書籍「新装版　思考は現実化する」第２章より引用

目標のない世界―このことについて考えてみよう。あれもこれもと悩み、もがきながら、はっきり目標がないために何一つ満足することなしに一生を過ごしてしまう人のことを考えてみよう。
あなたはいますぐ、生涯で何が欲しいのかを答えることができるだろうか。確かに目標を設定することは、容易なことではない。多くの悩みと反省のはざまで苦しむことだろう。しかし、それは努力するだけの価値があることなのだ。願望や目標がはっきりしていればそれに到達する喜びがあり、それによって利益が期待できる。その利益というのは、得ようと思わなくとも自動的にやってくるものなのだ。

知っておいていただきたいのは、自分の欲しいものを本当に手に入れることができるのだと、自分自身で確信するようにならない限り、大きな望みを手に入れることは、到底できないということである。

書籍「新装版　思考は現実化する」第18章より引用

あなたは、たった一つのことを除いて、すべてコントロールされている。たった一つのこととは「思考」である。それは人間の天性の特権であり、私たちは自分の運命を定めることができるのだ。あなたがもし自分の心のコントロールを失うなら、あなたがコントロールすべきものは、なにも存在しなくなってしまう。

　ヘンリー・フォードが「第一号自動車」の試運転を行ったとき、“常識人”たちは冷笑を浴びせたものである。ある人は「そんなものは実用化されない」と言い、別の人は「そんなものに金を払う人はいない」と言った。それに対してフォードは、「そのうち地球には、自動車のベルトができるさ」と言い切った。現実はフォードの言ったとおりになった。

一方の常識人たちは、心のコントロールをしようとさえしなかったのだ。
　心のコントロールができるかどうかは、自己訓練と習慣によって決まる。あなたが心をコントロールするのか、心があなたをコントロールするのか、そのどちらかなのだ。どっちつかずということはあり得ない。心をコントロールする最も具体的な方法は、明確な計画に裏付けられた目標の中に自分を没頭させることである。
　有名な成功者の記録を研究してみると、その人は必ず自分の心をコントロールしていたことが分かる。そのうえ、自分の目標に向かってまっしぐらに進んでいたことも分かる。心のコントロールなしには、成功は不可能なのである。

書籍「新装版　思考は現実化する」第４章より引用

集中力とは、一つの主題に精通するまで、心がそこから離れないようにする力をいう。また「成功に向けた集中力」は、あなたの思うがままに考えることのできる脳力、考えを整理してそれらを特定の目的に向けることのできる脳力でもある。
望んでいるもののイメージがはっきりと目に浮かぶまで、注意のすべてを集中していただきたい。そして、望んでいるものを手に入れた自分の姿を想像し、これを潜在意識に伝える。潜在意識が指示を理解できるまで、繰り返し繰り返し、指示を出してやらなければならない。繰り返さなければ、潜在意識はなかなか受け入れてくれないからである。

信念とはこの繰り返しによって強化されるものなのだ。初めはこの様なことを実行するのはばかばかしく思うかもしれないが、ここで求められるのはあなたの集中力と想像力のみである。決して理性に頼ってはいけない。理性に頼りすぎるとあなたの中の消極的思考によって失望させられることになる。
誰しも、新しい考え方には懐疑的になるものだ。しかし、これを実行し続ければあなたの疑問は徐々に解消され、いずれは絶対的な信念に変わっていくだろう。

人間が造り出したものはみな、初めは想像の中に作り出され、それから燃えるような意欲とコントロールされた注意力によって、最終的に現実化したものだ。「明確な目標」に集中し、１年、２年、５年、あるいは10年のうちに本当になりたいと思う自分のイメージを持続すれば、あなたはそれを実現できる。自分ができると信じれば、それを成し遂げることができるのだ。

書籍「新装版　思考は現実化する」第９章、第16章より引用

次の言葉には、人間の心の平安を解くカギが入っている。

「失敗や逆境の中には、すべてそれ相応かそれ以上の大きな利益の種子が含まれている」

だが、この事実を最後まで信じきれる人もまた少ないのである。逆境の中にあってはなおさらである。
失敗は形を変えた恩恵であることが多い。予定どおりに運んだら厄介事や身の破滅にさえなりかねなかった目標から、引き返させることがあるからだ。失敗によって新しい機会への扉が開かれ、試行錯誤をしながら、現実に役立つ知識が得られるのである。失敗は、その方法がふさわしくないことを明らかにしてくれたり、高慢な人間の思い上がりを諭すこともある。
どんな状況であれ、失敗したら、その状況を分析してみることだ。
そうすれば、どんな失敗にもそれに見合った利益の種子が含まれているという、真理に行き当たるはずである。これは失敗が必ず熟した果実となって利益を与えてくれるという意味ではない。失敗には種子が含まれている、ということにすぎない。それを見つけ出し、芽を出させ、豊かに実を結ばせるには、人それぞれが目的を明確に持って積極的に想像力を働かさなければならない。

明王のエジスンは、子供の頃の事故で聴力をほとんど失っている。私は彼を訪ねたときに、「聴力障害は大きなハンディになりませんか」と聞いてみた。エジスンは、「いやいや、それどころか、耳の聞こえないことで大助かりしていますよ。くだらないおしゃべりを聞かなくてもすみますからね。それで“内なる声を聞く”ことができるようになりました」
彼は身体の不自由を長所に変えることによって、自分の心の中から「無限の英知」を感じ、多くのものを得ることができたのである。

書籍「新装版　思考は現実化する」第８章より引用

必要な金銭ですら満足に手に入れられない人は、気持ちに余裕がなく、他人の意見に影響されやすい。彼らは新聞記事や噂話にすら容易に影響されてしまうのである。“意見”とは、この地上で最も安い商品である。人間は誰でも山ほどの意見を持っている。受け入れてくれさえすれば、いくらでも放出するものだ。あなたが自分の信念をポケットに入れて、他人の意見に惑わされて結論を出すとしたら、何をするにしても成功することはないだろう。他人の無責任な意見に振り回されるということは、あなたにまだ真剣な願望が確定していないことを意味する。

素早く明確な決断を下せる人は、自分が何を望んでいるか知っている人であり、それを達成できる人である。

言い換えれば、明確で具体的な目標を持っている人は、断固として決断を下せるのだ。どんな分野の指導者でも、その人は素早く確固たる決断を下せる人だ。
　世の中は、自分の進むべき道をよく知り、それを目標に行動する人だけにチャンスを提供しているのだということを決して忘れてはならない。

あなたは自分の頭脳を持っている。だから様々な正しい情報を集めることができるだろうし、また意見も持っている。したがってそれを使って正しい決断を下せばよいのだ。だが、その決断を下す前に、身近な人々から情報や事実を集めたかったら、あなたの目的を明らかにせずに、必要な情報だけを集めるようにすればよい。
生半可な知識しか持たない人ほど、知ったかぶりをしたがるものだ。そのような人は他人の意見を聞こうとせず、しゃべりすぎるのが特徴だ。
豊富な知識を持った人の前で口を開くということは、あなたに正確な知識が備わっているか、それとも欠落しているかを披露することになる。