔走していた。そんな中、瑞沢かるた部で思いがけないトラブルが起こる。
 かるたへの情熱や部活仲間との友情だけでなく、3年生になり将来を考える登場人物の心の葛藤が描かれていた。また、千早、太一、新の三角関係も進展し、面白かった。また、百人一首に対して思いを馳せるときに水彩タッチのアニメーションが使われており、面白い演出だと感じた。

7.「町田くんの世界」(漫画)著者:安藤ゆき
 物静かでメガネ。そんな外見とは裏腹に成績は中の下。アナログ人間で不器用。なのに運動神経は見た目どおりの町田くん。得意なことが何もないと本人は思っていますが周りからは愛されています。その理由とは。
 物語は全体的に町田君の優しい世界が描かれていた。成績が悪くても、効率が悪い方法でも、素直な気持ちで家族や友人と接する町田君に、読んでいて心が温かくなった。

8.「私の穴が埋まらない」(漫画)著者:おぐらなおみ
 多忙な毎日をこなすうち、いつのまにか触れなくなって、夫との体の距離は遠ざかるばかり。セックスレス夫婦のそれぞれを描く、フィクションコミックエッセイ。
 娘がいる結婚生活が長い夫婦、新婚だが旦那が浮気をした夫婦、年下の彼氏との生活で身体の衰えを感じている女性が主に描かれている。この物語は、セックスレスをきっかけに旦那や彼氏との関係や、女としての自分を見つめなおす物語だと思った。ギャグ調の漫画でとっつきやすい絵柄でありながら、旦那のふとした発言で傷ついたり、喜んだりする主人公の気持ちに共感できた。
 
9.「DESTINY 鎌倉ものがたり」(映画)監督・脚本:山崎貴 原作:西岸良平
鎌倉に暮らすミステリー作家・一色正和のもとに嫁いだ年若い妻・亜紀子はその生活に驚くばかり。どうやらここ鎌倉は、人と人ならざるものたちが仲良く暮らす街らしい。亜紀子の理想とはちょっと違うけれど、楽しい新婚生活が始まった。しかし、正和は結婚に疑問を感じて生きてきたようだ。正和はなぜ亜紀子を見初めたのだろうか? ある日、亜紀子の姿が消えていた。なんと亜紀子は不慮の事故で亡くなっており、黄泉の国(あの世)に旅立っていたのだった。正和は亜紀子の命を取り戻すため、一人黄泉の国へ向かう決意をする。
妖怪や黄泉の国などをCGやVFXを活用して表現しており、壮大な世界観に引き込まれていった。物語は、テンポがよく終盤まで面白かった。正和と亜紀子のやり取りも観ていてほっこりさせ、全体的に心温まる物語だった。
 
10.「ココア」(ドラマ)脚本:鈴木すみれ
 過ごしている環境も場所も違う、16歳の女子高校生3人の物語。 黒崎灯はある日、春海雄介という31歳の売れないギタリストと出会う。灯は自らの素性を明かさぬまま、友人の話と前置きした上で、「灯」という女性が置かれた辛い環境や苦しい過去を語り始める。 鈴森香は、両親の裏切りが許せなかった。ある日、両親の裏切りに耐えてきた香はついに両親に離婚してほしいと訴えに出る。 いつも教室で淋しそうにしている大沢志穂。いつも教室でひとりぼっちの志穂を心配していた同級生の渋谷海斗は、何とかして志穂の心を開こうと様々なアプローチをしてくる。そして少しずつ海斗に心を開いていった志穂は、自分が体験した、目を覆いたくなるような過去を語り始めた。
 脚本家の鈴木すみれは、中学1年生で脚本を書き上げたらしく、単純にすごいと思った。家族と学校という狭い世界で生きるしかなく、そこで生まれた葛藤や気持ちを大人の目線ではなく、主人公と同じ学生ならでは目線から描いていたのではないかと感じた。
2019/4/9(Tue)01:16 ...No.1694
▼四年 大川 RES
夏休み課題21〜30

