席につくなり、学生風アルバイトのウェートレスはすぐさま注文を取りにきた。
「コーヒー二つ。」
「はい、コーヒーを二つですね。」
ここでやりとりが終われば、「えっ?」という不快に襲われることはなかった。
気持ちよくコーヒーを嗜みながら、しばしの会話を普通に楽しみ、普通にコーヒー代を支払い、その店のことが記憶に残ることも無かったはずであった。
しかし、あろうことか次にそのウェートレスから告げられた一言はに耳を疑わざるを得なかったのだ。
「店内が混みあいましたら、二人がけの席に移動して戴くかもしれませんが・・・」
この言葉が発せられるまでを、一瞬で振り返っただけでも矛盾が生じる。
1.店の入り口で「お好きな席にどうぞ!」と言われた。
2.店内はガラガラである。
3.お昼時のビジネス街のランチを食べに来ているんじゃないはずである。
4.店の雰囲気から、そんなに長居するつもりは無かった
その一言に「えっ?」と心の中で動揺しながら、次にどうして良い分からず、躊躇する自分がいる。そして沈黙・・・・。
その沈黙は数秒にも、数十秒に感じられたが、
「わかりました。では注文は結構ですので、店を出ることにします。」
一度落ち着きかけた席を後にして、そのお店を後にすることにした。
背後から、聞こえた「ありがとうございました。」という店員の挨拶にもはや感情はなかった。
結局、隣にあったAfternoon teaに入ることを決めた。
先ほどの「えっ?」という動揺を引きずりながら、開放的な店内へ入るや否や、レジで他の客の会計をしていたウェートレスが、一言声をかけてくれた。
「今すぐ席にご案内します!」
とても歯切れの良い対応に、先ほどまでの「えっ?」は吹っ飛んでしまった。
結局、瞬時の対応だけで、Afternoon teaで過ごした数十分は心地よいものとなった。 (終り)
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