21.「おっさんずラブ」(ドラマ)脚本:徳尾浩司
 まったくモテない33歳の春田創一は、会社の上司である黒澤武蔵と後輩(連続版では牧凌太)の2人の同性に告白される。困惑しながらもピュアな恋心を持つ男たちの存在がいつしか春田の心を大きく揺さぶることになる。
 単発版に比べ、春田以外の人物の心情がよく描かれていたと思う。また、単発版では登場しなかった黒澤の前妻である蝶子や春田に思いを寄せていた幼馴染のちずといった女性陣の活躍により、同性愛というマイノリティの問題を上手く描いていたと考える。さらに、本作は“武蔵の部屋”というInstagram公式裏アカウントの活用やpixivでのイラストコンテストなどSNSによるマーケティングが印象的だった。

22.「アシガールSP」(ドラマ)脚本:宮村優子 原作:森本梢子
 時は永禄3年。命がけで羽木の危機を救った速川唯は、ついに若君・羽木九八郎忠清と婚約。ところが和議を結んだはずの宿敵・高山宗鶴が再び戦を仕掛けて来た。高山を唆したのは、織田信長の家臣・相賀一成。無為な戦を止めるため、若君は唯を残し先鋒の城に向かう。「生きることこそが勝ち」という忠清の思いを領主・忠高に伝え、羽木の一族郎党を本拠・黒羽城から無事逃がした唯は、単身若君の後を追う。
 タイムスリップにより異なる時代の人間と恋に落ちる物語は、結ばれないことが多いと思われるが、「アシガール」では唯の明るさと元気で様々な障害を乗り越え、若君と一緒に生きる選択をする。観ると元気がもらえるような作品である。

23.「昭和元禄落語心中」(ドラマ)脚本:羽原大介 原作:雲田はるこ
 昭和初期、落語の世界に入った八雲は、同期入門の落語の天才・助六と、固い友情で結ばれる。八雲は助六の芸に憧れ、嫉妬し、追いつこうともがき、芸者・みよ吉にも支えられ、成長していく。やがて、助六とみよ吉とが結ばれるが、ふたりは謎に満ちた事故死を遂げてしまう。八雲はその死を巡る秘密を抱いたまま、ふたりの遺児・小夏を引き取る。小夏は、八雲を「親の仇」と恨んで成長し、やがて天衣無縫な八雲の弟子・与太郎とともに、八雲がひた隠す「助六とみよ吉の死の真相」に迫っていく…。
 岡田将生演じる八雲の色っぽい落語が印象深い。特に“死神”を語る八雲には見入ってしまう。それとは対照的な山崎育三郎演じる助六も素晴らしかった。同じ演目でも、落語をする人によって全く異なるものが出来上がることを見事に表現していたと思う。また、みよ吉の登場により二人の関係が変化していく様子は非常に面白かった。
 
24.「学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで」(ドラマ)脚本・原作:岡田麿里
 アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」両作品の生みの親・カリスマアニメ脚本家・岡田麿里。大ヒットアニメの創作の原点は、かつて、生きづらさを抱えた作者自身の「過去」だった。岡田氏が、ひきこもりだった学生時代から、上京し、脚本家になるまでの道のりを、コミカルに、叙情的に、これらアニメ作品の映像と実写ドラマをコラージュして送る全く新しい自伝ドラマ。
 小学生の頃からの引きこもりの岡田にとって、母親の影響がとても大きいのだと思った。また、“闇を抱え自分の殻に閉じこもってしまう”という経験が、「あの花」「ここさけ」の主人公に通じるところがあり、興味深かった。自分の居場所を求めて生きる姿は普遍的なもののように感じた。

25.「透明なゆりかご」(ドラマ)脚本:安達奈緒子 原作:沖田×華
 幸せな出産ばかりでなく、中絶や死産といった産婦人科の“影”の部分にも向き合いながら、時に明るく、時に切なく、主人公たちの命への“祈り”にも似た想いをつむいでゆく。観ていてどこかほっこりする、でも心の底までズドンと来るような物語。
 主人公アオイの「命には、望まれて生まれてくるものと人知れず消えていくものがある。輝く命と透明な命…わたしには、その重さはどちらも同じに思える」という台詞が印象的だった。作中では、望まれなかった命について大きく触れている。普段は忘れているような命の儚さ、大切さ、愛おしさなどが感じられる作品で、毎回胸が熱くなった。

26.「透明なゆりかご」(漫画)著者:沖田×華
 看護学科の高校3年生の×華は母親のすすめで産婦人科院の見習い看護師として働くことになる。中絶の現場やその後処置を体験して一時は辞めそうになるが、出産の現場に立ち会い生まれる命の力強さに感動し、仕事を続けていく決意をする。
 柔らかいタッチの絵で描かれ、時に笑いを誘う雰囲気もありながら、“命”という重いテーマを扱い、リアリティのある辛辣な表現もあり、胸にずっしりときた。さらさらと読めてしまう作品ではあるが、どこか胸に残る作品だと思う。

27.「女子的生活」(ドラマ)脚本:坂口理子 原作:坂木司
 見た目は美しい女性だが、実は男性で、女性が恋愛対象というトランスジェンダーのみきはファストファッション会社で働くOL。同僚のかおりや仲村と共に、忙しいながらも充実した「女子的生活」を満喫していた。ある日、同級生だった後藤が訪ねて来る。みきの姿を見て驚く後藤だったが「お金がなく頼る人間がいないので助けて欲しい」と言い、みきは「合コン」セッティングを条件に、渋々承諾することに。合コン当日、みきの前に、ゆいという自然派気取りの女が現れる。みきとゆいは、「女」同士のバトルを繰り広げることになるのだが…。
 トランスジェンダーを主人公にするドラマは珍しく、興味深かった。特に高校時代までは、男性として生活していたみきが、女性の格好でカミングアウトをしていない父親に会ってしまう場面は印象深かった。本当の自分を認めてほしいけれど、否定される恐怖や相手の気持ちを考えて言い出すことができないみきの姿に胸が熱くなった。

28.「ひよっこ」(ドラマ)脚本:岡田惠和
 茨城県の山間に生まれた谷田部みね子は、東京へ出稼ぎに行き帰ってこない父を追うように、集団就職で上京した。工場で働き始めるも、初めて見る大都会に戸惑うばかり。仲間たちと過ごし、出会いと別れを繰り返しながら、みね子は東京に根を張っていく。
 父の記憶喪失や行方不明など困難はありながらも、みね子の明るさで全体的にほっこりするような物語だった。登場人物は、個性的で笑えるようなところも沢山あった。登場人物の恋愛模様は面白く、観ていて朝から元気なるような作品だったと思う。

29.「遥かなる山の呼び声」(ドラマ)脚本:山田洋次・坂口理子 原作:山田洋次
 北海道の小さな町で、風見民子は、息子・武志を育てながら、義父の吉雄と共に酪農を続けていた。夫の精二が数年前に交通事故で亡くなってから牧場の規模を縮小し、家族3人何とか生計を立てている。2018年春。親戚の葬儀に出かけていた吉雄がずぶ濡れになって帰って来た。路上でバイクが故障し難儀してた見ず知らずの男を車に乗せて来たらしい。今夜だけ納屋にでも泊めてやってくれと言う。玄関に現れたのはびしょ濡れの大男であった。翌朝、忙しい家事を終えて牛舎に向かった民子が見たのは、慣れた手つきで牛の世話をする男の姿であった。
 監督・山田洋次、主演・高倉健で名作と言われる「遥かなる山の呼び声」のリメイク版。40年近く前の作品のリメイク版ということで、舞台を2018年の北海道としていたが、どこか懐かしさを感じさせる作品になっっているのではないかと思う。登場人物の真っ直ぐな姿に心が洗われるようだった。

30.「植木等とのぼせもん」(ドラマ)脚本:向井康介
 日本のテレビ史、映画史にさん然と輝くスターの中でも、まさに「明るい昭和」を象徴する男、それが植木等。悩みながらも「スーダラ節」を熱唱し、「無責任男」を身体を張って演じ、画面で、ステージで、多くの人々を魅了し続けました。そんな彼を一番そばで見ていたのが、付き人兼運転手として働き、植木を「親父さん」と慕い、後に俳優・コメディアンとして活躍する “のぼせもん”小松政夫。時代の寵児・植木等と、彼を支えつづけ、やがて巣立って行った青年・小松政夫の「師弟=“父子”ドラマ」を、当時のテレビバラエティーや映画の熱気ある撮影風景をふんだんに交えながら描く、笑いと涙のドラマ。
 弟子の小松政夫から見た植木等がよく描かれていたと思う。圧倒的なカリスマ性がある植木等の悩みや“親父”としての気遣いなどこれまで知られていなかった植木等像が描かれていた。

以上夏休み課題30点です。提出が遅くなり、大変申し訳ございませんでした。
2019/4/9(Tue)01:15 ...No.1693
<< [1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12] >>
Rental:大宇宙 お知らせ(2/3) Base:ACE